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資料1-3-2 公益社団法人経済同友会 御提出資料(参考資料) (6 ページ)

公開元URL https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2310_04medical/240426_01/medical10_agenda.html
出典情報 規制改革推進会議 健康・医療・介護ワーキング・グループ(第10回 4/26)《内閣府》
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医療法人の経営効率化

(1)医療法人経営の現状
現在、国内には 8,0006を超える病院7が存在する。医療給付費は 2021 年に 47 兆円、
2040 年には 67 兆円に増加すると推計8されている。わが国の人口 1000 人当たり病床
数は世界でも高いランクに位置している9が、国内に約 150 万ある総病床数のうち、
病床を多く保有する医療法人の上位 10 位を足し合わせても、そのシェアは 15%程度
にしかならない。このように医療法人あたりの病床数が小規模で、細分化された保
有構造では、スケールメリットが働かず、コスト効率を上げることが難しい。
現実に、2022 年度の医業利益は 2021 年度と比較して 100 床あたり平均で-
19,966 万円となり、直近の年度における赤字額は拡大傾向にある。さらに、医業利
益の赤字病院割合は 2 年続けて 60%を超え、2022 年度には 72.8%まで上昇して
おり、新型コロナウイルス感染症関連の補助金等を除くと赤字基調が続いている10状
況にある。
医療法人の経営効率化が進まない要因の一つとして、医療法人が有する非営利性
の課題がある。現状、医療費は公定価格が定められており、特に回復期や慢性期に
おける医療ではサービスの質に関わらず、得られる報酬は変わらない。したがっ
て、患者に対するサービスの質を高めたいとの志を持つ医療法人でも、質を上げよ
うとするほどコストがかかり、利益が減少する構造になっている。意欲のある医療
法人が質の向上に向けた投資を行うための原資を確保するためには、経営の効率化
によって生産性を高め、コストダウンを図る必要がある。
一方、2010 年以降、政府は日本の医療を海外展開する「アウトバウンド」事業を
推進している。日本は、諸外国から高齢者福祉の先進国として注目を集めている
が、国内の医療法人が海外での事業展開や投資を行う余力はなく、国際競争できる
体力は有していない。このような状況を打破するためには、下記に挙げる規制改革
を着実に実行することで、経営効率化による生産性の革新を実現し、強固な経営基
盤を持つ医療法人が創出されやすい環境を整えなければならない。
(2)医療法人の経営効率化に向けた規制改革
①医療法人の代表者である理事長の兼務
医療法人では、医療法第 46 条に基づき、原則として 3 名以上の理事及び1名以上
の監事をおき、理事の中から代表者となる理事長を1名選出することとなっている。
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出所:厚生労働省「令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告」(2023 年 9 月 26 日)
医療提供施設の内、20 床以上のもの。(医療法第 1 条「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数
人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをい
う。)
8
出所:内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省「2040 年を見据えた社会保障の将来見通し」(2018 年 5 月 21
日)
9 公益社団法人日本医師会「病床数の国際比較」(2021 年 2 月 22 日)
10
出所:一般社団法人日本病院会、公益社団法人全日本病院協会、一般社団法人日本医療法人協会「2023 年度
病院経営定期調査」(2023 年 11 月 28 日)なお、一病院あたりの医業利益は 2018 年度から 5 年続けて赤字と
なっている(2018 年度の-27,496 万円から 2020 年度には-77,819 万円に大幅に増加し、2021 年度は-60,357
万円に減少したが 2022 年度には-72,674 万円へと再び増加している)。また、同調査における有効回答数
1,116 病院のうち、医療法人が占める割合は 49.8%。次に自治体、その他公的(日赤など)と続き、それら 3
つの合計は全体の 83.7%を占める。
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