※

ワクチン接種後の急性散在性脳脊髄炎（ADEM）が疑われる 症例（重篤）

第102回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和６年度第４回薬
事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会

※抽出基準：症状名が急性散在性脳脊髄炎として報告された症例。

期間

評価

No.

ワクチン名

年齢・性別

報
告
対
象
期
間
前

再評価

1

ビケンＨＡ(HA216C)

報
告
対
象
期
間
前

再評価

2

インフルエンザＨＡワクチン
4歳・女性
＊デンカ(689-B)

報
告
対
象
期
間
前

再評価

3

シングリックス

3歳・男性

70歳・男性

基礎疾患等

2024（令和６）年７月29日
経過

症状名

転帰

ブライトン分類レ
ベル

因果関係

鼻漏
咳嗽
蕁麻疹
軟便
体調不良

別紙2 p1 参照

急性散在性脳脊髄炎
腹痛

不明
不明

4

γ

なし

別紙2 p1～2 参照

急性散在性脳脊髄炎

後遺症あり

4

γ

別紙1 p1～2 参照

急性散在性脳脊髄炎
伸展性足底反応
上咽頭炎
意識レベルの低下
意識変容状態
脱髄
脳症
転倒
フルニエー壊疽
不全片麻痺
感染
運動障害
褥瘡性潰瘍
瞳孔不同症
反射亢進
会話障害
反射異常
異常行動

死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡

高血圧
糖尿病

資料2-31

1

4

γ

専門家の意見

除外診断が十分に行えていればADEMと診断できる可能
性はある。しかし、本例はADEMの少ない成人期（高齢者）
発症であり、基礎疾患もあることから、感染性脳炎、血管
障害、ADEM以外の免疫介在性脳炎など他の診断も鑑別
する必要がある。見かけの拡散係数（ADC値）低値の病
変多発はADEMでは一般的ではない。またワクチン接種
からADEM発症まで2か月が経っていることも時間的な関
連性に乏しい。むしろ8日前の感冒症状（先行症状）と関連
しているように見える。ADEMであれば治療にある程度反
応し、単相性の経過を辿る。不幸にして亡くなったため経
過に関する情報にも乏しい。