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がん患者の人生の最終段階の療養生活の実態調査結果 5万人の遺族から見た全体像を公表 (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2022/0325/index.html |
出典情報 | がん患者の人生の最終段階の療養生活の実態調査結果(3/25)《国立がん研究センター》 |
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まとめ
本調査は、2017 年と 2018 年にがんで死亡した者の遺族を対象に行い、54,167 名から回答を
得ました。
本調査によって、がん患者の人生の最終段階の療養生活の状況は、より症状の重い患者・家
族が、がん診療連携拠点病院を含む病院の利用を選択し、症状が比較的穏やかで高齢の患者・
家族が介護施設の利用を選択していたことが明らかになりました。医療・介護施設がそれぞ
れ担う機能に応じて、患者・家族が最期の療養場所を選択していたことが示唆されました。
療養場所によって患者の病状や治療への希望が異なるため、本調査によって、最期の療養場
所として、どちらが良い・悪いと単純に比較・判断することは困難です。
がん患者の遺族全体では、患者の苦痛に対して医療者は良く対応をしていたと回答した割合
は 82.4%でした。一方で、からだの苦痛が少なく過ごせたと回答した割合は 41.5%でした。基
本的な対応では症状を緩和することが難しい場合が一定数存在する可能性があります。痛み
を含む苦痛症状は、がん患者の療養生活の質に影響する重要な要因であるため、改善を図る
必要があります。
がん患者の遺族全体では、患者と医師の間で最期の療養場所の希望や医療に関する話し合い
があったと回答した割合は 35.7%でした。患者の意向・希望に沿った医療の提供を実現するた
めには、主治医等の医療者から提供される情報に基づく患者本人による意思決定が基本とな
るため、改善を図る必要があります。話し合いが十分にできていないことにより生じる影響
を調査したうえで、具体的な対策の検討が必要です。
本調査結果と海外の状況については、似たような調査結果を用いて比較できる可能性はあり
ますが、海外とは文化や医療制度など民族的・文化的・社会的背景が異なるため、直接比較
して解釈できるものではありません。
本調査の報告書には、都道府県別に回答を集計した結果も記載しました。都道府県別の結果
は予備的な解析であり、参考値として示します。今後、より詳細な調査解析が必要です。
今後はさらにこの調査を発展させ、以下のような調査研究を行うことで、わが国の現状をさ
らに精密に把握し、具体的な政策の提言につなげることができると考えます。
•
本調査結果の推移を把握するための定期的な継続調査
•
患者と医療者の間での療養場所や医療に関する情報提供や意思決定支援の把握
•
多死社会を踏まえた、がん以外の疾患も含めた遺族を対象とする調査
•
認知機能低下等の高齢者特有の併存症をもつ高齢・超高齢者への望ましい医療提供体制
の把握
末筆ではございますが、本調査にご協力いただいたご遺族の方々および関係者の皆様に、深く
感謝を申し上げます。
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まとめ
本調査は、2017 年と 2018 年にがんで死亡した者の遺族を対象に行い、54,167 名から回答を
得ました。
本調査によって、がん患者の人生の最終段階の療養生活の状況は、より症状の重い患者・家
族が、がん診療連携拠点病院を含む病院の利用を選択し、症状が比較的穏やかで高齢の患者・
家族が介護施設の利用を選択していたことが明らかになりました。医療・介護施設がそれぞ
れ担う機能に応じて、患者・家族が最期の療養場所を選択していたことが示唆されました。
療養場所によって患者の病状や治療への希望が異なるため、本調査によって、最期の療養場
所として、どちらが良い・悪いと単純に比較・判断することは困難です。
がん患者の遺族全体では、患者の苦痛に対して医療者は良く対応をしていたと回答した割合
は 82.4%でした。一方で、からだの苦痛が少なく過ごせたと回答した割合は 41.5%でした。基
本的な対応では症状を緩和することが難しい場合が一定数存在する可能性があります。痛み
を含む苦痛症状は、がん患者の療養生活の質に影響する重要な要因であるため、改善を図る
必要があります。
がん患者の遺族全体では、患者と医師の間で最期の療養場所の希望や医療に関する話し合い
があったと回答した割合は 35.7%でした。患者の意向・希望に沿った医療の提供を実現するた
めには、主治医等の医療者から提供される情報に基づく患者本人による意思決定が基本とな
るため、改善を図る必要があります。話し合いが十分にできていないことにより生じる影響
を調査したうえで、具体的な対策の検討が必要です。
本調査結果と海外の状況については、似たような調査結果を用いて比較できる可能性はあり
ますが、海外とは文化や医療制度など民族的・文化的・社会的背景が異なるため、直接比較
して解釈できるものではありません。
本調査の報告書には、都道府県別に回答を集計した結果も記載しました。都道府県別の結果
は予備的な解析であり、参考値として示します。今後、より詳細な調査解析が必要です。
今後はさらにこの調査を発展させ、以下のような調査研究を行うことで、わが国の現状をさ
らに精密に把握し、具体的な政策の提言につなげることができると考えます。
•
本調査結果の推移を把握するための定期的な継続調査
•
患者と医療者の間での療養場所や医療に関する情報提供や意思決定支援の把握
•
多死社会を踏まえた、がん以外の疾患も含めた遺族を対象とする調査
•
認知機能低下等の高齢者特有の併存症をもつ高齢・超高齢者への望ましい医療提供体制
の把握
末筆ではございますが、本調査にご協力いただいたご遺族の方々および関係者の皆様に、深く
感謝を申し上げます。
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