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2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解 (1 ページ)
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出典情報 | 2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解(10/21)《日本感染症学会》 |
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2024 年度の新型コロナワクチン定期接種に関する⾒解
2024 年 10 ⽉ 17 ⽇
⼀般社団法⼈⽇本感染症学会
⼀般社団法⼈⽇本呼吸器学会
⽇本ワクチン学会
主旨
COVID-19 の⾼齢者における重症化・死亡リスクはインフルエンザ以上であり、今冬の流⾏に備
えて、10 ⽉から始まった新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨します。
はじめに
新型コロナワクチンは 2024 年 4 ⽉ 1 ⽇から定期接種 B 類疾病に位置付けられ、65 歳以上の者
及び 60〜64 歳で⼼臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、⾝の回りの⽣活が極度に制限さ
れる者等を対象に、2024 年 10 ⽉から定期接種として1回接種することになりました。2024 年
度の定期接種の⾃⼰負担額は標準的には 7,000 円で、市町村等からの助成によって異なります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにおいて新型コロナワクチンは発症・
重症化予防に⾼い効果を⽰し、感染防⽌に⼤きく貢献しました。世界では 2020 年 12 ⽉からの 1
年間に COVID-19 による死亡を 1,440 万⼈防いだと推計されています 1)。わが国でも、新型コロ
ナワクチンが導⼊されていなかったら、2021 年 2 ⽉から 11 ⽉の期間の感染者数は報告数の 13.5
倍、死亡者数は 36.4 倍であったと推定されています 2)。また、オミクロン株流⾏期の 2022 年 1
⽉から 5 ⽉の東京都でも、直接的・間接的に感染者数を 65%減少させたと報告されています 3)。
本⾒解は、皆様に 10 ⽉から始まった新型コロナワクチンの定期接種の重要性について科学的
な情報を提供し、接種の必要性を考える際の参考としていただくためのものです。
COVID-19 の流⾏はこれからも起こります
COVID-19 は5類感染症に移⾏後も流⾏を繰り返しており、2024 年も冬季の第 10 波に引き続
き、7〜8⽉には第 11 波がみられました。その要因の⼀つは、変異株が繰り返し出現している
ことです。オミクロン株は数か⽉ごとに変異を繰り返し、昨年秋の流⾏株であった XBB.1.5 は
2024 年1⽉から JN.1 に置き換わり、さらに8⽉には KP.3 がほとんどを占めています。ヒト細
胞への付着に重要なスパイクタンパク質に変異がみられるため、変異のたびに免疫を回避する⼒
が強まっています。今夏の流⾏は収束しつつありますが、今冬には再び⼤きな流⾏が予想されま
す。
このような状況において、わが国で実施された⾎清疫学調査では 2024 年3⽉時点で、感染既
往を⽰す抗 N(ヌクレオカプシド)抗体の保有率は全年齢で 60.7%でしたが、60 代で 51.9%、
1
2024 年 10 ⽉ 17 ⽇
⼀般社団法⼈⽇本感染症学会
⼀般社団法⼈⽇本呼吸器学会
⽇本ワクチン学会
主旨
COVID-19 の⾼齢者における重症化・死亡リスクはインフルエンザ以上であり、今冬の流⾏に備
えて、10 ⽉から始まった新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨します。
はじめに
新型コロナワクチンは 2024 年 4 ⽉ 1 ⽇から定期接種 B 類疾病に位置付けられ、65 歳以上の者
及び 60〜64 歳で⼼臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、⾝の回りの⽣活が極度に制限さ
れる者等を対象に、2024 年 10 ⽉から定期接種として1回接種することになりました。2024 年
度の定期接種の⾃⼰負担額は標準的には 7,000 円で、市町村等からの助成によって異なります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにおいて新型コロナワクチンは発症・
重症化予防に⾼い効果を⽰し、感染防⽌に⼤きく貢献しました。世界では 2020 年 12 ⽉からの 1
年間に COVID-19 による死亡を 1,440 万⼈防いだと推計されています 1)。わが国でも、新型コロ
ナワクチンが導⼊されていなかったら、2021 年 2 ⽉から 11 ⽉の期間の感染者数は報告数の 13.5
倍、死亡者数は 36.4 倍であったと推定されています 2)。また、オミクロン株流⾏期の 2022 年 1
⽉から 5 ⽉の東京都でも、直接的・間接的に感染者数を 65%減少させたと報告されています 3)。
本⾒解は、皆様に 10 ⽉から始まった新型コロナワクチンの定期接種の重要性について科学的
な情報を提供し、接種の必要性を考える際の参考としていただくためのものです。
COVID-19 の流⾏はこれからも起こります
COVID-19 は5類感染症に移⾏後も流⾏を繰り返しており、2024 年も冬季の第 10 波に引き続
き、7〜8⽉には第 11 波がみられました。その要因の⼀つは、変異株が繰り返し出現している
ことです。オミクロン株は数か⽉ごとに変異を繰り返し、昨年秋の流⾏株であった XBB.1.5 は
2024 年1⽉から JN.1 に置き換わり、さらに8⽉には KP.3 がほとんどを占めています。ヒト細
胞への付着に重要なスパイクタンパク質に変異がみられるため、変異のたびに免疫を回避する⼒
が強まっています。今夏の流⾏は収束しつつありますが、今冬には再び⼤きな流⾏が予想されま
す。
このような状況において、わが国で実施された⾎清疫学調査では 2024 年3⽉時点で、感染既
往を⽰す抗 N(ヌクレオカプシド)抗体の保有率は全年齢で 60.7%でしたが、60 代で 51.9%、
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