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2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解 (3 ページ)

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出典情報 2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解(10/21)《日本感染症学会》
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ただし、JN.1 感染者の回復期⾎清において、KP.3 に対する中和抗体価は JN.1 よりおおよそ半
減していることが報告されており(806 vs. 452, -43.9%)18)、JN.1 対応ワクチンは KP.3 に対して
発症予防効果が低下する可能性が⽰唆されます。定期接種開始後の疫学研究による検証が必要で
す。
定期接種として⽤いられる新型コロナワクチンは 5 種類です
定期接種として⽤いられる新型コロナワクチンを表1に⽰し、以下それぞれのワクチンの有効
性と安全性について記載します。
表 1 わが国で定期接種として⽤いられる COVID-19 ワクチン
製剤名

製薬会社

種類

⽤量

容量

保管・有効期間

創製・製造

初回承認⽇
(JN.1 ワクチン承認⽇)

コミナティ筋注シリン
ファイザー
ジ 12 歳以上⽤

mRNA
(JN.1 SP)

30μg
0.3 mL

0.3 mL(1 ⼈⽤プ
レフィルドシリン 2〜8℃・8か⽉
ジ)

海外・海外

2021 年 2 ⽉ 14 ⽇
(2024 年 8 ⽉ 8 ⽇)

スパイクバックス®筋注 モデルナ

mRNA
(JN.1 SP)

50μg
0.5mL

1 バイアル
2.5 mL
(5 ⼈分)

-20 ± 5℃で凍結
解凍後 2〜8℃で
30 ⽇間

海外・海外

2021 年 5 ⽉ 21 ⽇
(2024 年 8 ⽉ 23 ⽇)

ヌバキソビッド®筋注

武⽥薬品⼯業

組換えタンパク質
(JN.1 SP)

5μga
0.5mL

1 バイアル
1.0 mL
(2 ⼈分)

2〜8℃・9 か⽉

海外・国内

2022 年 4 ⽉ 19 ⽇
(2024 年 9 ⽉ 5 ⽇)

ダイチロナ®筋注

第⼀三共

mRNA
(JN.1 SP RBD)

60μg
0.6mL

1 バイアル
1.5 mL
(2 ⼈分)

2〜8℃・9 か⽉

国内・国内

2023 年 8 ⽉ 2 ⽇
(2024 年 9 ⽉ 2 ⽇)

コスタイベ 筋注⽤

Meiji Seika
ファルマ

mRNA
レプリコンタイプ
(JN.1 SP)

5μg
0.5 mL

1 バイアル
100μg
10 mL で溶解
(16 ⼈分)

-20±5℃・18 か⽉
2023 年 11 ⽉ 28 ⽇
解凍後 2〜8℃で 海外・海外 b
(2024 年9⽉ 13 ⽇)
1か⽉

®

2024 年 9 ⽉ 18 ⽇時点、わが国での初回承認順に記載。

a

アジュバントとして Matrix-M 50μg を添加。b2024 年 12 ⽉から国内製造予定(化学⼯業

⽇報 2024 年9⽉ 26 ⽇)
SP, スパイクタンパク質; RBD, 受容体結合部位

ファイザーのコミナティ®とモデルナのスパイクバックス®
ファイザーのコミナティ®とモデルナのスパイクバックス®は 2021 年からわが国でも広く使⽤
された mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで、発病予防と重症化予防に関してはすでに実
績があります。スパイクタンパク質の mRNA を脂質でできたナノ粒⼦(脂質ナノ粒⼦)で包ん
で筋⾁内注射し、体内で mRNA が翻訳されスパイクタンパク質ができ、それに対する抗体が⽣
成されます。令和 5 年度秋開始接種で使⽤された XBB.1.5 対応ワクチンは、XBB.1.5 対応ワクチ
ンを接種しなかった群と⽐べて、60 歳以上の⼊院予防効果が 70.7%、ICU ⼊室予防効果が
73.3%であったことが欧州から報告されています 19)。また、XBB.1.5 だけでなく JN.1 の流⾏期を
含んだ⽶国の研究でも、XBB.1.5 対応ワクチンを接種しなかった群と⽐べた 65 歳以上の⼊院予
防効果が接種後 2 か⽉以内で 54%、接種後 3〜4 か⽉でも 50%でした 20)。わが国でも、JN.1 の
流⾏がみられた 2024 年 3 ⽉までに⾏われた⻑崎⼤学の VERSUS Study では、60 歳以上の⼊院予
防効果が 44.7%であったことが報告されています 21)。
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