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2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解 (6 ページ)

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出典情報 2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解(10/21)《日本感染症学会》
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れており、発熱(37.5℃以上)は 13.2%でコミナティ 2 価ワクチンの 12.5%と変わらず、その他
の有害事象の頻度も同程度でした 35)。国内コホート調査での接種後 8 ⽇間の XBB.1.5 対応ワクチ
ンの有害事象の頻度も XBB.1.5 対応のコミナティとほぼ同等で、発熱(37.5℃以上)が 15.1%に
みられています 24)。
Meiji Seika ファルマのコスタイベ®
コスタイベは⽶国のアークトゥルス・セラピューティクスが創製し、Meiji Seika ファルマが⽇
本国内で開発したレプリコンタイプ(⾃⼰増幅型)の次世代 mRNA ワクチンです。ベネズエラ
ウマ脳炎ウイルス(VEEV)由来の RNA レプリカーゼ(RNA の増幅に関わる酵素である RNA
依存性 RNA ポリメラーゼ)の mRNA をスパイクタンパク質の全⻑ mRNA に結合し、脂質ナノ
粒⼦に封⼊しています 36)。細胞に取り込まれると細胞質内でワクチンの mRNA が⾃⼰のレプリ
カ―ゼで⼀時的に増幅されるため、少ない投与量でスパイクタンパク質が発現されます。他の
mRNA ワクチンの mRNA 量が 30〜60 µg であるのに対して、コスタイベは 5 µℊと少ないですが
⼗分な免疫応答がみられています。なお、⾃⼰増幅されるのはスパイクタンパク質の mRNA だ
けであり、感染⼒のあるウイルスや複製可能なベクターはコスタイベに含まれていません。また、
被接種者が周囲の⼈に感染させるリスク(シェディング)はありません。
主にデルタ株流⾏中のベトナムで⾏われた起源株ワクチンの初回免疫の臨床試験では、発症予
防効果が 56.6%、重症化予防効果が 95.3%と良好な結果がみられています 37)。Meiji Seika ファル
マがわが国で実施した起源株ワクチンの追加接種の臨床試験では、コミナティに⽐べて中和抗体
価が 1.43 倍⾼く、中和抗体応答率も 13.6%上昇していました 38)。また、コスタイベでは追加接
種での中和抗体価の持続がより⻑いことが報告されており、接種前と⽐べた1か⽉、3か⽉、6
か⽉、12 か⽉後の起源株に対する中和抗体価上昇率は、コミナティがそれぞれ 4.4 倍、3.4 倍、
2.1 倍、2.0 倍であったのに対して、コスタイベではそれぞれ 6.8 倍、7.4 倍、5.1 倍、4.2 倍と⾼
い抗体価が 12 か⽉後まで維持されていました 39, 40)。また、2価(起源株/BA.4-5)ワクチン追加
接種の国内臨床試験も実施され、コミナティに⽐べて⾼い中和抗体価が持続することが報告され
ています 17)。
JN.1 対応ワクチンのマウスにおける免疫原性試験が⾏われており、追加接種後の JN.1 株に対
する中和抗体価は、接種前後で 53 倍上昇しており、XBB.1.5 対応ワクチンよりも 1.9 倍⾼い抗体
価がみられました 17)。
起源株ワクチンの国内臨床試験における接種後 7 ⽇間の有害事象は、接種部位の疼痛 83.8%、
圧痛 92.3%、発熱(37.5℃以上)20.0%、倦怠感 44.8%であり、対照群のコミナティと⼤きな差
はみられません。また因果関係のある重篤な有害事象は認められていません 38)。2価ワクチンの
国内臨床試験における有害事象は、接種部位の疼痛 81.9%、圧痛 92.9%、発熱(37.5℃以上)
20.1%、倦怠感 38.2%であり、起源株ワクチンとほぼ同等の結果でした。臨床試験ではワクチン
が原因と考えられる重篤な健康被害はみられていません。

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