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2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解 (7 ページ)
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出典情報 | 2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解(10/21)《日本感染症学会》 |
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以上、今秋に定期接種のワクチンとして使⽤される5つのワクチンについて記載しましたが、
いずれも起源株ワクチンがわが国で過去に承認され、コスタイベ以外は令和5年度までの特例臨
時接種で使⽤されてきました。新たな JN.1 対応ワクチンも本年 8 ⽉から 9 ⽉にかけてすべて承
認されています。それぞれのワクチンの特徴をふまえて、医療従事者と相談して選択することが
望まれます。
⾼齢者には新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨します
新型コロナウイルスの変異のスピードは速く免疫回避⼒を⾼めた株が繰り返し出現しています
が、今のところオミクロン株の派⽣株にとどまっており、病原性を⾼めた株や全く新しい系統の
変異株が出現する徴候はみられていません。毎シーズン変異を繰り返すインフルエンザウイルス
に対して、毎年新しいインフルエンザワクチンが⾼齢者に定期接種として使⽤されているように、
新型コロナウイルスに対しても新たな流⾏株に対応した新型コロナワクチンを少なくとも年に 1
回は接種することが必要です。
インフルエンザワクチンは流⾏時期から考えて 10 ⽉末までの接種が推奨されており 41, 42)、新
型コロナワクチンもインフルエンザワクチンとの同時接種を利⽤した早いタイミングでの接種が
望まれます。65 歳に定期接種になっている肺炎球菌ワクチンと新型コロナワクチンの同時接種
も、今年度から可能となっています 43)。
COVID-19 の⾼齢者における重症化・死亡リスクはインフルエンザ以上であり、⼼⾎管障害な
どの合併症もみられるため、ワクチンによる予防が重要です。新型コロナワクチンには、発症予
防効果や重症化予防効果だけでなく、COVID-19 の罹患後症状を予防する効果もあります。
2021〜2022 年の新型コロナワクチンと罹患後症状の関連に関する世界の 5 つの研究をまとめた
分析では、新型コロナワクチンを2回以上接種した⼈では罹患後症状の頻度が 43%減少してい
たことが報告されています 44)。
これらのことから、今冬の流⾏に備えて、10 ⽉から始まった新型コロナワクチンの定期接種
を強く推奨します。
おわりに
わが国の予防接種に関する基本的な計画 45)では、①ワクチンで予防できる疾患はワクチンで予
防すること、②施策の推進にあたって科学的根拠にもとづき評価することが定められています。
しかし、ワクチンのリスクはゼロではありません。⼀過性の副反応に加えて、ごくまれに重篤な
健康被害がみられます。ワクチンの利益とリスクの⼤きさを科学に基づいて正しく⽐較し、ご⾃
⾝が信頼できる医療従事者とよく相談して接種するかどうかを判断することが望まれます。
なお、ワクチン接種を受けることで感染からの回避が保証されるわけではありません。ワクチ
ン接種に加えて、適切なマスクの着⽤、換気、⼿洗いなどの基本的な感染予防策を⾏うことも⼤
切です。今後も流⾏が続くと予想される COVID-19 の予防のために、新しい新型コロナワクチ
ンが正しく理解され、今年度の定期接種が適切に⾏われることを願っています。
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いずれも起源株ワクチンがわが国で過去に承認され、コスタイベ以外は令和5年度までの特例臨
時接種で使⽤されてきました。新たな JN.1 対応ワクチンも本年 8 ⽉から 9 ⽉にかけてすべて承
認されています。それぞれのワクチンの特徴をふまえて、医療従事者と相談して選択することが
望まれます。
⾼齢者には新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨します
新型コロナウイルスの変異のスピードは速く免疫回避⼒を⾼めた株が繰り返し出現しています
が、今のところオミクロン株の派⽣株にとどまっており、病原性を⾼めた株や全く新しい系統の
変異株が出現する徴候はみられていません。毎シーズン変異を繰り返すインフルエンザウイルス
に対して、毎年新しいインフルエンザワクチンが⾼齢者に定期接種として使⽤されているように、
新型コロナウイルスに対しても新たな流⾏株に対応した新型コロナワクチンを少なくとも年に 1
回は接種することが必要です。
インフルエンザワクチンは流⾏時期から考えて 10 ⽉末までの接種が推奨されており 41, 42)、新
型コロナワクチンもインフルエンザワクチンとの同時接種を利⽤した早いタイミングでの接種が
望まれます。65 歳に定期接種になっている肺炎球菌ワクチンと新型コロナワクチンの同時接種
も、今年度から可能となっています 43)。
COVID-19 の⾼齢者における重症化・死亡リスクはインフルエンザ以上であり、⼼⾎管障害な
どの合併症もみられるため、ワクチンによる予防が重要です。新型コロナワクチンには、発症予
防効果や重症化予防効果だけでなく、COVID-19 の罹患後症状を予防する効果もあります。
2021〜2022 年の新型コロナワクチンと罹患後症状の関連に関する世界の 5 つの研究をまとめた
分析では、新型コロナワクチンを2回以上接種した⼈では罹患後症状の頻度が 43%減少してい
たことが報告されています 44)。
これらのことから、今冬の流⾏に備えて、10 ⽉から始まった新型コロナワクチンの定期接種
を強く推奨します。
おわりに
わが国の予防接種に関する基本的な計画 45)では、①ワクチンで予防できる疾患はワクチンで予
防すること、②施策の推進にあたって科学的根拠にもとづき評価することが定められています。
しかし、ワクチンのリスクはゼロではありません。⼀過性の副反応に加えて、ごくまれに重篤な
健康被害がみられます。ワクチンの利益とリスクの⼤きさを科学に基づいて正しく⽐較し、ご⾃
⾝が信頼できる医療従事者とよく相談して接種するかどうかを判断することが望まれます。
なお、ワクチン接種を受けることで感染からの回避が保証されるわけではありません。ワクチ
ン接種に加えて、適切なマスクの着⽤、換気、⼿洗いなどの基本的な感染予防策を⾏うことも⼤
切です。今後も流⾏が続くと予想される COVID-19 の予防のために、新しい新型コロナワクチ
ンが正しく理解され、今年度の定期接種が適切に⾏われることを願っています。
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