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参考資料2 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46575.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第19回 12/11)《厚生労働省》
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消化性潰瘍治療薬は特に逆流性食道炎(GERD)において長期使用される傾向にあ
るが、薬物有害事象も知られており、長期使用は避けたい薬剤である。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)(エソメプラゾール[ネキシウム]

ランソプラゾール[タケプロン]
、ラベプラゾール[パリエット]、
オメプラゾール[オメプラール]
)は、その有効性に関する報告が多く、
高齢者の特性
を考慮した薬
剤選択

第一選択として使用される。
H2受容体拮抗薬も有効な治療薬であるが、腎排泄型薬剤であるこ
とから腎機能低下により血中濃度が上昇し有害事象の生じる可能性
が高くなる。また、高齢者ではせん妄や認知機能低下のリスクの上昇
があり、可能な限り使用を控える。
ボノプラザン[タケキャブ]はPPI同様に強力な胃酸分泌抑制作用
があり、PPI使用時の注意に準じた経過観察を考慮する。

H.
消化性潰瘍
治療薬

PPIは安全性が高い薬剤であるが、長期投与により大腿骨頚部骨折
などの骨折リスクの上昇やクロストリジウム・ディフィシル感染症
投与量、使用
方法に関する
注意

のリスクが高まることが報告されている。さらに長期使用による
アルツハイマー型認知症のリスクの上昇についても報告がある。
H2受容体拮抗薬(ファモチジン[ガスター]、ニザチジン[アシノン]、
ラニチジン[ザンタック]
)は、腎排泄型であり、腎機能が低下している
患者の使用の際に注意する(代表的腎排泄型薬剤は別表3:p.33を
参照)

PPIはCYP2C19で代謝されるが、代謝における同酵素の寄与率は

他の薬効群の
薬剤との相互
作用に関する
注意

薬剤により異なる。難治性GERDや重症の食道炎、NSAIDs内服によ
る消化管出血リスクの高い症例を除いては、8週間を超える投与は
控え、継続する場合にも常にリスクを考慮する。CYPの関与する主
な相互作用は、別表4(p.34)を参照。
H2受容体拮抗薬のうち、シメチジン[タガメット]は複数のCYP分
子種を阻害することから、薬物相互作用に注意を要する。

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