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【資料5】赤池参考人提出資料 (5 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html |
出典情報 | 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》 |
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公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ヒヤリング補足資料 2025/1/15
第4回精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会ヒアリング意見補足資料
資料1
当会が平成 29 年に実施した「精神障がい者の自立した地域生活の推進と家族が安心して生
活できるための効果的な家族支援等のあり方に関する全国調査」を更に平成 30 年に「自由
記述・分析」報告として発表しています。
その調査の回答分析から読みとれることを記します。
身体拘束の経験がある人の状況
昨年の調査結果では、
「わからない」を除くと、34.1%が身体拘束を経験し、その内
29.9%の家族に対しては医師からの説明はなかったという結果でした。今回はこれら身
体拘束を経験した本人の状況についてみていきます。
まず、身体拘束があった人となかった人で統計的に有意な差があったものとしては、
「主
な病名」の「うつ病」でした。この設問に回答した 99.4%のうつ病の人(613 人)が「身
体拘束があった」としました。自殺企図と関連があるかも知れませんが明確な要因は不明
とはいえ、回答したうつ病のほとんどの人が身体拘束を経験しているという驚くべき結果
でした。その他の病名とは有意差は認められませんでした。その他の項目では、「日常生活
及び社会生活」の重度に強い有意差がありました。また「病状が悪化したときの状況」で
は「部屋に閉じこもるようになった」以外は強い有意差がありました。「これらのような状
況になったことはない」は身体拘束がなかった群との強い有意差がありました。「日中活動
の状況」では、目立った有意差はありませんでした。これらについては、過去を振り返っ
ての調査でもありますので、どちらが原因でどちらが結果かは不明ですが、おおむね障害
が重かったり、症状が悪化して様々な言動があった人は身体拘束の経験をしている人が有
意に多いということになります。
さらに詳細に身体拘束があった時間毎に有意差を見てみました。
「24 時間以内」では、
「主な病名」の「統合失調症」、「日中活動の状況」では「就業・生活支援センター」に有
意差がありました。「24 時間以上 48 時間以内」では、「主な障害」の「双極性障害」に弱
い有意差があった以外は有意差がありませんでした。「48 時間以上」では、「病状が悪化し
たときの状況」の、「性的な逸脱行動があった」
「その他」に有意差があり、「他人に暴言を
言ったり、暴力がみられるようになった」に弱い有意差がありました。
次に身体拘束時間の経過との関係をみてみます(次頁グラフ)。
「うつ病」は期間が延びるに従って身体拘束の経験者が減っています。逆に「日常・社
会生活の状況」では、重度になる程身体拘束の期間が延びています。また、「日常生活の
状況」では、「通所施設」
、「悪化したときの状態」では、「意思疎通がうまくいかなくなっ
た」
「飲食を摂らない、眠らないといったことが見られた」「普段はしないような恥ずかしい言
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第4回精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会ヒアリング意見補足資料
資料1
当会が平成 29 年に実施した「精神障がい者の自立した地域生活の推進と家族が安心して生
活できるための効果的な家族支援等のあり方に関する全国調査」を更に平成 30 年に「自由
記述・分析」報告として発表しています。
その調査の回答分析から読みとれることを記します。
身体拘束の経験がある人の状況
昨年の調査結果では、
「わからない」を除くと、34.1%が身体拘束を経験し、その内
29.9%の家族に対しては医師からの説明はなかったという結果でした。今回はこれら身
体拘束を経験した本人の状況についてみていきます。
まず、身体拘束があった人となかった人で統計的に有意な差があったものとしては、
「主
な病名」の「うつ病」でした。この設問に回答した 99.4%のうつ病の人(613 人)が「身
体拘束があった」としました。自殺企図と関連があるかも知れませんが明確な要因は不明
とはいえ、回答したうつ病のほとんどの人が身体拘束を経験しているという驚くべき結果
でした。その他の病名とは有意差は認められませんでした。その他の項目では、「日常生活
及び社会生活」の重度に強い有意差がありました。また「病状が悪化したときの状況」で
は「部屋に閉じこもるようになった」以外は強い有意差がありました。「これらのような状
況になったことはない」は身体拘束がなかった群との強い有意差がありました。「日中活動
の状況」では、目立った有意差はありませんでした。これらについては、過去を振り返っ
ての調査でもありますので、どちらが原因でどちらが結果かは不明ですが、おおむね障害
が重かったり、症状が悪化して様々な言動があった人は身体拘束の経験をしている人が有
意に多いということになります。
さらに詳細に身体拘束があった時間毎に有意差を見てみました。
「24 時間以内」では、
「主な病名」の「統合失調症」、「日中活動の状況」では「就業・生活支援センター」に有
意差がありました。「24 時間以上 48 時間以内」では、「主な障害」の「双極性障害」に弱
い有意差があった以外は有意差がありませんでした。「48 時間以上」では、「病状が悪化し
たときの状況」の、「性的な逸脱行動があった」
「その他」に有意差があり、「他人に暴言を
言ったり、暴力がみられるようになった」に弱い有意差がありました。
次に身体拘束時間の経過との関係をみてみます(次頁グラフ)。
「うつ病」は期間が延びるに従って身体拘束の経験者が減っています。逆に「日常・社
会生活の状況」では、重度になる程身体拘束の期間が延びています。また、「日常生活の
状況」では、「通所施設」
、「悪化したときの状態」では、「意思疎通がうまくいかなくなっ
た」
「飲食を摂らない、眠らないといったことが見られた」「普段はしないような恥ずかしい言
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