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【資料5】赤池参考人提出資料 (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html |
出典情報 | 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》 |
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公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ヒヤリング補足資料 2025/1/15
隔離室の利用経験がある人の状況
前項では、身体拘束の経験がある人の状況をみてきましたが、ここでは隔離室の利用の
経験のある人の状況について詳しくみていきたいと思います。
まず、昨年の調査結果から、入院した際の隔離室の利用については、66.7%が「ある」、
28.6%が「ない」と回答しました。
「わからない」と回答した家族は 4.7%しかなく、身体
拘束の経験を聞いた質問の回答の「わからない」28.7%と比較すると回答が明確であるこ
とが特徴です。隔離室を利用する際の医師からの説明については、
「なかった」が 21.1%、
「あった」が 69.3%でした。身体拘束の際の医師からの説明は「なかった」が 27%、「あ
った」が 63.5%であり、隔離室の利用の方が医師からの説明がなされており、このような
点も影響しているのかも知れません。
隔離室の利用と「主な病名」との関係で統計的に有意な差があったものは、「統合失調
症」のみで強い有意差がありました。逆に「うつ病」は、隔離室を利用していない群との
強い有意差があり、「神経症」「発達障害」「その他」にも逆の有意差がありました。つま
りこれらの疾病を持つ人は隔離室を利用することが少なく、統合失調症以外の疾病につい
ては診断によって隔離室の利用がなされていないことがわかります(「主なもの以外の病
名」では「発達障害」に弱い有意差がありました)。
それではどのような場合に隔離室の利用がなされているのでしょうか。
「病状が悪化し
たときの状況」でその有意差をみてみると、「意思疎通がうまくできなくなった」以外の
項目のすべてで強い有意差がありました。
、ちなみに「これらのような状態になったこと
はない」は当然ですが、隔離室の利用経験がない群と強い有意差がありました。
「日常生活・社会生活の状況」では「重度」と強い有意差ありました。具体的な生活状
況では、「保清」
「金銭管理」「服薬管理」の重度に有意差があり、
「食事」
「生活リズム」
「対人関係」「社会適応を妨げる行動」とは有意差はありませんでした。
「日中の活動状
況」では「医療機関のデイケア・ナイトケア」に有意差があ
り、「訪問看護」
「その他」に強い有意差がありました。
逆に「就業・生活支援センター」「一般就労」は隔離室の利用経験がない群との有意差があ
りました。これらの状況は現在の状況であり、隔離室の利用は過去の状況であるため因果
関係は明確ではありません。
隔離室を利用したことによる影響についての自由記述では「わからない」「落ち着いた」
という回答が多く、「他害の心配がなくなった」という記述もありましたが、衛生環境や
看護やケアの状況が劣悪であったという意見や面会や連絡ができなくなったという記述も
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隔離室の利用経験がある人の状況
前項では、身体拘束の経験がある人の状況をみてきましたが、ここでは隔離室の利用の
経験のある人の状況について詳しくみていきたいと思います。
まず、昨年の調査結果から、入院した際の隔離室の利用については、66.7%が「ある」、
28.6%が「ない」と回答しました。
「わからない」と回答した家族は 4.7%しかなく、身体
拘束の経験を聞いた質問の回答の「わからない」28.7%と比較すると回答が明確であるこ
とが特徴です。隔離室を利用する際の医師からの説明については、
「なかった」が 21.1%、
「あった」が 69.3%でした。身体拘束の際の医師からの説明は「なかった」が 27%、「あ
った」が 63.5%であり、隔離室の利用の方が医師からの説明がなされており、このような
点も影響しているのかも知れません。
隔離室の利用と「主な病名」との関係で統計的に有意な差があったものは、「統合失調
症」のみで強い有意差がありました。逆に「うつ病」は、隔離室を利用していない群との
強い有意差があり、「神経症」「発達障害」「その他」にも逆の有意差がありました。つま
りこれらの疾病を持つ人は隔離室を利用することが少なく、統合失調症以外の疾病につい
ては診断によって隔離室の利用がなされていないことがわかります(「主なもの以外の病
名」では「発達障害」に弱い有意差がありました)。
それではどのような場合に隔離室の利用がなされているのでしょうか。
「病状が悪化し
たときの状況」でその有意差をみてみると、「意思疎通がうまくできなくなった」以外の
項目のすべてで強い有意差がありました。
、ちなみに「これらのような状態になったこと
はない」は当然ですが、隔離室の利用経験がない群と強い有意差がありました。
「日常生活・社会生活の状況」では「重度」と強い有意差ありました。具体的な生活状
況では、「保清」
「金銭管理」「服薬管理」の重度に有意差があり、
「食事」
「生活リズム」
「対人関係」「社会適応を妨げる行動」とは有意差はありませんでした。
「日中の活動状
況」では「医療機関のデイケア・ナイトケア」に有意差があ
り、「訪問看護」
「その他」に強い有意差がありました。
逆に「就業・生活支援センター」「一般就労」は隔離室の利用経験がない群との有意差があ
りました。これらの状況は現在の状況であり、隔離室の利用は過去の状況であるため因果
関係は明確ではありません。
隔離室を利用したことによる影響についての自由記述では「わからない」「落ち着いた」
という回答が多く、「他害の心配がなくなった」という記述もありましたが、衛生環境や
看護やケアの状況が劣悪であったという意見や面会や連絡ができなくなったという記述も
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