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資料3 令和5年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況調査等に関する調査結果について(報告) (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50085.html
出典情報 社会保障審議会 介護保険部会(第117回 2/20)《厚生労働省》
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今年度の調査結果の傾向分析



今年度の調査結果では、養介護施設従事者等による虐待の相談・通報件数に占める虐待判断件数の割合や再発事案の増加が確認された。
養介護施設従事者等による虐待判断件数が増加した要因は、適正な手続きを経ていない身体的拘束等を含む身体的虐待、心理的虐待、介護
等放棄が増加したことや、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、認知症対応型共同生活介護で件数が増加したこと等が考えられる。
○ また、被虐待者数でみると、入所者・入居者に対する金銭の寄付・贈与の強要等の経済的虐待の増加が確認されたが、前年度と比べ1件当
たりの被虐待者が多い事案が多くあったためと考えられる。
○ 施設種別ごとの虐待種別をみると、特別養護老人ホームでは経済的虐待と心理的虐待が、有料老人ホームでは適正な手続きを経ていない身
体的拘束等や経済的虐待が増加していることが確認された。
○ 養介護施設従事者等による虐待の「発生要因」としては、例年と同様に、「職員の虐待や権利擁護、身体拘束に関する知識・意識の不足」
「職員のストレス・感情コントロール」「職員の倫理観・理念の欠如」の順に多かった。

調査結果を受けた対応と今後の対応
(1)高齢者施設等の関係団体との連携強化
○ 施設・事業所における虐待防止及び身体的拘束等の適正化の取組の徹底を図るため、高齢者施設等の関係団体に対し、「高齢者施設等にお
ける高齢者虐待防止措置及び身体的拘束等の適正化のための措置の徹底及び周知に関する取組の実施について(要請)」(令和6年12月27日
老高発1227第1号)を発出し、以下の事項について改めて会員施設・事業所への周知を図るとともに、分析結果を踏まえた虐待防止措置等の
実施の徹底に向けた団体としての啓発活動の実施について協力を要請した。
①令和6年度介護報酬改定における高齢者虐待防止に関する措置等について
- 今年度から虐待の発生又はその再発を防止するための措置が講じられていない場合に、基本報酬を減算していること
(研修等の未実施は来年度から適用)
- 今年度から訪問・通所系サービス等に対し、身体的拘束等の原則禁止と身体的拘束等を行う場合の記録について義務付けていること
- 今年度から短期入所・多機能系サービスに対し、身体的拘束等の適正化のための措置を義務付け、これらの措置が講じられていない
場合は、基本報酬を減算すること(1年間の経過措置期間あり) 等
②施設・事業所における適切な金銭管理等について、過去の通知を参考に取組を徹底すること
(2)調査研究の結果の公表等及び「高齢者虐待対応マニュアル」*の改訂
○ 今年度の「高齢者虐待の実態把握のための調査研究事業」において、虐待の詳細な要因分析や、虐待が再発した施設・事業所の改善計画
書・改善報告書の分析を行っており、その結果を報告書としてとりまとめ、年度末に厚生労働省のホームページにて公表予定。あわせて、報
告書の内容を踏まえ、自治体向けに取組の強化を求める通知を発出予定。
○ さらに、年度内に自治体向けの「高齢者虐待対応マニュアル」*を改訂し、虐待対応におけるQ&Aの充実、研修等に活用できる資料を作成す
るとともに、昨年度の老健事業で作成した「介護施設・事業所等で働く方々の身体拘束廃止・防止の手引き」を「高齢者虐待対応マニュア
ル」 *別冊とするなど再構築を行い、年度末に厚生労働省のホームページにて公表予定。
*「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」(令和5年3月改訂)

(厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/boushi/index.html)

これらの取組を通じて、自治体・関係団体と連携し、自治体による早期発見や適切な指導を促進するとともに、施設・事業所における高齢
者虐待の未然防止・再発防止の取組の実効性を高めてまいりたい。
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