よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2 アロチノロール塩酸塩製剤におけるN-ニトロソアロチノロールの検出及び発がんリスクに関する評価報告書[434KB] (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_55113.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第11回 3/25)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

1

表1 本剤と試験対象参考品数、及び定量試験結果
製品名
試験対象
定量結果
参考品
(ppm)
(ロット)
8
アロチノロール塩酸塩錠5mg「DSP」
62~210

2

アロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」

8

44~81

58.0



5mg、10mg製剤を通じた結果

16

44~210

83.8

No.

定量結果平均
(ppm)
109.6

3-2.ニトロソアミン類(N-ニトロソアロチノロール)の発生原因(推定)
アロチノロールは第二級アミンであるため、亜硝酸ナトリウム等のニトロソ化剤が混入した場合には、
アロチノロール自身が反応し、N-ニトロソアロチノロールが発生する可能性があります。
アロチノロール塩酸塩(Arotinolol hydrochloride)

N-ニトロソアロチノロール(N-Nitroso Arotinolol)

IUPAC名:(RS)-5-[2-({3-[tert-butyl(nitroso)amino]-2-hydroxypropyl}thio)thiazol-4-yl]thiophene-2-carboxamide
N-ニトロソアロチノロールは、原薬中からもわずかに検出されておりますが、製剤からより高い値で
検出されることから、製剤化各工程あるいは製剤化後の保管中において原薬と何らかのニトロソ化剤の
反応により生成したと考えられます。
原薬製造工程(溶媒回収工程を含む)、製剤製造工程において、ニトロソ化剤の意図的な添加は実施
されていませんでした。
原材料についても、製造時に亜硝酸又は亜硝酸塩類(以下、亜硝酸等)が使用されている原料は10mg
錠にのみ使用される法定色素別表1(黄色5号アルミニウムレーキ)のみでした。自社で測定した黄色5
号アルミニウムレーキ中の亜硝酸イオンの残留量は約75 ppmであり、分量(0.033 mg/10mg錠)から計算
されるN-ニトロソアロチノロールの生成量は約2.25 ppmであることから、この添加剤は主原因ではないと
考えられました。
75ppm×(0.033/10(原薬に対する添加剤混合比))×(400.53(N-ニトロソアロチノロール分子量)
/43.99(亜硝酸イオン式量))= 2.25 ppm
その他のニトロソ化剤の混入源としては原薬原料、製剤中の添加剤、及び製造用水中にごく微量に含
まれている亜硝酸等、空気中の窒素酸化物等の可能性が考えられました。このうち、原薬原料及び原薬
用の製造用水については、原薬中からの検出量がわずかであったことから、可能性は低いと考えられま
した。また、製剤用の製造用水については精製水を用いており、使用量も少ないことから可能性は低い
と考えられました。製剤中の添加剤については、上記の通り黄色5号を除き製造工程における亜硝酸等
の意図的な添加はないものの、非意図的な混入、残留の可能性があることから、複数の原料について亜
硝酸イオンの残留量を測定しました。その結果、コーティング剤 として使用しているベントナイトが、
他の賦形剤と比較して明らかに高濃度(約480ppm)の亜硝酸イオンを含有していることが判明しました。
分量(0.6 mg/5mg錠・10mg錠いずれも)から計算されるN-ニトロソアロチノロールの生成量は約524
ppm(5mg錠)、262ppm(10mg錠)であり、この添加剤が主原因の可能性が考えられました。

2