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資料1-2 アロチノロール塩酸塩製剤におけるN-ニトロソアロチノロールの検出及び発がんリスクに関する評価報告書[434KB] (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_55113.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第11回 3/25)《厚生労働省》
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本剤の本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈における用法及び用量は「通常、成
人にはアロチノロール塩酸塩として、1日20mgを2回に分けて経口投与する。なお、年齢・症状等により
適宜増減することとするが、効果不十分な場合は、1日30mgまで増量することができる。」です。また、
本態性振戦における用法及び用量は「通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日量10mgから開始
し、効果不十分な場合は、1日20mgを維持量として2回に分けて経口投与する。なお、年齢・症状等によ
り適宜増減するが1日30mgを超えないこととする。」です。1日使用量については、通常、30mgよりも低
い場合も多いと想定されていますが、より高い値を採用し30mgを服用し続けた場合を想定しました。
4-1項に記載の通り、CPCA法で算出したN-ニトロソアロチノロールのAIを1500ng/day、上記より1日最
大投与量を30mgとして、製剤中のN-ニトロソアロチノロール許容濃度(原薬重量当たり)を以下の通り
50ppmと算出しました。
・ N-ニトロソアロチノロールの許容摂取量:1500 ng/day (CPCA法により算出)
・ アロチノロール塩酸塩の1日最大投与量:30 mg/day
・ 算出式:1500 ng/day×1/30 mg/day=50 ppm
一方、EMAが提示するガイドラインでは、医薬品中から許容濃度を超過するニトロソアミン類が検出
された場合に是正措置期間中に暫定的に許容しうる管理値が記載されています。これに基づき算出した
許容濃度は以下の通り335ppmとなり、この値を暫定管理値として提案します。
・製剤中のN-ニトロソアロチノロール許容濃度:50 ppm(原薬重量当たり)
・ 算出式:50 ppm×6.7=335 ppm
そして、国内のレセプトデータベース*1を用いた本剤投与患者の処方継続状況を追跡調査した結果を
表2に示します。追跡調査の結果、本剤の平均処方日数はいずれの疾患区分においても10年を下回って
いることが分かりました。
*1:株式会社JDMCより提供されている保険者のレセプトデータベース。
表2 本剤の平均処方日数の推測値

本剤の処方開始
からの観察期間
15年間

10年間

疾患区分

患者数

平均処方日数

本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈、本態性振戦
本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈
本態性振戦
本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈、本態性振戦
本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈
本態性振戦

21人
28人
17人
113人
195人
139人

903.8日(2.47年)
206.8日
67.8日
535.9日(1.46年)
423.3日(1.15年)
299.1日

10年以上服薬されている患者様がいらっしゃる可能性を否定することはできませんが、上記追跡調査
結果より、多くの患者様において投与期間は10年を超えないと仮定し、本剤の使用期間について10年間
と仮定します。ICH M7 7.22及び7.3に記載のLTLの考え方に基づけば、許容濃度は上記で算出した値の約
6.7倍(生涯暴露の化合物特異的な許容摂取量が1.5µg/dayである場合、投与期間が1年超~10年の投与で
は10µg/dayまで増量できることから)となります。これに基づき算出した許容濃度は、以下の通り
333.3ppmとなり、これは前述の暫定管理値とも一致します。
・製剤中のN-ニトロソアロチノロール許容濃度:50 ppm(原薬重量当たり)
・ 算出式:50 ppm×10/1.5=333.3 ppm
今回の測定結果から理論上の発がんリスクの上昇程度を以下の4つの場合に分けて推定した結果を表3
に示しました。
ケース1)製剤中のN-ニトロソアロチノロールの含量について、本剤は長期間の服用が想定され、単
一の製剤ロットの使用は想定されないことから、製剤ロット間の含量のばらつきはあるものの、表1に
基づく平均値である83.8 ppmを製剤中の濃度として設定しました。N-ニトロソアロチノロール83.8 ppm

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