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参考資料3 新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第88回 6/23)《厚生労働省》
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観察・医療など危機時に弱いところに負荷がかかったことも事実である。
また、通常医療に用いている病床を新型コロナ病床として確保するには、
医師・看護師の派遣や入院患者の転院など、多くの調整が必要になり、平
時から、そのための仕組みやルールなどを定めておかなければならない。
しかし、実際には、医療機関などの現場は、感染症危機発生後に行政から
の要請や協定に基づいて対応せざるを得なかった。
加えて、かかりつけ医等の地域で身近な医療機関等に相談・受診できる
体制の確保にも時間を要した。さらに、今回、パンデミックの初期段階に
おいて、感染状況等の情報の収集が不十分であり、また、医療用物資の不
足や検査・病床確保などの保健・医療提供体制の立ち上げ等に相当の困難
があった。
こうしたことに鑑みれば、
「新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会
議 報告書」
(2010 年)等の提言があるにもかかわらず、新型インフルエ
ンザの流行後にとられた対応が、平時に危機意識が薄れたことや初動から
の保健・医療提供体制の構築について現場レベルのオペレーションに落と
し込まれていなかったことなどから、不十分だったと言わざるを得ない。
3.政府の取組から見える課題
人獣共通感染症が脅威となる中、新型コロナウイルス感染症を含め、
様々なウイルス感染症がこれからもパンデミックを繰り返し、国家的危機
に直面する可能性がある。次の感染症危機に備え、今回の教訓を踏まえ、
危機時にオールジャパンで取り組めるよう、有事における法規制整備、
様々な立場から情報を収集・分析できるような体制づくり、地方公共団体
が安心して情報提供できるような環境整備、基礎研究も含めた研究環境の
向上などを推進することは急務であり、それが、感染拡大防止の実効性を
高めるとともに、感染症対策の社会的負荷をできるだけ軽減することにつ
ながる。
今度こそ、次の危機までに行うべき取組の実施を確実なものにするため、
様々な課題について、優先順位、時間軸を含めて整理し、中長期的対応の
具体策を策定する必要がある。PDCA サイクルを回し工程管理を行いなが
ら事前の準備を十分行い、感染症危機発生時には、感染症の特性も踏まえ
た必要な対策が、より迅速かつ効果的に行われる必要がある。

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