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資料2-5 重篤副作用疾患別対応マニュアル 進行性多巣性白質脳症(PML)(案) (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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3.早期発見と早期対応のポイント
近年では、症状に先行して脳 MRI 病変が指摘される無症候の症例もあり、
MS 患者の場合は定期的 MRI 検査にて PML が疑われる病変が発見される場合が
ある。このような場合は MRI 上の病変拡大や新規病巣の出現は数週間の単位
で増悪する場合が多い 5)。一方、4. 副作用概要の(1)早期に認められる症状
が出現している場合は原則として週の単位で増悪することがポイントであ
る。無症候性で発見された PML の機能予後は症候性よりも優れており 6)、い
ずれの場合も PML が疑われた場合は、他疾患の鑑別とともに、髄液 JCV ポリ
メラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction: PCR)検査や、場合によっ
ては脳生検による診断を急ぎ、早期に関連薬剤の中止ないし減量について判
断することが重要である。

4.副作用の概要
(1) 早期に認められる症状
前述のように無症状で発見される場合もあるが、通常の場合は認知機能障
害・片麻痺・構音障害が頻度の高い早期症状である。失語・小脳症状・嚥下
障害と続く。

(2) 各薬剤における発症リスク
ナタリズマブは 2021 年 7 月現在、MS における投与例 1,000 人に 3.74 人の
頻度で PML の発症が報告されている。PML 発症リスクとして、
「抗 JCV 抗体陽
性」
、「2 年以上のナタリズマブ投与歴」
、「過去の免疫抑制薬使用歴」が知ら
れており 7)、さらに抗 JCV 抗体価と発症リスクの相関も知られている(図1)
1) 8)

, 。この 3 つのリスクがある時には、最大で 100 人に 1 人の頻度で PML を

発症するとされる。一方、通常4週ごとに投与するナタリズマブを 5~7 週
ごとに投与間隔を延長(Extended interval dosing:EID)することで、PML
のリスクが低減することが報告されている 9)。
フィンゴリモドは 2021 年 8 月現在、世界的には MS 例 1,000 人に 0.16 人
の頻度で PML の発症が報告されている。しかし、日本人では他人種に比べて
PML の発症頻度が高く(1000 人に 1.20 人の頻度)
、2022 年2月現在、MS の
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