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15参考資料2-5 百日せきワクチン ファクトシート 平成 29(2017)年 2 月 10 日 (34 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00024.html |
出典情報 | 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第49回 10/4)《厚生労働省》 |
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欲低下が 7.3%で認められた。DTaP の 4 回接種後の副反応報告頻度と比較し、5 回接種
後では全身反応の頻度は変わらないが、接種部位の局所反応の頻度は増加すると報告さ
れた 122)。
Schmitt らは、青年・成人(18 歳〜35 歳)207 人を対象とした、DTaP(阪大微研製)
接種後の副反応に関して報告した。過去に全菌体百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン
(DTwP)の接種歴が 4 回以上ある群 103 人(previously pertussis vaccinated group: PPV
群)と接種歴がない群 104 人(not previously pertussis vaccinated group: N-PPV 群)を比
較したところ、20 mm を越える発赤は PPV 群では 1.0%、N-PPV 群では 2.9%、20 mm
を越える腫脹は PPV 群では 1.0%、N-PPV 群では 6.8%、
圧痛に関しては PPV 群では 38.6%、
N-PPV 群では 55.8%であり、PPV 群に比べて N-PPV 群の方が局所反応の頻度が高かっ
た 123)。
海外製の DTaP 接種後の副反応の頻度に関していくつかの報告がある。Pichichero ら
は、DTaP の接種歴が 4 回ある 4〜6 歳の小児 120 人を対象に、5 回目の DTaP 接種後の
副反応の頻度を報告している
124)
。局所反応として、発赤が 47.5%、腫脹が 40.8%、疼
痛が 53.3%で認められ、全身反応としては、37.8 ℃以上の発熱が 2.5%、不機嫌が 23.3%
で認められた。DTaP 4 回接種後と比較すると、局所反応の出現頻度が高かった。
Keitel らは 125)、百日せき含有ワクチンの接種歴がなく、過去 10 年間で百日咳の確定
診断を受けていない健康成人 481 人を対象に、接種量を変えて接種し、副反応出現状況
を比較した(多施設共同無作為化二重盲検試験)
。5 種類の DTaP に関して、小児で接種
する量(0.5 mL)と同量を接種した群、小児量の 3 分の 1 量で接種した群、10 分の 1
量で接種した群、プラセボ群で副反応の頻度を比較した。疼痛/圧痛、10 mm2 以上の紅
斑などの局所反応の頻度に関しては、量反応関係に有意差はなく、0.5 mL 接種群では
69〜90%の局所反応が認められた。また、接種後しばらくしてから(4 日目以降)みら
れる遅発性局所反応(late-onset injection site reaction)に関しては、すべての製剤で認め
られ、その頻度は 3〜28%で製剤間の差が大きかった。遅発性局所反応は量反応関係が
認められた製剤もあり、百日咳抗体の上昇と関連があることが示唆された。
(5) 医療経済学的な観点
百日せき含有ワクチンを青年・成人に追加接種することの費用対効果に関する分析結
果は海外において相次いで報告されており、Miller ら(2012) は 13 件の文献を対象とし
たシステマティックレビューを行っている 126)。
青年への追加接種について検討した研究は 9 件あり、すべてが費用対効果良好との結
果であった。成人への追加接種について検討した研究は 6 件あり、予防効果の想定によ
って費用対効果の結果も大きく異なっていた。Cocoon Strategy(繭戦略)に関する研究
は 6 件あり、他の接種法に比べて費用対効果が悪いという研究が多かった。
ただし、これらの研究では、罹患率、死亡率、ワクチンの効果、herd effect などのパ
33
後では全身反応の頻度は変わらないが、接種部位の局所反応の頻度は増加すると報告さ
れた 122)。
Schmitt らは、青年・成人(18 歳〜35 歳)207 人を対象とした、DTaP(阪大微研製)
接種後の副反応に関して報告した。過去に全菌体百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン
(DTwP)の接種歴が 4 回以上ある群 103 人(previously pertussis vaccinated group: PPV
群)と接種歴がない群 104 人(not previously pertussis vaccinated group: N-PPV 群)を比
較したところ、20 mm を越える発赤は PPV 群では 1.0%、N-PPV 群では 2.9%、20 mm
を越える腫脹は PPV 群では 1.0%、N-PPV 群では 6.8%、
圧痛に関しては PPV 群では 38.6%、
N-PPV 群では 55.8%であり、PPV 群に比べて N-PPV 群の方が局所反応の頻度が高かっ
た 123)。
海外製の DTaP 接種後の副反応の頻度に関していくつかの報告がある。Pichichero ら
は、DTaP の接種歴が 4 回ある 4〜6 歳の小児 120 人を対象に、5 回目の DTaP 接種後の
副反応の頻度を報告している
124)
。局所反応として、発赤が 47.5%、腫脹が 40.8%、疼
痛が 53.3%で認められ、全身反応としては、37.8 ℃以上の発熱が 2.5%、不機嫌が 23.3%
で認められた。DTaP 4 回接種後と比較すると、局所反応の出現頻度が高かった。
Keitel らは 125)、百日せき含有ワクチンの接種歴がなく、過去 10 年間で百日咳の確定
診断を受けていない健康成人 481 人を対象に、接種量を変えて接種し、副反応出現状況
を比較した(多施設共同無作為化二重盲検試験)
。5 種類の DTaP に関して、小児で接種
する量(0.5 mL)と同量を接種した群、小児量の 3 分の 1 量で接種した群、10 分の 1
量で接種した群、プラセボ群で副反応の頻度を比較した。疼痛/圧痛、10 mm2 以上の紅
斑などの局所反応の頻度に関しては、量反応関係に有意差はなく、0.5 mL 接種群では
69〜90%の局所反応が認められた。また、接種後しばらくしてから(4 日目以降)みら
れる遅発性局所反応(late-onset injection site reaction)に関しては、すべての製剤で認め
られ、その頻度は 3〜28%で製剤間の差が大きかった。遅発性局所反応は量反応関係が
認められた製剤もあり、百日咳抗体の上昇と関連があることが示唆された。
(5) 医療経済学的な観点
百日せき含有ワクチンを青年・成人に追加接種することの費用対効果に関する分析結
果は海外において相次いで報告されており、Miller ら(2012) は 13 件の文献を対象とし
たシステマティックレビューを行っている 126)。
青年への追加接種について検討した研究は 9 件あり、すべてが費用対効果良好との結
果であった。成人への追加接種について検討した研究は 6 件あり、予防効果の想定によ
って費用対効果の結果も大きく異なっていた。Cocoon Strategy(繭戦略)に関する研究
は 6 件あり、他の接種法に比べて費用対効果が悪いという研究が多かった。
ただし、これらの研究では、罹患率、死亡率、ワクチンの効果、herd effect などのパ
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