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資料3-9 押谷先生・鈴木先生・西浦先生・脇田先生提出資料 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第101回 10/5)《厚生労働省》
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的な人の移動に伴って北半球や南半球の温帯地域で季節性の流行拡大をきたしていると考えられてきた
[21,23]。
2020 年初頭以降、国際的に新型コロナの流行対策を目的として、強力な行動制限・移動制限が行われ、
これが概ね 2021 年末まで続けられた。接触削減は季節性インフルエンザの流行を抑制することに直接的に
寄与し、移動制限は季節性インフルエンザが流行地域からより伝播条件のよい他地域へと移りながら拡大す
ることを防いだと考えられる。オミクロン株が流行の主体となった 2022 年初頭以降、各国で制限の緩和が進
行した。これによる接触機会の増加が南半球における流行の再来の要因の 1 つであると考えられる。日本に
おいても今後、接触機会の増加および海外との人の動きが増加することから季節性インフルエンザの流行が発
生する可能性は十分にある。

2-3. 2022-23 冬期シーズンの見通しに影響する要因
この冬の季節性インフルエンザの流行と医療負荷の規模を規定する要因は主に 4 つあると考えられる[24]。
①諸外国でのインフルエンザ流行と国際的な人の移動の回復
2022 年初頭以降の国際的な移動制限の緩和により、国境を超えた人の移動が増加している。既に国際
的なインフルエンザウイルスの循環が再活性化しており、また、日本においても海外との人の往来が今後さらに
増加することが予想される。諸外国でも高いレベルでの季節性インフルエンザ流行が見られると、国内への輸入
感染者が増加し、国内流行が起こりやすい条件が構築され得る。
②国内における接触機会の回復
世界に先駆けて行動制限を緩和した英国においても、社会接触調査では、住民の接触頻度は COVID-19
の流行以前に比べて低い状態を維持している[25]。日本においても接触頻度が 2021 年時点よりも増加す
ると考えられるが、2019 年以前のレベルまで戻る可能性は低い。このことはインフルエンザの流行規模を例年
より小さくする方向に働く可能性がある。
③人口の抗体保有状況
過去2シーズンの流行が低調であったことで自然感染により免疫を獲得した人の割合が COVID-19 の流行
前に比べて低くなっていると考えられる。実際、予防接種法に基づく感染症流行予測調査事業で行われたイ
ンフルエンザ抗体保有状況調査の結果では、A(H3N2)亜型に対する抗体保有率は、全年齢層において
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