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資料3-9 押谷先生・鈴木先生・西浦先生・脇田先生提出資料 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第101回 10/5)《厚生労働省》
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2020 年 7-9 月に比べて 2021 年 7-9 月では低い傾向にあった[26]。これが流行規模を例年より大きくす
る方向に働く可能性がある。
④ワクチンの接種率とワクチン株と流行株の抗原性の一致
現在、国内で用いられている不活化インフルエンザワクチンが流行拡大の抑制にどの程度効果を有するかは十
分に明らかではない[27-29]。一方で、重症および死亡を減少させることが示されている。ワクチン接種率がど
の程度になるか、ワクチン株と流行株の抗原性がマッチするかは、過去シーズンと同様に季節性インフルエンザ
の疾病負荷を規定する。

3.

2022 年冬期の COVID-19 と季節性インフルエンザの流行の見通し

以上から、2022 年 10 月から 2023 年 3 月の半年間に新たな COVID-19 の流行拡大と、季節性インフ
ルエンザの流行が発生する可能性は極めて高い。一方で、その流行の立ち上がりの時期と持続期間、流行規
模、医療負荷の程度については、事前情報が不足していることから、現時点でそれを定量的に予測することは
困難である。
表1と表2では、それぞれ COVID-19 と季節性インフルエンザについて定性的シナリオを設定し、各シナリオ
を規定する要因(ウイルス要因、免疫要因、社会的要因)について記述した。本報告では、各シナリオが現
実化する確率についての見積もりは行わない。
また COVID-19 と季節性インフルエンザの他に、ライノウイルス、アデノウイルス、SARS-CoV-2 以外のコロナ
ウイルス(HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、HCoV-229E)を含む他の呼吸器ウイルスによ
る呼吸器感染症の流行が発生する可能性を念頭に置いておく必要がある[30]。これらは風邪症候群の原
因ウイルスであり、重症化することは稀であるが、インフルエンザ様症状(ILI)の原因として外来診療の負荷
増大の要因となりうる。
WHO のガイドラインによると、ILI および重症急性呼吸器感染症(SARI)に占める、COVID-19 およびイ
ンフルエンザの割合は流行の傾向と医療負荷を把握するうえで重要な指標である[31]。国内では三重県お
よび国立三重病院が中心となって実施している ILI、新型コロナウイルス感染症様症状(CLI)サーベイラン
スのデータが参考になる[32]。このデータに基づくと、CLI に占める新型コロナウイルス陽性率は 2022 年第
24 週で 8%、第 33 週で 53%であり、流行状況によって幅がある。また ILI に占めるインフルエンザ陽性率
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