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2021年度(令和3年度)社会福祉法人の経営状況について (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/ |
出典情報 | 2021年度(令和3年度)社会福祉法人の経営状況について(1/17)《福祉医療機構》 |
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2022-007
(図表 8)介護主体法人の 2020・2021 年度の収
支状況(同一法人)
拡大するなど、類型によらず、社会福祉法人は
厳しい経営状況下にある様子がみてとれた。
2020’
n=3,000
2021’
n=3,000
差
2021’
-2020’
157.5
159.7
2.2
サービス活動収益 千円 961,340
976,848
15,508
サービス活動費用 千円 937,998
958,986
20,989
23,342
17,862
△5,481
次節からは、より精緻に比較するため、2020・
区分
2021 年度の 2 か年においてデータが揃ってお
従事者数
り、主たる事業が変わらない同一法人のデータ
を用いて、主たる事業別の収支状況を確認する。
2.2
単位
人
サービス活動増減
千円
差額
介護主体法人の収支状況
介護報酬のプラス改定により増収したものの、
費用の増加が上回る。人件費率、経費率等の
上昇により、サービス活動増減差額率は
1.8%と 0.6 ポイント低下。赤字法人割合は
38.9%と 5.5 ポイント拡大した
人件費率
%
66.0
66.4
0.4
経費率
%
25.7
25.8
0.1
サービス活動増減
差額率
%
2.4
1.8
△0.6
経常増減差額率
%
2.4
1.7
△0.6
6,105
6,119
14
4,028
4,061
33
33.4
38.9
5.5
従事者 1 人当たり
千円
サービス活動収益
従事者 1 人当たり
千円
人件費
まず、介護主体法人の収支状況から確認する
(図表 8)
。2021 年度の介護報酬改定は、プラス
0.70%の改定率となり、大部分のサービスで基
赤字法人割合
%
本報酬単価が引上げられた。このことから、全
2.3
体的な増収の主な要因はプラス改定であると推
察される。
保育主体法人の収支状況
保育所の収支状況の傾向と同様に増収減益の
結果、赤字法人割合は拡大。サービス活動増
減差額率は 4.5%と 0.9 ポイント低下。赤字
法人割合は 23.2%と 3.8 ポイント拡大した
サービス活動収益は 976,848 千円と 15,508
千円増加し、割合にして 1.6%の増収であった。
一方で、サービス活動費用は 958,986 千円と
20,989 千円増加し、2.2%も上昇した結果、増収
次に保育主体法人の収支状況を確認する(図
減益となった。
表 9)。介護主体法人と同様に、費用の増加が収
費用に着目すると、人材不足が叫ばれる介護
益の増加を上回った結果、増収減益となり、赤
職員の処遇が改善されつつあることから、従事
字法人割合も拡大した。
者 1 人当たり人件費が 4,061 千円と 33 千円上
2021 年度の保育所の経営状況5においても、
昇した。これは、従事者 1 人当たりサービス活
処遇改善等加算の算定率の上昇などを背景に、
動収益の上昇幅 14 千円の 2.4 倍に相当する。そ
児童 1 人 1 月当たりサービス活動収益は、前年
の結果、人件費率は 66.4%と 0.4 ポイント上昇
度から上昇した。一方、従事者 1 人当たり人件
した。また、新型コロナウイルス感染症(以下
費も上昇した結果、人件費率が押上げられた。
「コロナ」という。)への対応に伴う衛生用品や
保育所については、近年、待機児童の解消が
消耗品等の購入量増加、あるいは物価高騰など
進み、地域によっては利用率の維持が課題とな
の影響により、経費率もわずかに上昇したとみ
っている施設もあるだろう。場合によっては、
られる。
地域の需要に応じた適正な定員の設定、あるい
は統合などの検討をする必要が出てくる可能性
5 福祉医療機構「2021 年度(令和 3 年度)保育所および認定こども園の経営状況について」
(令和 4 年 11 月 24 日公表)
(https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/221124_No006.pdf)
Copyright ⓒ 2023Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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(図表 8)介護主体法人の 2020・2021 年度の収
支状況(同一法人)
拡大するなど、類型によらず、社会福祉法人は
厳しい経営状況下にある様子がみてとれた。
2020’
n=3,000
2021’
n=3,000
差
2021’
-2020’
157.5
159.7
2.2
サービス活動収益 千円 961,340
976,848
15,508
サービス活動費用 千円 937,998
958,986
20,989
23,342
17,862
△5,481
次節からは、より精緻に比較するため、2020・
区分
2021 年度の 2 か年においてデータが揃ってお
従事者数
り、主たる事業が変わらない同一法人のデータ
を用いて、主たる事業別の収支状況を確認する。
2.2
単位
人
サービス活動増減
千円
差額
介護主体法人の収支状況
介護報酬のプラス改定により増収したものの、
費用の増加が上回る。人件費率、経費率等の
上昇により、サービス活動増減差額率は
1.8%と 0.6 ポイント低下。赤字法人割合は
38.9%と 5.5 ポイント拡大した
人件費率
%
66.0
66.4
0.4
経費率
%
25.7
25.8
0.1
サービス活動増減
差額率
%
2.4
1.8
△0.6
経常増減差額率
%
2.4
1.7
△0.6
6,105
6,119
14
4,028
4,061
33
33.4
38.9
5.5
従事者 1 人当たり
千円
サービス活動収益
従事者 1 人当たり
千円
人件費
まず、介護主体法人の収支状況から確認する
(図表 8)
。2021 年度の介護報酬改定は、プラス
0.70%の改定率となり、大部分のサービスで基
赤字法人割合
%
本報酬単価が引上げられた。このことから、全
2.3
体的な増収の主な要因はプラス改定であると推
察される。
保育主体法人の収支状況
保育所の収支状況の傾向と同様に増収減益の
結果、赤字法人割合は拡大。サービス活動増
減差額率は 4.5%と 0.9 ポイント低下。赤字
法人割合は 23.2%と 3.8 ポイント拡大した
サービス活動収益は 976,848 千円と 15,508
千円増加し、割合にして 1.6%の増収であった。
一方で、サービス活動費用は 958,986 千円と
20,989 千円増加し、2.2%も上昇した結果、増収
次に保育主体法人の収支状況を確認する(図
減益となった。
表 9)。介護主体法人と同様に、費用の増加が収
費用に着目すると、人材不足が叫ばれる介護
益の増加を上回った結果、増収減益となり、赤
職員の処遇が改善されつつあることから、従事
字法人割合も拡大した。
者 1 人当たり人件費が 4,061 千円と 33 千円上
2021 年度の保育所の経営状況5においても、
昇した。これは、従事者 1 人当たりサービス活
処遇改善等加算の算定率の上昇などを背景に、
動収益の上昇幅 14 千円の 2.4 倍に相当する。そ
児童 1 人 1 月当たりサービス活動収益は、前年
の結果、人件費率は 66.4%と 0.4 ポイント上昇
度から上昇した。一方、従事者 1 人当たり人件
した。また、新型コロナウイルス感染症(以下
費も上昇した結果、人件費率が押上げられた。
「コロナ」という。)への対応に伴う衛生用品や
保育所については、近年、待機児童の解消が
消耗品等の購入量増加、あるいは物価高騰など
進み、地域によっては利用率の維持が課題とな
の影響により、経費率もわずかに上昇したとみ
っている施設もあるだろう。場合によっては、
られる。
地域の需要に応じた適正な定員の設定、あるい
は統合などの検討をする必要が出てくる可能性
5 福祉医療機構「2021 年度(令和 3 年度)保育所および認定こども園の経営状況について」
(令和 4 年 11 月 24 日公表)
(https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/221124_No006.pdf)
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