よむ、つかう、まなぶ。
参考資料2 肝炎対策の推進に関する基本的な指針 (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29863.html |
出典情報 | 肝炎対策推進協議会(第30回 2/9)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
の対応は引き続き必要である。また、B型肝炎はいまだにウイルスを排除できる根治
薬がなく、その研究開発の継続が必要である。
最近では、肝炎ウイルスに持続感染している者(ウイルス性肝炎から進行した肝硬
変又は肝がんの患者を含む。以下「肝炎患者等」という。)への支援が充実されると
ともに、地方公共団体等による受検、受診及び受療の促進に向けた取組が行われ、一
定の効果を上げているが、依然として、肝炎ウイルスに感染しているものの自覚のな
い者が多数存在すると推定されることや、職域での検診等利便性に配慮した検査体制
を整備すること、肝炎ウイルスに起因する肝炎、肝硬変又は肝がんに係る医療(以下
「肝炎医療」という。)の体制が十分整備されていない地域があること、精密検査や
肝炎医療を適切に受診していない肝炎ウイルス検査結果が陽性である者が多数に上る
こと等、肝炎医療を必要とする者に適切に肝炎医療を提供していくためには、いまだ
解決すべき課題が多い。特に、我が国における肝炎患者等が高齢化していることを踏
まえ、高齢者にも分かりやすい、より丁寧な普及啓発を行う必要がある。
また、肝炎ウイルスの感染経路等についての国民の理解が十分でないことや、肝炎
ウイルス検査を受検する必要性に関する認識が十分でないことに加え、一部では、肝
炎患者等に対する不当な差別が存在することが指摘されている。さらに、地域の実情
に応じた肝炎対策を策定及び実施する地方公共団体における取組の継続は重要であ
る。このような状況を改善し、肝炎対策のより一層の推進を図るためには、引き続き、
国や地方公共団体のみならず、あらゆる関係者が一体となって、より一層の連携を図
ることが必要である。
加えて、世界保健機関(WHO)が、公衆衛生上の脅威としての肝炎ウイルスの排
除達成を令和 12 年までに目指すことを持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢
献する目標として掲げている。公衆衛生上は、現在、C型肝炎はウイルス排除薬の開
発により、その撲滅が視野に入る状況となってきたが、B型肝炎に対する根治薬の開
発及び既に実用化されているC型肝炎の抗ウイルス療法の活用により、肝炎ウイルス
を高い確率で体外に排除することを可能にし、「肝炎の完全な克服」を目指すことが
必要である。
本指針は、このような現状の下に、肝炎患者等を早期に発見し、また、肝炎患者等
が安心して治療を受けられる社会を構築するため、国、地方公共団体等が取り組むべ
き方向性を示すことにより、肝炎対策のより一層の推進を図ることを目的とするもの
である。
なお、我が国では、現在、肝炎にり患した者に占める患者数の多さから、B型肝炎
及びC型肝炎に係る対策が依然として重要な課題となっている。このため、本指針に
おいては、B型肝炎及びC型肝炎に係る対策に関する事項を定めるものとする。
第1 肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向
(1) 基本的な考え方
ア
肝炎(B型肝炎及びC型肝炎をいう。以下同じ。)は、適切な治療を行わ
ないまま放置すると慢性化し、肝硬変や肝がんといったより重篤な病態に進
2
薬がなく、その研究開発の継続が必要である。
最近では、肝炎ウイルスに持続感染している者(ウイルス性肝炎から進行した肝硬
変又は肝がんの患者を含む。以下「肝炎患者等」という。)への支援が充実されると
ともに、地方公共団体等による受検、受診及び受療の促進に向けた取組が行われ、一
定の効果を上げているが、依然として、肝炎ウイルスに感染しているものの自覚のな
い者が多数存在すると推定されることや、職域での検診等利便性に配慮した検査体制
を整備すること、肝炎ウイルスに起因する肝炎、肝硬変又は肝がんに係る医療(以下
「肝炎医療」という。)の体制が十分整備されていない地域があること、精密検査や
肝炎医療を適切に受診していない肝炎ウイルス検査結果が陽性である者が多数に上る
こと等、肝炎医療を必要とする者に適切に肝炎医療を提供していくためには、いまだ
解決すべき課題が多い。特に、我が国における肝炎患者等が高齢化していることを踏
まえ、高齢者にも分かりやすい、より丁寧な普及啓発を行う必要がある。
また、肝炎ウイルスの感染経路等についての国民の理解が十分でないことや、肝炎
ウイルス検査を受検する必要性に関する認識が十分でないことに加え、一部では、肝
炎患者等に対する不当な差別が存在することが指摘されている。さらに、地域の実情
に応じた肝炎対策を策定及び実施する地方公共団体における取組の継続は重要であ
る。このような状況を改善し、肝炎対策のより一層の推進を図るためには、引き続き、
国や地方公共団体のみならず、あらゆる関係者が一体となって、より一層の連携を図
ることが必要である。
加えて、世界保健機関(WHO)が、公衆衛生上の脅威としての肝炎ウイルスの排
除達成を令和 12 年までに目指すことを持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢
献する目標として掲げている。公衆衛生上は、現在、C型肝炎はウイルス排除薬の開
発により、その撲滅が視野に入る状況となってきたが、B型肝炎に対する根治薬の開
発及び既に実用化されているC型肝炎の抗ウイルス療法の活用により、肝炎ウイルス
を高い確率で体外に排除することを可能にし、「肝炎の完全な克服」を目指すことが
必要である。
本指針は、このような現状の下に、肝炎患者等を早期に発見し、また、肝炎患者等
が安心して治療を受けられる社会を構築するため、国、地方公共団体等が取り組むべ
き方向性を示すことにより、肝炎対策のより一層の推進を図ることを目的とするもの
である。
なお、我が国では、現在、肝炎にり患した者に占める患者数の多さから、B型肝炎
及びC型肝炎に係る対策が依然として重要な課題となっている。このため、本指針に
おいては、B型肝炎及びC型肝炎に係る対策に関する事項を定めるものとする。
第1 肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向
(1) 基本的な考え方
ア
肝炎(B型肝炎及びC型肝炎をいう。以下同じ。)は、適切な治療を行わ
ないまま放置すると慢性化し、肝硬変や肝がんといったより重篤な病態に進
2