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【参考資料3】免疫アレルギー疾患研究10か年戦略 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34044.html
出典情報 アレルギー疾患対策推進協議会(第17回 7/12)《厚生労働省》
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人への移行といった理由により、疾患対策の基盤となる疫学研究等が不十分であり、そのため、新た
な研究課題の創出が難しい状況となっている。
国際的な連携については、現在、希少疾患や感染症の分野において、推進されている。さらに、免
疫アレルギー疾患のような患者数の多い疾患においても、その重要性が理解されているが、情報の収
集・蓄積に必須となるデータやサンプルの標準化が進んでおらず、国際連携だけでなく自国内での連
携も十分ではないと言える。

独自性・優位性
前述したような問題点がある一方で、10 か年戦略の策定には、日本が有する独自性・優位性を最大
限に活用することが、世界に先駆けた研究開発を推進する上で極めて重要である。
まず、法の存在と、法および基本指針に基づく 10 か年戦略の策定は、世界にも稀に見るものである。
また、免疫アレルギー疾患の本態解明に関しては、日本は海外と比べると、島国であるために比較的
均一な遺伝学的背景を有し、疾患と季節変動との関連を解析しやすい地域であること等により、多くの
要因が関与する疾患(多因子疾患)における遺伝学的な解析を含めた網羅的な解析において極めて
有利であることがこれまでの研究からも明らかになっており、今後、層別化医療(Precision Medicine)1)
を実践していく上での強みとなる。
さらに、我が国で行われた免疫アレルギー疾患の研究開発において、乳児期からのスキンケアによ
りアトピー性皮膚炎治療と鶏卵の早期少量摂取の結果、卵アレルギーの発症が 8 割減少した等の報告
(Lancet. 2017; 389: 276-86)がなされており、こうした報告から、免疫アレルギー疾患が有する継時的
特性に対して、予防的・先制的医療(Preemptive Treatment)2) の可能性を実証してきた。
以上より、免疫アレルギー疾患における層別化医療及び予防的・先制的医療の実現を通じて、患者
数減少、QOL の改善及び医療費の適正化等に資するエビデンスの創出を推進する上で極めて大きな
優位性があると考えられる。

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1) 層別化医療(Precision Medicine)
本報告書では、Precision Medicine を層別化医療と記載した。精密医療や個別化医療といった訳
がなされることもあるが、本報告書では、ある疾患に属する患者を、いくつかの集団に分類し、各集
団に適した治療法を選択することを目的とした医療を指す。
2) 予防的・先制的医療(Preemptive Treatment)
本報告書では、Preemptive Treatment を予防的・先制的医療と記載した。保健指導等も含め発症
前から医学的介入を行うことによって、発症を未然に防ぐことを目的とした医療を指す。

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