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【参考資料3】免疫アレルギー疾患研究10か年戦略 (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34044.html |
出典情報 | アレルギー疾患対策推進協議会(第17回 7/12)《厚生労働省》 |
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3 戦略1: 本態解明 (先制的医療等を目指す免疫アレルギーの本態解明に関する基盤研究)
戦略1:本態解明に係る研究を進める上で、次の目標を設定する。
目標1: 「革新的な医療技術に基づく層別化医療及び予防的・先制的医療」の実現に向けて、基
盤となる基礎研究・疫学研究・臨床研究を推進することで、免疫アレルギー疾患の根源的な本態解
明を目指す。
(1) 免疫アレルギー疾患の多様性の理解と層別化に資する基盤研究
免疫アレルギー疾患は、発症年齢、重症度、予後等疾患によって多様性がある。そのため、自然経
過や標準的な治療に対する効果や副作用に違いがあることが、これらの疾患の診療や研究を困難に
していることも多い。そのため、遺伝学的・分子生物学的な解析等を含めた詳細な解析による、病態の
「見える化」を通じて、患者を層別化し、それぞれのグループに最適な医療を導入していくことが求め
られている。
こうした層別化医療を進めていくには、患者を特定の集団に分け、それぞれでの特徴や治療への
反応性等を詳細に検討する必要がある。そのためには、患者の臨床情報とともに血液や皮膚、気道
病変等を採取し、さらに免疫に関与する細胞を分離し、その上で、遺伝学的情報等を総合的に解析
することが必要となる。この解析を推進する上では、患者情報を登録するデータベースの標準化が必
要となる。すでに、疾患によっては臨床情報データベースが存在し、多施設共同研究で患者情報を
蓄積し、臨床指標を基に診断基準を策定する等の、国際的にも先駆的な取組も認められる。しかし、
既存のデータベース間で収集情報項目の相違、使用言語の相違、免疫アレルギー疾患の診断定義
の不一致等が問題となっていることが多い。これらの既存の疾患毎のデータベースを検証し、統合に
むけた収集情報項目(各疾患の経過、治療反応性、副作用等を含む)の標準化や使用言語の統一が
必要である。また同時に血液、皮膚、粘膜、尿、便等の検体の保管について、既存バイオバンクの利
活用等も含め、海外との連携が可能なデータベース、バイオバンクを整備していくことも、層別化医療
を推進するために必要である。
米国においては、2015 年のオバマ大統領の一般教書演説における”Precision Medicine Initiative”
をもとに、大型予算が投じられ、ビックデータを活用した診断・創薬の研究が展開されている。また、国
内では、アレルギー性鼻炎に対して、アレルゲン免疫療法の効果が患者によって異なることもあり、治
療開始前に効果予測を可能とするマーカーの開発研究等も行われている。また、免疫アレルギー疾
患に対して、標準的な治療で効果が出にくい場合は、層別化医療が必要となってくる場合も多く、この
ような病態の相違に対して、アレルゲン免疫療法や開発が進んでいる抗体医薬等を組み合わせる治
療法の検討及び臨床研究が必要である。また、その前段階の検討として、共通の症状や病態を呈す
るモデル生物を利活用する研究のみならず、これまで本研究領域に関連していなかった基礎研究者
等も含めた基盤的な研究の推進も必要である。
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戦略1:本態解明に係る研究を進める上で、次の目標を設定する。
目標1: 「革新的な医療技術に基づく層別化医療及び予防的・先制的医療」の実現に向けて、基
盤となる基礎研究・疫学研究・臨床研究を推進することで、免疫アレルギー疾患の根源的な本態解
明を目指す。
(1) 免疫アレルギー疾患の多様性の理解と層別化に資する基盤研究
免疫アレルギー疾患は、発症年齢、重症度、予後等疾患によって多様性がある。そのため、自然経
過や標準的な治療に対する効果や副作用に違いがあることが、これらの疾患の診療や研究を困難に
していることも多い。そのため、遺伝学的・分子生物学的な解析等を含めた詳細な解析による、病態の
「見える化」を通じて、患者を層別化し、それぞれのグループに最適な医療を導入していくことが求め
られている。
こうした層別化医療を進めていくには、患者を特定の集団に分け、それぞれでの特徴や治療への
反応性等を詳細に検討する必要がある。そのためには、患者の臨床情報とともに血液や皮膚、気道
病変等を採取し、さらに免疫に関与する細胞を分離し、その上で、遺伝学的情報等を総合的に解析
することが必要となる。この解析を推進する上では、患者情報を登録するデータベースの標準化が必
要となる。すでに、疾患によっては臨床情報データベースが存在し、多施設共同研究で患者情報を
蓄積し、臨床指標を基に診断基準を策定する等の、国際的にも先駆的な取組も認められる。しかし、
既存のデータベース間で収集情報項目の相違、使用言語の相違、免疫アレルギー疾患の診断定義
の不一致等が問題となっていることが多い。これらの既存の疾患毎のデータベースを検証し、統合に
むけた収集情報項目(各疾患の経過、治療反応性、副作用等を含む)の標準化や使用言語の統一が
必要である。また同時に血液、皮膚、粘膜、尿、便等の検体の保管について、既存バイオバンクの利
活用等も含め、海外との連携が可能なデータベース、バイオバンクを整備していくことも、層別化医療
を推進するために必要である。
米国においては、2015 年のオバマ大統領の一般教書演説における”Precision Medicine Initiative”
をもとに、大型予算が投じられ、ビックデータを活用した診断・創薬の研究が展開されている。また、国
内では、アレルギー性鼻炎に対して、アレルゲン免疫療法の効果が患者によって異なることもあり、治
療開始前に効果予測を可能とするマーカーの開発研究等も行われている。また、免疫アレルギー疾
患に対して、標準的な治療で効果が出にくい場合は、層別化医療が必要となってくる場合も多く、この
ような病態の相違に対して、アレルゲン免疫療法や開発が進んでいる抗体医薬等を組み合わせる治
療法の検討及び臨床研究が必要である。また、その前段階の検討として、共通の症状や病態を呈す
るモデル生物を利活用する研究のみならず、これまで本研究領域に関連していなかった基礎研究者
等も含めた基盤的な研究の推進も必要である。
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