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ヒアリング資料4 全国肢体不自由児施設運営協議会 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34476.html
出典情報 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第32回 7/31)《厚生労働省》
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令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等(詳細版) -2
(1) 給付費について
(続き)
さらに、医療型障害児入所施設の入所児は、肢体不自由児であっても被虐待児の増加などにより専門的な多職種によ
る心のケアを含めた対応 が必要となっている。(参考資料 8) 旧肢体不自由児施設では様々な障害特性のある児へより
良い療育支援を提供する必要性から止むを得ず、配置の施設基準(乳児または幼児10:1、少年20:1)から大幅な職員増
を図り、直接処遇職員と入所児との比率はすでに1:1を大きく超えている(参考資料 9) にも拘らず、業務分析からは、同
時並行的業務の遂行を強いられており、重大な事故の発生リスクにもなっている。 (参考資料 10) その一方で特に重心
周辺の機能を有する児については適切な療育支援が行われることにより、将来介助量の増加を避けることが期待される。
(参考資料11)
医療型障害児入所施設になって、特に旧重心施設併設の民営旧肢体不自由児施設では、肢体不自由児の収入が重
心の60~70%程度であり、有期有目的入所のベッド回転率は高いが、急なキャンセルなどで稼働率が相対的に低いため、
重心の長期入所が優先されている(参考資料12, 13)。この傾向は療養介護事業所の併設と併せて近い将来には児者一
貫による療養介護入所者が増加して、小児の入所ベッド数減少あるいは消滅を招来する可能性につながる。過去3年間
で新たに肢体不自由児の受け入れを中止した施設はないが、新型コロナウイルス蔓延の影響による入所児減から、今後
受け入れを中止ないし縮小する施設が続出することが危惧される。これは、地域における重症心身障害に相当しない医
療的ケア児を安全に受け入れるセーフティネットが失われることにもつながる。
療育により機能改善の期待できる重心周辺の入所児は令和4年現在入所児全体の約20%である。(参考資料 5:再掲)こ
の他にも地域で生活しているこれらのこどもたちに地域生活を支援するための有期有目的入所がなければ、児の持つ能
力を最大限発揮させることはできなくなる(参考資料 14) 。また、このこどもたちは精神面や動作面の配慮など、多職種の
専門家チームによる対応が必要であり、前回の福祉報酬改訂で基本単価が引き上げられたとは言え(肢体173→175単
位、重心909→914単位)、肢体不自由児と重症心身障害児の給付費の格差を改善して重心周辺のこどもたちの入所療
育を持続可能なものとするよう要望する。

【意見・提案の内容】
・上記課題に対応するためには、障害種別が撤廃された現在、職員配置による給付費について検討する必要
がある。肢体不自由児の基本給付費、重度加算、重度重複加算、有期有目的入所給付費を増額して重心との
格差を緩和する必要がある。 「重心周辺児」のカテゴリーを創設して、多種の障害が併存して非常に多彩な状態
像を示している肢体不自由児に対する給付を増額すべきである。
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