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参考資料3 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第二次、第三次)の補遺(令和5年6月8日 総合科学技術・イノベーション会議) (13 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2023/20230111-mext_00001.html
出典情報 特定胚等研究専門委員会(第122回 8/7)《文部科学省 》
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備するには、一定の期間等が必要である。
○制度的枠組みについては、急速に進展する技術や次々と新規に開発される技術に遅滞なく
対応するという観点から、まずは「指針」を先行して策定した上で、より厳格な規制の枠組
みである法制度については、新たに策定される「指針」の遵守状況、ヒト受精胚を取巻く社
会状況等を勘案しつつ、検討を進める必要がある。

2.個別論点の検討と考察
(1)ヒト受精胚にゲノム編集技術等注 2を用いる「遺伝性・先天性疾患研究注 3」
について
【検討の経緯】
「基本的考え方」において、先天性の難病に関する研究については、ヒト受精
胚の作成・利用を伴う研究を容認する余地はあり、それに関する研究が今後進展
することを期待し、将来、必要が生じた時点で改めて検討することとされた。ま
た、その他の研究については、将来的に新たな研究目的が生じた際には基本原則
にのっとり、容認の可否を検討すべきとされた。
【科学的合理性について】
ヒト受精胚にゲノム編集技術等を用いて実施する「遺伝性・先天性疾患研究」
の科学的合理性に関しては、タスク・フォースにおける知見等より、以下のとお
り考えられる。
(ヒト受精胚にゲノム編集等を行うことで得られる知見の可能性)
○遺伝性疾患に関するデータベース注 4によれば、疾患で原因遺伝子が明らかに
なったものは5千以上に及ぶが、現時点でゲノム編集技術等による病態解明
等の目的となる具体的疾患を網羅的に挙げることはできない。しかしながら、
例えば網膜芽細胞腫等のインプリンティング異常症やX染色体の異常による
疾患の病態機序に関し、ヒト初期胚における関連遺伝子について、ゲノム編集
技術を用いて研究することにより、初期胚におけるインプリンティング誘導・
維持の分子機構や、疾患におけるX染色体の異常に関する知見が得られる可
注2

ゲノム編集技術等:
「第一次報告」において示され「ゲノム編集指針」に規定された、ゲノ
ム編集技術、ウイルスベクター・プラスミド等を用いた技術、ゲノムDNAを切断せず特定
の遺伝子発現を制御する技術、ミトコンドリア移植、その他の遺伝子改変技術を指す。
注3
遺伝性・先天性疾患研究:ゲノム編集技術等を用いる「遺伝性又は先天性疾患の病態解明及
び治療法(予防法)の開発に資する研究」のことをいう。
注4
OMIM(オーミム)データベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim)。ヒトの遺伝子
変異と遺伝性疾患のデータベース。米国国立衛生研究所(NIH)国立医学図書館の一部門で
ある国立生物工学情報センターによって運営されている。

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