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参考資料3 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第二次、第三次)の補遺(令和5年6月8日 総合科学技術・イノベーション会議) (20 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2023/20230111-mext_00001.html
出典情報 特定胚等研究専門委員会(第122回 8/7)《文部科学省 》
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に貢献しており、今後とも、生殖補助医療技術の維持や生殖補助医療の安全性確保に必
要と考えられる。こうした研究成果に今後も期待することには、十分科学的に合理性が
あるとともに、社会的にも妥当性がある。このため、生殖補助医療研究のためのヒト受
精胚の作成・利用は容認し得る。
イ 先天性の難病に関する研究目的での作成・利用
現時点では、この分野の研究においてヒト受精胚の作成・利用を伴う研究を行う具体
的必要性が確認できなかったが、容認する余地はあり、先天性の難病に関する研究が今
後進展することを期待し、将来、必要性が生じた時点で改めて検討することとする。

①生殖補助医療研究を目的とする場合
【科学的合理性について】
研究用新規作成胚の作成を伴うゲノム編集技術等を用いて実施する「生殖補
助医療研究」の科学的合理性に関しては、タスク・フォースにおける主要知見等
より、以下のとおり考えられる。
(研究用新規作成胚の作成が必要と考えられる研究例)
○初期胚発生に影響を及ぼす遺伝子を対象として、ゲノム編集技術を用いて受
精前後の初期胚発生への影響を検討することにより、受精メカニズムや卵活
性化に関する遺伝子機能を明らかにする等生殖補助医療の進展に資する知見
を得ることが期待される。
○また、顕微授精における精子先端酵素の異常原因の特定と治療法開発などに
ついては、ゲノム編集技術を用いたヒト配偶子を受精させることにより、配偶
子段階からの生殖補助医療技術の向上に資する知見を得られる可能性がある。
【タスク・フォース会合における主要知見】
(研究用新規作成胚の作成が必要と考えられる研究例)
・体外受精による多くの胚は発生途中で発生停止・流産に至るが、その背景に染色体異常など
の遺伝子異常があると考えられている。しかし、ヒト卵子や初期胚における個々の遺伝子の
挙動と働きは未解明な部分が多い。近年、ヒト初期胚の網羅的遺伝子発現解析により、初期
胚発生においては、卵性遺伝子から胚性遺伝子への遺伝子発現のスイッチや、胚性遺伝子発
現が連鎖的に引き起こされることや、発生停止胚の遺伝子発現の網羅的解析により、胚性ゲ
ノムからの転写を誘導する遺伝子群の発現が低下していることが明らかになっている。これ
らの遺伝子を対象にゲノム編集技術を用いて初期胚発生への影響を検討することにより、初
期胚発生に重要な働きを担っている遺伝子及びその機能が明らかになるなど、生殖補助医療
の向上に資する知見が得られる可能性がある。
・ヒト受精胚には、受精の瞬間から遺伝子、細胞等に短時間で多様な変化が生じる。このため、
ヒト受精胚の初期の状態を把握するためには、受精の瞬間から観察することが重要である。
・ヒト受精胚の発生初期に生じる染色体異常の頻度は高く、卵割開始後に染色体異常が生じや
すい理由、染色体異常が生じた卵割球が失われていく仕組みなど、そのメカニズムの解明に
ついては生殖補助医療目的の基礎研究と目的が重複する。
・精子先端酵素の異常原因の特定と治療法開発の研究などでは、ゲノム編集を行った精子を実

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