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参考資料3 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第二次、第三次)の補遺(令和5年6月8日 総合科学技術・イノベーション会議) (28 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2023/20230111-mext_00001.html |
出典情報 | 特定胚等研究専門委員会(第122回 8/7)《文部科学省 》 |
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に利用し得るとの指摘もあったが、これらの胚の十分な検討を行い得なかったため、そ
の取扱いの在り方については、今後検討すべき課題とすべきである。
【科学的合理性について】
ミトコンドリア病の病態解明・治療法開発のため、ヒト受精胚に核置換技術を
用いる基礎的研究の科学的合理性については、タスク・フォースにおける主要知
見等より、以下のとおり考えられるのではないか。
(ヒト受精胚等に核置換技術を用いることにより得られる可能性がある知見)
○ヒト受精胚または卵子を用いて核置換技術を用いることにより、受精前後の
卵子・受精胚内におけるミトコンドリアの機能・動態の解明などの科学的知見
を得られる可能性がある。その知見は、ヒト受精胚を用いなければ得られない
ものである。
(核置換技術を用いた研究の範囲)
○ゲノム編集技術等を用いる場合と同様に、核置換技術を用いた研究について
も病態解明と治療法開発は表裏一体的に進む面があり、基礎的研究の段階に
おいては必ずしも両者を明確に分離できないと考えられる。
【タスク・フォース会合における主要知見】
(ヒト受精胚等に核置換技術を用いることにより得られる可能性がある知見)
・ミトコンドリア病は、これまで 215 の核遺伝子、37 のミトコンドリア遺伝子の変異が報告
されているが、同じミトコンドリア変異を有していても臨床症状の多様性があり、核DNA
上の未知の遺伝子が発症に関わることが想定されている。この点を明らかにするには、患者
から余剰胚または配偶子の提供を受け、核DNAの違いを把握したうえで、ミトコンドリア
DNAの動態を研究する必要がある。
・上述のほか、受精前後の卵子・受精胚内におけるミトコンドリアの機能・動態(ボトルネッ
ク効果、へテロプラスミー、ミトコンドリアDNAのコピー数、ミトコンドリアDNAの発
現とミトコンドリア機能、核とミトコンドリアの相互作用等)は十分に解明されておらず、
卵子またはヒト受精胚への核置換技術を用いることにより、これらの知見が得られること
が期待される。
・これらの知見は、原始線条出現(又は 14 日)までの間の研究でも得られる可能性がある。
・受精胚核置換及び卵子間核置換では、細胞質(ミトコンドリア含む)がわずかに持ち込まれ
ることが報告されており、ゲノム編集技術と同様、核置換に関する関連技術精度を高めるこ
となどを目的とする研究が引き続き必要になると考えられる。
(代替不可能性)
・ミトコンドリアDNA変異で起きるミトコンドリア病については、技術的制約からヒトの病
的変異を精緻に再現する疾患モデル動物が現時点ではいない。
・初期胚におけるボトルネック効果等のミトコンドリアの機能・動態は、ミトコンドリア機能
が発達していないES細胞やiPS細胞では十分に研究できない可能性がある。
(海外の状況)
・英国においてはミトコンドリア病の予防のため、受精胚核置換及び卵子間核置換の臨床利用
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の取扱いの在り方については、今後検討すべき課題とすべきである。
【科学的合理性について】
ミトコンドリア病の病態解明・治療法開発のため、ヒト受精胚に核置換技術を
用いる基礎的研究の科学的合理性については、タスク・フォースにおける主要知
見等より、以下のとおり考えられるのではないか。
(ヒト受精胚等に核置換技術を用いることにより得られる可能性がある知見)
○ヒト受精胚または卵子を用いて核置換技術を用いることにより、受精前後の
卵子・受精胚内におけるミトコンドリアの機能・動態の解明などの科学的知見
を得られる可能性がある。その知見は、ヒト受精胚を用いなければ得られない
ものである。
(核置換技術を用いた研究の範囲)
○ゲノム編集技術等を用いる場合と同様に、核置換技術を用いた研究について
も病態解明と治療法開発は表裏一体的に進む面があり、基礎的研究の段階に
おいては必ずしも両者を明確に分離できないと考えられる。
【タスク・フォース会合における主要知見】
(ヒト受精胚等に核置換技術を用いることにより得られる可能性がある知見)
・ミトコンドリア病は、これまで 215 の核遺伝子、37 のミトコンドリア遺伝子の変異が報告
されているが、同じミトコンドリア変異を有していても臨床症状の多様性があり、核DNA
上の未知の遺伝子が発症に関わることが想定されている。この点を明らかにするには、患者
から余剰胚または配偶子の提供を受け、核DNAの違いを把握したうえで、ミトコンドリア
DNAの動態を研究する必要がある。
・上述のほか、受精前後の卵子・受精胚内におけるミトコンドリアの機能・動態(ボトルネッ
ク効果、へテロプラスミー、ミトコンドリアDNAのコピー数、ミトコンドリアDNAの発
現とミトコンドリア機能、核とミトコンドリアの相互作用等)は十分に解明されておらず、
卵子またはヒト受精胚への核置換技術を用いることにより、これらの知見が得られること
が期待される。
・これらの知見は、原始線条出現(又は 14 日)までの間の研究でも得られる可能性がある。
・受精胚核置換及び卵子間核置換では、細胞質(ミトコンドリア含む)がわずかに持ち込まれ
ることが報告されており、ゲノム編集技術と同様、核置換に関する関連技術精度を高めるこ
となどを目的とする研究が引き続き必要になると考えられる。
(代替不可能性)
・ミトコンドリアDNA変異で起きるミトコンドリア病については、技術的制約からヒトの病
的変異を精緻に再現する疾患モデル動物が現時点ではいない。
・初期胚におけるボトルネック効果等のミトコンドリアの機能・動態は、ミトコンドリア機能
が発達していないES細胞やiPS細胞では十分に研究できない可能性がある。
(海外の状況)
・英国においてはミトコンドリア病の予防のため、受精胚核置換及び卵子間核置換の臨床利用
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