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参考資料3○先進医療技術の科学的評価等について (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00063.html
出典情報 先進医療会議(第127回 12/7)《厚生労働省》
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22

ヒアルロン酸を用いた生理
学的精子選択術

23 子宮内膜受容能検査1

24 子宮内細菌叢検査1

不妊症(卵管性不妊、男性不
妊、機能性不妊又は一般不妊治
療が無効であるものであって、
これまで反復して着床又は妊娠
に至っていない患者に係るもの
に限る。)

1)対象及びランダム化
・ICSI 適応患者で、ICSI 後に反復流産や着床不全がみられた患者。または、夫が奇形精子症の
患者を対象とする。説明後同意が得られた対象をICSI 群とPICSI 群の2 群にランダムに振り分け
る。
2)卵子・精子の処理
・採卵の3 時間後にヒアルロニダーゼを使用して裸化を行い。第一極体が放出されている卵子を成
熟卵とし、ICSI の対象とする。
・採卵の朝に採精してもらい15~30 分液化させた後マクラーカウンティングチャンバーで一般精液
検査を行う。正常形態率は精液の塗抹標本作成後にDiff-Quik で染色を行い、strict criteria に準じ
て求める。
・精子の処理はIsolate2 層法で行い、再度洗浄した後に沈渣を0.5ml に調整してインキュベートし
ておく。
3)HBA アッセイ
・調整後精子はICSI の前にHBA○R Assay を使用してHBA スコアを求める。
・ヒアルロン酸がコーティングされているスライドガラスに調整後精子を5~10μl滴下し、カバーガラ
スを被せる。
・室温またはインキュベーターでしばらく静置し、ヒアルロン酸に結合している運動精
子の割合を求める。
4)ICSI 手技と胚培養
・精子の選別、不動化、インジェクションピペット内への充填はICSI 群ではPVP をPICSI 群では
SpermSlowTM を使用する。
・ICS 群の精子選別は、PVP の上端まで泳ぎ上がった中で形態の良好な精子を培養士が目で見
て行う。
・PICSI 群の精子選別は、SpermSlowTM とGamete Buffer のドロップの境界でヒアルロン酸の3
次元ネット構造に捕まり限りなくゆっくり動いている精子を選んでいく。
・精子の注入を終えた卵子は、single step medium を使用し30μlでドロップ培養を行う。
5)胚凍結と胚移植
・培養5 日目から6 日目に胚盤胞になった胚をvitrification 法で凍結保存する。
・胚移植は原則として凍結融解単一胚移植にて行い、移植の際はグレードの高い胚盤胞から優先
的に移植し両群に偏りが生じないように注意して行う。
6)評価項目と評価タイミング
・評価する項目と評価するタイミングは以下の通り行う。
① Day1 正常受精の確認。雌性前核と雄性前核の両方が確認できた胚(2PN 胚)を正常受精卵と
判断する。受精率は、正常受精卵数/MⅡ卵子数×100 (%)で算出する。
② Day3 形態評価によりグレード1 胚率を求める。Veeck の分類に基づきDay3 における胚の分
割速度も考慮し、割球の数は6 細胞以上、割球の大きさが均等でfragment の無い胚をグレード1
胚とする。グレード1 胚率は、グレード1 胚数/正常受精卵数×100 (%)で算出する。
③ Day5 Gardner の分類に基づき、胚盤胞の形態評価を行う。3BB 以上の胚盤胞へ発生した割
合を求める。胚盤胞到達率は、3BB 以上の胚盤胞数/継続培養数×100 (%)で算出する。
④ 妊娠率と流産率
移植後14 日目前後の血中hCG 濃度が陽性で、移植から6~8 週の時点で胎嚢(GS)が確認でき
た時点で臨床的妊娠と判断し、妊娠率を求める。妊娠率は、臨床的妊娠数/移植数×100 (%)で算

する。臨床的妊娠後、流産が起きた場合は流産率として記録する。流産率は、流産数/臨床的妊娠
数×100 (%)で算出する。
⑤HBA スコア
処理後の精子をICSI またはPICSI に使用する前にHBA○R Assay を用いてHBA スコアを求め
る。
HBA スコアは合計で200 個の精子をカウントし、ヒアルロン酸に結合した運動精子/ヒアルロン酸に
結合した運動精子+ヒアルロン酸に結合していない運動精子×100(%)で算出する。

令4.4.1

不妊症(卵管性不妊、男性不
妊、機能性不妊又は一般不妊治
療が無効であるものであって、
これまで反復して着床又は妊娠
に至っていない患者に係るもの
に限る。)

吸引用子宮カテーテルを用いて、子宮内膜を採取する。
ホルモン補充周期の場合は、エストロゲン投与により一定の厚さに子宮内膜を肥厚
させ、その後、プロゲステロン投与開始後6 日目(120 時間目)で子宮内膜採取を行
う。自然採卵周期の場合はLHサージ後7 日目またはhCG 投与後の6 日目に採取する
が、自然周期では、血中LH が不規則に上昇する症例もあり、医師により判断が異な
る症例があるため、ホルモン補充周期のみでERAを実施とする。
採取した子宮内膜を検体とし、次世代シークエンサーをもちいて236 遺伝子を網羅
的に解析し、内膜組織がReceptive(受容期)かNon-receptive(非受容期)かを評価
する。
また、Non-receptive の際はどのくらいReceptive までに差があるかも評価を行う。
子宮内膜が着床を受容する期間に周期を同期させ、胚移植を行うことで着床率の向
上を目指す。

令4.4.1

慢性子宮内膜炎が疑われるもの

検査は外来検査である。子宮体部がん検診のように子宮内から内膜を吸引して提
出する。検査のタイミングとしては、受精卵が着床する時期の細菌叢を調べること
を目的としているため、月経周期の15−25 日頃の黄体ホルモン作用後を推奨してい
る。また、十分な検体量が得られるよう、内膜の厚さは7mm 以上が望ましい。
このような点に注意して行うため手技としては以下の方法で行う。
①経腟超音波にて子宮内膜厚を測定し、子宮の方向性を確認する。
②腟鏡診を腟に挿入し、腟内細菌の混入を防ぐため、腟内を生理食塩水を用いて洗
浄する。
③吸引式子宮内膜組織採取器を用いて、子宮内膜を含む子宮内腔液を採取する。
④採取した検体を検査試薬に注入し、10℃以下で4時間以上保存する。
⑤検体をクール便で検査会社に発送。
⑥検体到着後はDNA 抽出を行い、次世代シークエンサー(new generation
sequencer:NGS)を用いて、子宮内腔液に含まれる細菌の16S リボソーム RNA 解
析を行うことで、Lactobacillus 属の占める割合及び、その他細菌叢の分布を明らか
にする。

令4.4.1

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