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2022年度 病院の経営状況について (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/ |
出典情報 | 2022年度 病院の経営状況について(3/8)《福祉医療機構》 |
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2023-014
2022 年度の経常利益率は 3.7%であり、コロ
同様、1 床当たり医業費用の増加分が増収分を
ナ補助金収益をその計上先から除外 5 した経常
上回ったことによるものである。
まず収益面をみると、入院単価および外来単
利益率は△2.7%であった。また、2022 年 10 月
価は上昇したものの、病床利用率や 1 日平均入
に病床確保料の上限額の見直しもあり、コロナ
院・外来患者数が低下した。これによって、1 床
補助金収益率6は 0.3 ポイント低下した。9 割近
当たり医業収益は 453 千円の上昇にとどまった。 くの病院がコロナ患者の受入れを実施するなど、
次に、費用面をみると、医療材料費率や経費
第 7 波・第 8 波で増加したコロナ患者の対応を
率が上昇したことで、
1 床当たり事業費用は 832
率先して行っていたことと思われ、依然として
千円上昇した。物価高騰やコロナの影響による
コロナ補助金収益による経営への影響が大きい
医業費用の増加に対して、収益を確保できなか
ものと考える。
ったことが経営状況の悪化につながったと考え
2.2
られる。
(図表 4)2 か年度同一病院比較
入院料 1 算定病院の経営状況
令和 4 年度改定で新設された急性期充実体制
加算への移行が進むも、算定率は約 10%にと
どまる
急性期一般
急性期一般入院料 1
算定病院(n=263)
指
標
前節でみたとおり、急性期一般入院料 1 を算
2022
差
20222021
279.9 280.7
76.1
75.2
13.2
13.1
9.5
9.7
212.8 211.1
461.4 459.7
69,945 72,038
16,715 17,214
0.8
△ 0.8
△ 0.0
0.2
△ 1.7
△ 1.7
2,093
499
昇していた。この一因として、令和 4 年度改定
29,408 29,861
29,435 30,267
50.5
50.7
24.5
25.2
1.3
1.3
18.7
19.1
1.4
1.9
5.0
5.0
△ 0.1 △ 1.4
5.3
3.7
6.6
6.2
△ 1.3 △ 2.7
453
832
0.2
0.6
△ 0.0
0.4
0.5
0.0
△ 1.3
△ 1.6
△ 0.3
△ 1.3
ていくと、総合入院体制加算 1・2 は算定要件が
21.6
3.2
105.0
86.9
216.8
6,857
79.8
25.1
0.4
0.1
△ 1.2
0.6
△ 0.1
136
9.9
1.1
2021
病床数
床
病床利用率
%
在院日数
日
新患率
%
1 日平均入院患者数
人
1 日平均外来患者数
人
入院単価
円
外来単価
円
医業収益・費用の状況
千円
1 床当たり医業収益
千円
1 床当たり医業費用
人件費率
%
医療材料費率
%
給食材料費率
%
経費率
%
うち水道光熱費率
%
減価償却費率
%
医業利益率
%
経常利益率
%
コロナ補助金収益率
%
補助金収益を除外した経常利益率 %
従事者の状況
100 床当たり医師数(常勤)
人
100 床当たり医師数(非常勤)
人
100 床当たり看護師等数
人
100 床当たりその他従事者数
人
100 床当たり従事者数(計)
人
千円
従事者 1 人当たり人件費
コロナ患者受入実施病院割合
%
赤字病院割合
%
急性期一般入院料 1 の加算の算定状況
22.0
3.4
103.8
87.5
216.7
6,993
89.7
26.2
定する一般病院の入院単価および外来単価が上
がプラス改定であったことが関係していると考
えられる。本節では新設された加算も踏まえな
がら、算定状況をみていきたい(図表 5)。
2021 年度・2022 年度に共通する加算からみ
一部緩和されたにもかかわらず、算定率が 2021
年度からいずれも低下した。総合入院体制加算
は、総合的かつ専門的な急性期医療を提供する
一般病院を評価するものである。一方、令和 4 年
度改定では、高度かつ専門的な急性期医療の提
供体制に係る評価として急性期充実体制加算が
新設された。いずれも高度急性期・急性期医療
を評価する加算であることは共通しているが、
併算定することはできない。2022 年度の急性期
充実体制加算の算定率が 11.0%であったことか
ら、総合入院体制加算の算定率が下がったもの
5 補助金収益額は損益計算書では判別ができないことから、その網羅性や正確性には一定の留保が必要である。なお、補助金収益は複数
の区分に計上している場合もあるため、別途集計のうえ、その計上先の収益総額から除外している
6 コロナ補助金が経常収益に占める割合
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5
2022 年度の経常利益率は 3.7%であり、コロ
同様、1 床当たり医業費用の増加分が増収分を
ナ補助金収益をその計上先から除外 5 した経常
上回ったことによるものである。
まず収益面をみると、入院単価および外来単
利益率は△2.7%であった。また、2022 年 10 月
価は上昇したものの、病床利用率や 1 日平均入
に病床確保料の上限額の見直しもあり、コロナ
院・外来患者数が低下した。これによって、1 床
補助金収益率6は 0.3 ポイント低下した。9 割近
当たり医業収益は 453 千円の上昇にとどまった。 くの病院がコロナ患者の受入れを実施するなど、
次に、費用面をみると、医療材料費率や経費
第 7 波・第 8 波で増加したコロナ患者の対応を
率が上昇したことで、
1 床当たり事業費用は 832
率先して行っていたことと思われ、依然として
千円上昇した。物価高騰やコロナの影響による
コロナ補助金収益による経営への影響が大きい
医業費用の増加に対して、収益を確保できなか
ものと考える。
ったことが経営状況の悪化につながったと考え
2.2
られる。
(図表 4)2 か年度同一病院比較
入院料 1 算定病院の経営状況
令和 4 年度改定で新設された急性期充実体制
加算への移行が進むも、算定率は約 10%にと
どまる
急性期一般
急性期一般入院料 1
算定病院(n=263)
指
標
前節でみたとおり、急性期一般入院料 1 を算
2022
差
20222021
279.9 280.7
76.1
75.2
13.2
13.1
9.5
9.7
212.8 211.1
461.4 459.7
69,945 72,038
16,715 17,214
0.8
△ 0.8
△ 0.0
0.2
△ 1.7
△ 1.7
2,093
499
昇していた。この一因として、令和 4 年度改定
29,408 29,861
29,435 30,267
50.5
50.7
24.5
25.2
1.3
1.3
18.7
19.1
1.4
1.9
5.0
5.0
△ 0.1 △ 1.4
5.3
3.7
6.6
6.2
△ 1.3 △ 2.7
453
832
0.2
0.6
△ 0.0
0.4
0.5
0.0
△ 1.3
△ 1.6
△ 0.3
△ 1.3
ていくと、総合入院体制加算 1・2 は算定要件が
21.6
3.2
105.0
86.9
216.8
6,857
79.8
25.1
0.4
0.1
△ 1.2
0.6
△ 0.1
136
9.9
1.1
2021
病床数
床
病床利用率
%
在院日数
日
新患率
%
1 日平均入院患者数
人
1 日平均外来患者数
人
入院単価
円
外来単価
円
医業収益・費用の状況
千円
1 床当たり医業収益
千円
1 床当たり医業費用
人件費率
%
医療材料費率
%
給食材料費率
%
経費率
%
うち水道光熱費率
%
減価償却費率
%
医業利益率
%
経常利益率
%
コロナ補助金収益率
%
補助金収益を除外した経常利益率 %
従事者の状況
100 床当たり医師数(常勤)
人
100 床当たり医師数(非常勤)
人
100 床当たり看護師等数
人
100 床当たりその他従事者数
人
100 床当たり従事者数(計)
人
千円
従事者 1 人当たり人件費
コロナ患者受入実施病院割合
%
赤字病院割合
%
急性期一般入院料 1 の加算の算定状況
22.0
3.4
103.8
87.5
216.7
6,993
89.7
26.2
定する一般病院の入院単価および外来単価が上
がプラス改定であったことが関係していると考
えられる。本節では新設された加算も踏まえな
がら、算定状況をみていきたい(図表 5)。
2021 年度・2022 年度に共通する加算からみ
一部緩和されたにもかかわらず、算定率が 2021
年度からいずれも低下した。総合入院体制加算
は、総合的かつ専門的な急性期医療を提供する
一般病院を評価するものである。一方、令和 4 年
度改定では、高度かつ専門的な急性期医療の提
供体制に係る評価として急性期充実体制加算が
新設された。いずれも高度急性期・急性期医療
を評価する加算であることは共通しているが、
併算定することはできない。2022 年度の急性期
充実体制加算の算定率が 11.0%であったことか
ら、総合入院体制加算の算定率が下がったもの
5 補助金収益額は損益計算書では判別ができないことから、その網羅性や正確性には一定の留保が必要である。なお、補助金収益は複数
の区分に計上している場合もあるため、別途集計のうえ、その計上先の収益総額から除外している
6 コロナ補助金が経常収益に占める割合
Copyright ⓒ 2024Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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