よむ、つかう、まなぶ。
2020年度(令和2年度)医療法人の経営状況 (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r3/ |
出典情報 | 2020年度(令和2年度)医療法人の経営状況(3/16)《福祉医療機構》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
2021-016
5.2
て 2019 年度損益差額割合と比べて低下し、コ
無床診療所
すべての診療科で経常利益率が低下したとみ
られ、特に耳鼻咽喉科で厳しい経営状況
ロナ禍によって幅広い診療科で経営状況が悪化
したとみられる。
特に耳鼻咽喉科については、経常利益率の低
2020 年度の医療法人立の無床診療所の経営
下幅が大きく、同科のみ赤字施設が半数を超え
状況について、主たる診療科別にまとめた(図
ているほか、労働分配率の高さから分かる事業
表 12)。
収益の相対的な少なさも目立つ。これに加えて、
事業利益率は小児科と耳鼻咽喉科でマイナス
経費率が他科と比べて高くなっており、事業収
となり、厳しい経営状況がうかがえる。
益に占める費用全体の割合が大きい点も同科の
そして経常利益率は、すべての診療科におい
(図表 12)2020 年度
区
特徴である。
医療法人立の無床診療所の経営状況
内科
n=388
分
外来診療日数
1 日当たり外来患者数
新患率
外来患者に占める遠隔診療患者の割合
外来患者 1 人 1 日当たり事業収益
人件費率
材料費率
経費率
減価償却費率
費用率
事業収益対事業利益率
経常収益対経常利益率
労働分配率
経常収益対支払利息率
赤字施設割合
(参考)2019 年度 損益差額割合
日
人
%
%
円
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
皮膚科
n=61
265.1
49.0
10.3
0.2
11,969
32.6
15.0
48.4
4.1
100.0
0.0
3.2
100.0
0.5
39.7
5.8
247.7
93.3
12.4
0.1
5,414
27.3
12.6
50.9
4.9
95.7
4.3
5.9
86.3
0.5
27.9
9.9
主たる診療科別
小児科
n=80
266.7
52.3
9.7
0.4
9,336
26.5
22.9
49.6
2.6
101.6
△ 1.6
2.6
106.4
0.3
45.0
4.2
整形外科
n=188
262.6
128.5
6.6
0.0
5,268
35.2
13.9
45.1
4.2
98.3
1.7
3.0
95.4
0.4
39.9
6.0
耳鼻咽喉科
n=71
251.5
72.1
12.7
0.0
6,133
25.6
12.8
69.1
4.1
111.6
△ 11.6
△ 5.4
182.4
0.6
56.3
3.8
注)複数の診療科を標榜する場合、もっとも収益の多い診療科を主たる診療科として分類した
おわりに
人は少なくない。
本稿では、2020 年度の医療法人の経営状況に
なお、医療法人立の診療所の経営状況につい
ついて、2019 年度との比較ならびに事業収益規
て、本稿では単年度のデータのみであったが、
模別、事業主体別および黒字・赤字法人別等の
今後は二か年度の比較等に基づく、より詳しい
比較により分析した。さらに今回新たに、医療
分析をできればと考えている。
法人立の診療所の経営状況についても分析を試
今後を見据えると、補助金等のコロナ対応に
みた。
係る特例措置の終了や、高齢化による医療・介
全体として、事業収益の減少を補助金等によ
護ニーズの増加といった経営環境の変化が訪れ
りカバーすることで経常利益を確保している構
る。安定した収益の確保のためには、病院、老健
図が確認できた。一方で、病院主体医療法人を
および診療所といった自法人内の各施設におけ
中心に全体の赤字法人割合は拡大しており、コ
るサービス提供の機能と地域内での役割を常に
ロナ禍前と比べて厳しい経営状況にある医療法
見直すとともに、地域の他法人等と連携を進め、
Copyright ⓒ 2022Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
11
5.2
て 2019 年度損益差額割合と比べて低下し、コ
無床診療所
すべての診療科で経常利益率が低下したとみ
られ、特に耳鼻咽喉科で厳しい経営状況
ロナ禍によって幅広い診療科で経営状況が悪化
したとみられる。
特に耳鼻咽喉科については、経常利益率の低
2020 年度の医療法人立の無床診療所の経営
下幅が大きく、同科のみ赤字施設が半数を超え
状況について、主たる診療科別にまとめた(図
ているほか、労働分配率の高さから分かる事業
表 12)。
収益の相対的な少なさも目立つ。これに加えて、
事業利益率は小児科と耳鼻咽喉科でマイナス
経費率が他科と比べて高くなっており、事業収
となり、厳しい経営状況がうかがえる。
益に占める費用全体の割合が大きい点も同科の
そして経常利益率は、すべての診療科におい
(図表 12)2020 年度
区
特徴である。
医療法人立の無床診療所の経営状況
内科
n=388
分
外来診療日数
1 日当たり外来患者数
新患率
外来患者に占める遠隔診療患者の割合
外来患者 1 人 1 日当たり事業収益
人件費率
材料費率
経費率
減価償却費率
費用率
事業収益対事業利益率
経常収益対経常利益率
労働分配率
経常収益対支払利息率
赤字施設割合
(参考)2019 年度 損益差額割合
日
人
%
%
円
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
皮膚科
n=61
265.1
49.0
10.3
0.2
11,969
32.6
15.0
48.4
4.1
100.0
0.0
3.2
100.0
0.5
39.7
5.8
247.7
93.3
12.4
0.1
5,414
27.3
12.6
50.9
4.9
95.7
4.3
5.9
86.3
0.5
27.9
9.9
主たる診療科別
小児科
n=80
266.7
52.3
9.7
0.4
9,336
26.5
22.9
49.6
2.6
101.6
△ 1.6
2.6
106.4
0.3
45.0
4.2
整形外科
n=188
262.6
128.5
6.6
0.0
5,268
35.2
13.9
45.1
4.2
98.3
1.7
3.0
95.4
0.4
39.9
6.0
耳鼻咽喉科
n=71
251.5
72.1
12.7
0.0
6,133
25.6
12.8
69.1
4.1
111.6
△ 11.6
△ 5.4
182.4
0.6
56.3
3.8
注)複数の診療科を標榜する場合、もっとも収益の多い診療科を主たる診療科として分類した
おわりに
人は少なくない。
本稿では、2020 年度の医療法人の経営状況に
なお、医療法人立の診療所の経営状況につい
ついて、2019 年度との比較ならびに事業収益規
て、本稿では単年度のデータのみであったが、
模別、事業主体別および黒字・赤字法人別等の
今後は二か年度の比較等に基づく、より詳しい
比較により分析した。さらに今回新たに、医療
分析をできればと考えている。
法人立の診療所の経営状況についても分析を試
今後を見据えると、補助金等のコロナ対応に
みた。
係る特例措置の終了や、高齢化による医療・介
全体として、事業収益の減少を補助金等によ
護ニーズの増加といった経営環境の変化が訪れ
りカバーすることで経常利益を確保している構
る。安定した収益の確保のためには、病院、老健
図が確認できた。一方で、病院主体医療法人を
および診療所といった自法人内の各施設におけ
中心に全体の赤字法人割合は拡大しており、コ
るサービス提供の機能と地域内での役割を常に
ロナ禍前と比べて厳しい経営状況にある医療法
見直すとともに、地域の他法人等と連携を進め、
Copyright ⓒ 2022Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
11