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2022年度 社会福祉法人の経営状況について (4 ページ)
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公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/ |
出典情報 | 2022年度 社会福祉法人の経営状況について(3/18)《福祉医療機構》 |
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2023-015
各費用率の内訳をみると、3 類型とも共通の
過去のレポートでは、事業規模別3に区分して分
傾向として、人件費率は横ばいで、経費率が上
析しているが、本稿では、事業規模に設立経過
昇したことが挙げられる。経費率の上昇は、前
年数をくわえたクロス集計により、介護主体法
述したとおり物価高騰の影響によるものだが、
人のサービス活動増減差額比率をみていきたい
人件費率が横ばいなのはなぜだろうか。
(図表 4)。
まず、従事者 1 人当たり人件費をみると、ど
なお、表中の括弧書きは、それぞれの区分の
の類型も一定程度上昇している。近年、処遇改
サンプル数だが、区分によってサンプル数に一
善の加算が新設され、それら加算の算定率が上
定程度の偏りがある点には留意が必要である。
昇したことにより、処遇改善の成果が着実に表
まず、横軸の事業規模に着目すると、
「12 億円
れていると解するべきであろう。それでも人件
以上」のサービス活動増減差額比率は、0.2~
費率が横ばいなのは、従事者 1 人当たりサービ
2.3%のプラス値となっている。一定程度の事業
ス活動収益が上昇したことが主因である。そし
規模になると、経営が安定化する傾向がうかが
て、その増収の多くは、処遇改善加算の算定に
える。ただし、それほど高いプラス値ではない
よる影響が大きいと思われる。
ことから、事業規模が大きくなれば収益性が高
まるとまでは言えないのかもしれない。多数の
2.2
介護主体法人の経営状況
施設を運営したり、大規模施設を複数運営する
設立経過年数が長くなるほど、サービス活動
増減差額比率は低下傾向
ことで、いずれかの施設が不振であっても、法
前節において、介護主体法人の経営状況は悪
いだろうか。
人全体で何とかカバーしているのが実情ではな
化傾向であることが確認できたが、それはあく
一方、
「3 億円未満」の区分は、ほぼマイナス
までも平均値である。当然のことながら、経営
値となっている。そのなかでも唯一のプラス値
状況が良い法人もあれば、悪い法人もある。経
であった「10 年未満」のデータを確認したとこ
営状況の良し悪しには、事業規模、運営してい
ろ、人件費率が 63.9%、従事者 1 人当たり人件
る施設・事業など様々な要素が影響している。
費は 3,661 千円であった。これは、図表 3 の介
(図表 4)2022 年度 介護主体法人のサービス活動増減差額比率(事業規模×設立経過年数)
3 億円未満
n=373
3 億円以上
6 億円未満
n=958
6 億円以上
9 億円未満
n=691
9 億円以上
12 億円未満
n=388
12 億円以上
n=851
10 年未満
n=317
0.3%
(121)
1.7%
(141)
1.6%
(33)
3.7%
(12)
0.2%
(10)
10 年以上 20 年未満
n=781
△0.4%
(154)
1.1%
(303)
1.5%
(135)
2.4%
(91)
2.3%
(98)
20 年以上 30 年未満
n=1,049
△5.0%
(69)
△2.2%
(297)
△0.1%
(279)
0.6%
(132)
1.9%
(272)
30 年以上 40 年未満
n=431
△9.3%
(14)
△3.2%
(94)
△1.8%
(83)
△0.7%
(63)
1.2%
(177)
40 年以上 50 年未満
n=453
△1.5%
(9)
△2.2%
(95)
△1.1%
(112)
0.1%
(61)
1.1%
(176)
50 年以上
n=230
△7.2%
(6)
△3.5%
(28)
△1.9%
(49)
△1.2%
(29)
0.3%
(118)
事業規模
設立経過年数
注)表中の括弧書きは、区分毎のサンプル数である(以下記載がない場合同じ)
3 福祉医療機構「2020 年度 社会福祉法人の経営状況について」https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/220228_No013.pdf
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各費用率の内訳をみると、3 類型とも共通の
過去のレポートでは、事業規模別3に区分して分
傾向として、人件費率は横ばいで、経費率が上
析しているが、本稿では、事業規模に設立経過
昇したことが挙げられる。経費率の上昇は、前
年数をくわえたクロス集計により、介護主体法
述したとおり物価高騰の影響によるものだが、
人のサービス活動増減差額比率をみていきたい
人件費率が横ばいなのはなぜだろうか。
(図表 4)。
まず、従事者 1 人当たり人件費をみると、ど
なお、表中の括弧書きは、それぞれの区分の
の類型も一定程度上昇している。近年、処遇改
サンプル数だが、区分によってサンプル数に一
善の加算が新設され、それら加算の算定率が上
定程度の偏りがある点には留意が必要である。
昇したことにより、処遇改善の成果が着実に表
まず、横軸の事業規模に着目すると、
「12 億円
れていると解するべきであろう。それでも人件
以上」のサービス活動増減差額比率は、0.2~
費率が横ばいなのは、従事者 1 人当たりサービ
2.3%のプラス値となっている。一定程度の事業
ス活動収益が上昇したことが主因である。そし
規模になると、経営が安定化する傾向がうかが
て、その増収の多くは、処遇改善加算の算定に
える。ただし、それほど高いプラス値ではない
よる影響が大きいと思われる。
ことから、事業規模が大きくなれば収益性が高
まるとまでは言えないのかもしれない。多数の
2.2
介護主体法人の経営状況
施設を運営したり、大規模施設を複数運営する
設立経過年数が長くなるほど、サービス活動
増減差額比率は低下傾向
ことで、いずれかの施設が不振であっても、法
前節において、介護主体法人の経営状況は悪
いだろうか。
人全体で何とかカバーしているのが実情ではな
化傾向であることが確認できたが、それはあく
一方、
「3 億円未満」の区分は、ほぼマイナス
までも平均値である。当然のことながら、経営
値となっている。そのなかでも唯一のプラス値
状況が良い法人もあれば、悪い法人もある。経
であった「10 年未満」のデータを確認したとこ
営状況の良し悪しには、事業規模、運営してい
ろ、人件費率が 63.9%、従事者 1 人当たり人件
る施設・事業など様々な要素が影響している。
費は 3,661 千円であった。これは、図表 3 の介
(図表 4)2022 年度 介護主体法人のサービス活動増減差額比率(事業規模×設立経過年数)
3 億円未満
n=373
3 億円以上
6 億円未満
n=958
6 億円以上
9 億円未満
n=691
9 億円以上
12 億円未満
n=388
12 億円以上
n=851
10 年未満
n=317
0.3%
(121)
1.7%
(141)
1.6%
(33)
3.7%
(12)
0.2%
(10)
10 年以上 20 年未満
n=781
△0.4%
(154)
1.1%
(303)
1.5%
(135)
2.4%
(91)
2.3%
(98)
20 年以上 30 年未満
n=1,049
△5.0%
(69)
△2.2%
(297)
△0.1%
(279)
0.6%
(132)
1.9%
(272)
30 年以上 40 年未満
n=431
△9.3%
(14)
△3.2%
(94)
△1.8%
(83)
△0.7%
(63)
1.2%
(177)
40 年以上 50 年未満
n=453
△1.5%
(9)
△2.2%
(95)
△1.1%
(112)
0.1%
(61)
1.1%
(176)
50 年以上
n=230
△7.2%
(6)
△3.5%
(28)
△1.9%
(49)
△1.2%
(29)
0.3%
(118)
事業規模
設立経過年数
注)表中の括弧書きは、区分毎のサンプル数である(以下記載がない場合同じ)
3 福祉医療機構「2020 年度 社会福祉法人の経営状況について」https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/220228_No013.pdf
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