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2022年度 社会福祉法人の経営状況について (5 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/
出典情報 2022年度 社会福祉法人の経営状況について(3/18)《福祉医療機構》
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2023-015

護主体法人の平均と比べると、かなり低い水準

まず、先ほどの介護主体法人とは異なり、サ

である。業歴が浅ければ職員の勤続年数はおの

ービス活動増減差額比率がマイナス値の法人は

ずと短くなることから、1 人当たりの人件費が

明らかに少ないことがわかる。しかし、そのな

一定程度は抑制されていると思われる。

かでも事業規模が「1 億円未満」の区分は、ほぼ

図表 4 からもう一つ読み取れる特徴としては、 マイナス値となっている。この区分の法人属性
縦軸の設立経過年数が長いほうが、経営状況が

だが、機構の経営分析参考指標(以下「参考指

悪い法人が多い点ではないだろうか。「50 年以

標」という。)を基に推測4すると、1 法人 1 施設

上」のデータをみると、人件費率は 68.3%、従

で、かつ小規模な保育所が大半となる。そこで、

事者 1 人当たり人件費は 4,441 千円であった。

施設単位の経営状況に着目し、保育所の参考指

先ほどの「10 年未満」とは対照的に、業歴が長

標を確認したところ、全体の利用率は 97.5%で

くなれば、定期昇給等により 1 人当たりの人件

ある一方、事業規模 1 億円未満の利用率は

費は上昇する。その分、経験豊富な職員が充実

83.7%と大きな乖離がみられた。したがって、図

したサービスを提供していることは想像に難く

表 5 の「1 億円未満」の保育主体法人も、唯一

ないが、そうした経験年数を評価する加算だけ

運営している保育所の利用率が低迷し、それが

では、人件費の増加分を賄えていないのではな

経営に直結している可能性が考えられる。

いだろうか。介護主体法人にとって、人材確保

また、事業規模が上位区分になるにしたがい、

と経営安定化の両立は、相当に困難なミッショ

サービス活動増減差額比率が高くなっているよ

ンであることが推察される。

うにみえる。保育主体法人の運営施設の多くは
保育所だが、施設種類で比較すると、特別養護

2.3

保育主体法人の経営状況

老人ホーム等の介護施設よりも経営状況は安定

事業規模 1 億円未満の区分は、サービス活動
増減差額比率が低い傾向

している。そうした施設を複数運営することで、
収益性が向上した可能性が考えられる。
この他にも、先ほどの介護主体法人ほど明確

前節と同じクロス集計で、保育主体法人の経

ではないにせよ、事業規模が同一の区分であれ

営状況を確認していく(図表 5)


(図表 5)2022 年度 保育主体法人のサービス活動増減差額比率(事業規模×設立経過年数)
1 億円未満
n=163

1 億円以上
2 億円未満
n=1,158

2 億円以上
3 億円未満
n=617

3 億円以上
4 億円未満
n=413

4 億円以上
5 億円未満
n=243

5 億円以上
n=576

10 年未満
n=380

1.9%

(44)

5.3%

(201)

5.3%

(60)

7.2%

(33)

5.6%

(20)

7.0%

(22)

10 年以上 20 年未満
n=620

△1.8%

(18)

2.0%

(251)

4.5%

(112)

4.2%

(88)

5.6%

(43)

4.8%

(108)

20 年以上 30 年未満
n=268

△5.6%

(14)

1.9%

(69)

3.3%

(49)

4.7%

(31)

5.4%

(29)

4.8%

(76)

30 年以上 40 年未満
n=136

△0.1%

(5)

2.7%

(37)

3.5%

(29)

4.5%

(23)

4.8%

(10)

6.8%

(32)

40 年以上 50 年未満
n=1,116

△0.6%

(48)

2.6%

(393)

2.8%

(245)

3.8% (147)

4.8%

(97)

4.7%

(186)

50 年以上
n=650

△1.6%

(34)

1.6%

(207)

2.5%

(122)

3.2%

4.0%

(44)

2.9%

(152)

事業規模
設立経過年数

(91)

4 2022 年度決算の保育所のうち、
「定員 20 人以上 60 人以下」のサービス活動収益の平均は 106,258 千円

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