よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


2022年度 社会福祉法人の経営状況について (6 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/
出典情報 2022年度 社会福祉法人の経営状況について(3/18)《福祉医療機構》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

2023-015

ば、設立経過年数が長くなるほど、サービス活

成するサービスの多様性が影響している可能性

動増減差額比率が低下する傾向がみてとれる。

が考えられる。つまり、本稿の分析対象データ

このことから、業歴が長くなるにつれて、従事

には、介護主体法人であれば特別養護老人ホー

者 1 人当たりの人件費が上昇し、それが経営状

ム、保育主体法人であれば保育所など、機構の

況に影響するという傾向は、保育主体法人も同

貸付先に多い主要な施設種類が存在している。

様であることがうかがわれる。

一方、障害主体法人には、入所系の障害者支援

なお、保育主体法人のサービス活動増減差額

施設、居住系の共同生活援助、日中活動系の就

比率はプラス値の区分が多かったが、少子化や

労継続支援 B 型事業所、児童系の放課後等デイ

受け皿整備に伴う待機児童数の減少により、中

サービスなど、数多くの施設・事業に対する融

長期的な経営環境の見通しが良いとは言えない。 資を行っている。
地域ニーズの変化を見極めながら、自法人に求

そうした障害福祉サービス等の経営状況だが、

められる役割に応じた柔軟な運営が求められる

参考指標をみると、サービスによって相応の差

であろう。

が生じている。また、国の調査結果5をみても、
そうした状況は同様である。障害福祉サービス

2.4

障害主体法人の経営状況

には、サービス活動増減差額比率が高いものか

事業規模や設立経過年数によって目立った傾
向はみられず、運営している施設・事業によ
って経営状況は異なる模様

ら低いものまで、複数のサービスを一体的に実
施する多機能型事業所も多い。そのため、事業
規模や設立経過年数といった区分だけでは、そ
れほど傾向が表れなくなっているのではないだ

続いて、同じクロス集計により、障害主体法

ろうか。

人の経営状況をみていく(図表 6)


ただし、事業規模 6 億円以上の区分になると、

前節までの介護・保育主体法人とは様相が異

マイナス値はないことから、事業規模が大きく

なり、むしろ明確な傾向がみえてこないのが特

なれば、経営の安定化に資する傾向は同様であ

徴的ではないだろうか。

ると言えそうだ。また、設立経過年数 20 年未満

この要因としては、障害主体法人の収支を構

(図表 6)2022 年度 障害主体法人のサービス活動増減差額比率(事業規模×設立経過年数)
事業規模
設立経過年数

3 億円以上
6 億円未満
n=325

3 億円未満
n=533

6 億円以上
9 億円未満
n=189

9 億円以上
n=303

10 年未満
n=94

4.4%

(69)

5.8%

(18)

1.6%

(5)

2.0%

(2)

10 年以上 20 年未満
n=299

1.8%

(224)

2.7%

(50)

3.7%

(19)

2.8%

(6)

20 年以上 30 年未満
n=392

△0.1%

(174)

2.0%

(123)

1.2%

(49)

2.9%

(46)

30 年以上 40 年未満
n=203

0.8%

(31)

△1.1%

(63)

0.1%

(44)

1.5%

(65)

40 年以上 50 年未満
n=159

1.0%

(20)

0.1%

(37)

2.3%

(35)

1.9%

(67)

50 年以上
n=203

△0.5%

(15)

2.5%

(34)

1.6%

(37)

1.4%

(117)

5 厚生労働省「令和 5 年障害福祉サービス等経営実態調査結果」https://www.mhlw.go.jp/houdou/2023/11/dl/h1115-1.pdf

Copyright ⓒ 2024Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.

6