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2022年度 社会福祉法人の経営状況について (7 ページ)
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公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/ |
出典情報 | 2022年度 社会福祉法人の経営状況について(3/18)《福祉医療機構》 |
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2023-015
にもマイナス値がなく、こちらも従事者 1 人当
(図表 7)1 法人当たり従事者数の推移
たり人件費の低さが影響している可能性が考え
125.0 (人)
られる。
120.5 119.9
120.0
3
人材確保の状況
3.1
112.2
115.0
従事者数の推移
111.1
従事者数は近年増加傾向が続いていたが、
2022 年度はわずかに減少に転じる
109.6
110.0
106.9
105.0
本章からは、2022 年度の人材確保の状況につ
99.9
いて、社会福祉法人全体および主たる事業別に
100.8
100.0
確認する。
まず、1 法人当たりの従事者数の推移からみ
(年度)
95.0
2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
ていきたい(図表 7)
。近年の従事者数は、増加
傾向が続いていた。
この増加傾向には、様々な背景が考えられる。
3.2
一つ目は、介護・障害分野を中心として、利用者
主たる事業別の採用率・離職率
採用率は年々低下し、2022 年度には介護主体
法人の離職率が採用率をわずかに上回る
側の需要は増加し続けていることから、それに
応える形でサービス供給側の人員も増加してい
ること。二つ目は、福祉ニーズの多様化にきめ
本節では、直近 5 か年度でデータが揃ってお
細やかに対応するため、介護助手など多様な人
り、主たる事業が変わらない法人の採用率6およ
材の活用が促進されていること。三つ目は、近
び離職率7を確認していく(図表 8)
。
年、社会福祉法人の連携や協働化とともに、大
まず、全体を俯瞰してみると、採用率・離職率
規模化の対応を推進しやすい環境整備が図られ
ともに介護主体法人の数値が高いことがわかる。
てきたこと。これらが複合要因となって、従事
かねてより介護業界の人材不足は深刻な状況と
者数は増加していると思われる。
言われているが、離職率は他の区分よりも 3 ポ
ところが、従事者数は 2021 年度の 120.5 人
イント程度高く、人材の入れ替わりが激しいよ
から、2022 年度は 119.9 人と減少に転じた。減
うだ。
少幅はわずかだが、これまでとはベクトルの異
採用率の推移をみると、どの区分も低下が続
なる動きである。この要因は、福祉業界でもっ
いているが、とりわけ 2020 年度の低下幅が大
とも大きな経営課題の一つである「人材確保難」
きい。コロナ禍初期には雇用の流動化が一時的
が影響している可能性が考えられる。そこで、
に停滞し、転職者数が減少8したことから、福祉
次節からは主たる事業別の要素も含め、もう少
分野にもその影響が波及したのであろう。そし
し詳しくみていきたい。
て、2022 年度以降から現在に至るまで、30 年
振りの高水準の賃上げ率を背景として、人材の
奪い合いが激しくなっている。また、前述のと
6 採用率=当該年度に採用した常勤換算後従事者数/当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後従事者数
7 離職率=当該年度に離職した常勤換算後従事者数/当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後従事者数
8 厚生労働省「令和 5 年度版労働経済白書」https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
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7
にもマイナス値がなく、こちらも従事者 1 人当
(図表 7)1 法人当たり従事者数の推移
たり人件費の低さが影響している可能性が考え
125.0 (人)
られる。
120.5 119.9
120.0
3
人材確保の状況
3.1
112.2
115.0
従事者数の推移
111.1
従事者数は近年増加傾向が続いていたが、
2022 年度はわずかに減少に転じる
109.6
110.0
106.9
105.0
本章からは、2022 年度の人材確保の状況につ
99.9
いて、社会福祉法人全体および主たる事業別に
100.8
100.0
確認する。
まず、1 法人当たりの従事者数の推移からみ
(年度)
95.0
2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
ていきたい(図表 7)
。近年の従事者数は、増加
傾向が続いていた。
この増加傾向には、様々な背景が考えられる。
3.2
一つ目は、介護・障害分野を中心として、利用者
主たる事業別の採用率・離職率
採用率は年々低下し、2022 年度には介護主体
法人の離職率が採用率をわずかに上回る
側の需要は増加し続けていることから、それに
応える形でサービス供給側の人員も増加してい
ること。二つ目は、福祉ニーズの多様化にきめ
本節では、直近 5 か年度でデータが揃ってお
細やかに対応するため、介護助手など多様な人
り、主たる事業が変わらない法人の採用率6およ
材の活用が促進されていること。三つ目は、近
び離職率7を確認していく(図表 8)
。
年、社会福祉法人の連携や協働化とともに、大
まず、全体を俯瞰してみると、採用率・離職率
規模化の対応を推進しやすい環境整備が図られ
ともに介護主体法人の数値が高いことがわかる。
てきたこと。これらが複合要因となって、従事
かねてより介護業界の人材不足は深刻な状況と
者数は増加していると思われる。
言われているが、離職率は他の区分よりも 3 ポ
ところが、従事者数は 2021 年度の 120.5 人
イント程度高く、人材の入れ替わりが激しいよ
から、2022 年度は 119.9 人と減少に転じた。減
うだ。
少幅はわずかだが、これまでとはベクトルの異
採用率の推移をみると、どの区分も低下が続
なる動きである。この要因は、福祉業界でもっ
いているが、とりわけ 2020 年度の低下幅が大
とも大きな経営課題の一つである「人材確保難」
きい。コロナ禍初期には雇用の流動化が一時的
が影響している可能性が考えられる。そこで、
に停滞し、転職者数が減少8したことから、福祉
次節からは主たる事業別の要素も含め、もう少
分野にもその影響が波及したのであろう。そし
し詳しくみていきたい。
て、2022 年度以降から現在に至るまで、30 年
振りの高水準の賃上げ率を背景として、人材の
奪い合いが激しくなっている。また、前述のと
6 採用率=当該年度に採用した常勤換算後従事者数/当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後従事者数
7 離職率=当該年度に離職した常勤換算後従事者数/当該年度の 10 月 1 日時点の常勤換算後従事者数
8 厚生労働省「令和 5 年度版労働経済白書」https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
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