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重篤副作用疾患別対応マニュアル 重症高血圧 令和5年12月 (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/tp1122-1k.html
出典情報 重篤副作用疾患別対応マニュアル 重症高血圧(2023年12月)《厚生労働省》
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アルドステロン、カテコールアミン、BNP・NTproBNP、トロポニン
測定のための採血
▲STEP2

高血圧緊急症の原因薬剤の検索

高血圧の診断・治療歴、交感神経作動薬ほかの服薬について、詳細な調査を行
う。褐色細胞腫を背景とする場合は、ドパミン受容体拮抗薬(メトクロプラミ
ド)、グルカゴン、β遮断薬単独投与、三環系抗うつ薬、SNRI、MAO 阻害薬、
高用量デキサメタゾン(2 mg 以上)
、造影剤の使用、化学療法などを契機に高
血圧クリーゼとなる場合がある。 一般に、重度の血圧上昇をきたす可能性が
ある主な原因薬剤は以下のとおりである。
(1)

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs;NSAIDs)
は、シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)を阻害し、アラキドン酸か
らプロスタグランジンが産生されるのを抑制する。プロスタグランジン E2 は、
腎集合管における抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone:ADH)に対する反応
の調節とヘンレループにおける Na の再吸収の抑制、腎エンドセリン 1(ET1)
の産生抑制によって、水や Na の再吸収を抑制しているが、NSAIDs によって阻
害されると Na や水の貯留をきたす。腎血管拡張も阻害されるため腎血流は低
下し、腎機能悪化とともに高血圧緊急症をきたしうる。
(2)

甘草,グリチルリチン

甘草は慢性肝疾患治療薬のほか、多くの漢方エキス剤に含まれている。有効
成分グリチルリチンの代謝産物であるグリチルレチン酸やグリチルレチン酸
産物は 11β水酸化ステロイド脱水素酵素を阻害するため、コルチゾールがコ
ルチゾンに変換されず過剰となり、腎ミネラルコルチコイド受容体との高い
親和性のために作用が増強され偽性アルドステロン症をきたす。低 K 血症、
低レニン活性、血漿アルドステロン低値の高血圧では、偽性アルドステロン症
を疑う。

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