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資料1-2 後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会報告書(案) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40330.html
出典情報 後発医薬品の安定供給等の実現に向けた 産業構造のあり方に関する検討会(5/22)《厚生労働省》
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いて、いわゆる総価取引7の際の調整弁として使用されることにより、取引価格が下落
し、それが市場実勢価格となるため、薬価改定の都度、取引価格を反映する形で薬価
が引き下げられ、中には不採算品も生じている。
・ 後発医薬品同士は同じ有効成分、同じ効能・効果を有するという特性上、価格以外
で差別化しにくいことから、自社の品目を他の企業より多く販売するための価格競争
が繰り返されることとなる。
(本検討会での議論)
○ 現下の後発医薬品を中心とした医薬品の供給不安の要因は、品質管理に係る違反事案
を発端とした供給停止や限定出荷の拡大だけにとどまらず、比較的中小規模の企業が多
く生産能力や生産数量が限定的な中で、比較的収益性の高い新規製品の薬価収載を繰り
返し、容易に市場から撤退することができないという医薬品特有の事情もあいまって、
少量多品目生産が広がっていること、そのことが生産の非効率等の問題を招いているこ
と、薬価収載後も総価取引等の流通慣行や価格競争によりさらに価格が下落し低収益構
造につながることなどの後発医薬品産業全体の構造的問題に起因していると考えられ
る。


また、こうした構造的問題により製造設備への投資や人材確保・人材育成に経営資源
を割くことが難しいということも、品質確保や安定供給に係る問題の一因となっている
と考えられる。



このような状況から、これまでに培ってきた我が国の後発医薬品業界への品質・安定
供給に関する信頼は失われつつある。今や後発医薬品は、国民の医療に欠かせないもの
となっており、後発医薬品業界への品質・安定供給に関する信頼の回復は、日本の医薬
品産業全体にとって、大きな課題であり、早急な対応が求められている。



後発医薬品を中心とした医薬品の供給不安は我が国だけの問題ではない。諸外国にお
いても、それぞれ異なる複合的な要因があると考えられるものの、国外の原薬や製品へ
の依存の高まりといったサプライチェーンの課題、製造における品質問題、災害、後発
医薬品の低収益構造による製造からの撤退等に起因する医薬品の供給不足問題が発生
しており、これに対する取組が進められている。



これらを踏まえ、本検討会では、後発医薬品に係る産業構造の在り方そのものを見直
していくために、今後、後発医薬品産業が在るべき姿を明確化するとともに、有識者検

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複数の品目が組み合わされている取引において、総価で交渉し総価で見合うよう個々の単価を医薬品

卸売販売業者の判断により設定する契約(単品総価契約)又は個々の単価を薬価一律値引で設定する契
約(全品総価契約)をいう。
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