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資料1 新たな地域医療構想について(医療機関機能、外来医療) (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44341.html
出典情報 新たな地域医療構想等に関する検討会(第10回 10/17)《厚生労働省》
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【参考】地理情報システム(GIS)による医療アクセシビリティ分析:
山形県における医業承継シミュレーション


山形県におけるプライマリ・ケアへの地理空間的なアクセスのしやすさ(アクセシビリティ1))を分析対象とし、
地理情報システム(GIS)を用いて現状(2020年)のアクセシビリティと医業承継の見込みを反映した将来(2040
年)のアクセシビリティを地図上に可視化し、比較・検討した。
1)アクセシビリティを測る指標として、「アクセス圏内に居住する人口10万人当たりの医療機関数」を用い、当該指標の評価にあたっては、東北地方全体の同指標を500mメッ
シュ単位で測定し、自然分類(Jenks)によって、統計学的に6段階の相対評価を行った。



分析では、医療機関から道のり15km圏内をアクセス圏2)と定義し、診療科を区別せずに一次的な外来診療を担う
医療機関はすべてプライマリ・ケアを提供する医療機関として取り扱った。将来シミュレーション分析にあたっては、
山形県医師会が診療所を対象に実施した実態調査をもとに、将来の承継状況に関して2つのシナリオ(楽観シナリオ
と悲観シナリオ3))を想定して分析を行った。
2)平均時速30kmの自動車で道のり30分圏内を想定。
3)楽観シナリオ:郡市区医師会区域ごとに「決まっていないし、今後の確保も困難」と回答した割合以外は、診療所が承継される想定
悲観シナリオ:郡市区医師会区域ごとに「決まっている。あるいは、ほぼ決まっている」と回答した割合のみ、診療所が承継される想定



分析の結果、診療所の医業承継の動向が、将
来のプライマリ・ケアへのアクセシビリティに
深刻な影響を与える可能性が高いことが判明し
た。医業承継問題が顕在化した場合、山形県全
域でアクセシビリティが相当程度低くなるだろ
う。さらに、都市部において、将来のアクセシ
ビリティの問題は深刻になることが予想される。

○ 現状と比較した場合、2040年のアクセシビリ
ティは、人口が減少するにもかかわらず、承継
問題が顕在化することによって、中山間地域よ
りもむしろ山形市や鶴岡市といった山形県内の
相対的に人口の多い都市部において、著しく低
下するとのシミュレーション結果が得られた。

鶴岡市

鶴岡市

山形市

山形市

【楽観シナリオ】
【悲観シナリオ】
図: 2040年のアクセシビリティ低下率(現状比)
48
清水麻生ら、「地理情報システム(GIS)による医療アクセシビリティ分析:山形県における医業承継シミュレーション」日医総研ワーキングペーパーNo.484、2024年8月27日