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【資料1】医療保険制度改革について (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46486.html
出典情報 社会保障審議会 医療保険部会(第188回 12/5)《厚生労働省》
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医療保険部会(2024年11月28日開催)におけるご意見②

(文責:事務局)



高額療養費の見直しについては、セーフティネット機能の発揮と保険料負担者の納得感をいかに両立させるか、つまり、給
付を受ける側と負担をする側のバランスをどう取るかということに尽きる。
セーフティネット機能については、協会けんぽと組合健保における1件当たりの高額療養費の金額は10万円を超えており、
高額な医療費リスクをカバーするセーフティネットの役割を十分果たしている。一方で、高額療養費の内容の変化も顕著に出
ている。1,000万円以上の高額レセプトの件数が増えており、平成26年度は300件だったものが令和5年度には2,000件以上
で7倍以上になっている。健保連が公表している高額レセプト上位100位の内訳を見ると、平成26年度は循環器系の疾患が5
割を占めていたが、直近の令和5年度はキムリアをはじめとした高額薬剤が約75%を占めている。大幅な件数の伸びは近年の
高額薬剤の登場・普及が大きな要因となっており、これが医療保険財政の圧迫にもつながっている。
また、外来特例について、現状、月額上限と年間上限の2つのセーフティネットを設けているが、月額上限に該当する患者
の割合は相当程度高い一方で、2つ目のセーフティネットである年間上限の該当者の割合は高くない。こうした状況を踏まえ
ると、外来特例の在り方については見直しの検討が必要ではないか。
もう一つの観点である保険料負担者の納得感については、現役世代の負担軽減が極めて重要なテーマ。給付は高齢者中心、
負担は現役世代中心という医療費と保険料負担のアンバランスは相変わらず顕著であると言わざるを得ない。高額療養費の
セーフティネットとしての機能は十分理解するが、高齢者医療の拠出金と併せて過重な負担を強いられている現役世代の負担
軽減も喫緊の課題なため、手取りを増やすためにも高額療養費の見直しは必要。最後に、多数回該当分の支給実績のデータの
範囲が保険者ごとに異なっているため、データ分析できるような統一的な形をお願いしたい。



高額療養費の見直しはいわば当面の対策であり、本質的に重要なのは予防。その意味では、ヘルスリテラシーについて子供
たちが学びの過程の中で学習する、あるいは健診を受けることの大切さを啓発していかなければいけない。高額薬剤を使わな
くてもいいように事前に自分の健康管理をしていくことがいかに大事かについて、政府広報などをぜひやっていただきたい。
ワクチンをもっと普及させるとか、健診をより徹底して異常があったら対応するなどして、早期発見・早期治療につなげる
必要。単に財政だけ見て、多い、少ない、足りないものはどうするかと議論するだけでは本質的な解決にならないので、当面
の対策とともに本質的な対策をぜひやっていただきたい。
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