病気とわかっていても、お酒をやめる気配も、止めるきっかけも私たち家族はつかみきれず私たちの時間も気力
も消耗されると、だんだん諦めから無関心になります。そこから父はより孤独感を増し酒量や外部に依存度を増
し悪循環でした。
外で異性トラブルを持ってこられたときは、父親の心に響きそうな表現を模索し、娘が訴えかければなんとかなる
のか？と説得も説教もしました。それでも変化がみられず、体調も悪化してただ時間が過ぎていくと殺意も沸い
てきました。死をも願いました。水割りにハイター混ぜようかとも何回も思った。自分とわからずに毒を盛ることは
できないかと考えることもありました。それで自分が逮捕されても別にいいとすら考えることもありました。
そんな自分の残虐性が怖くなり、先に自助グループに繋がっていた母に頼み、断酒会に行ってみました。

あの時父の死を願ったことに後悔は今もありません。それくらい
家族は追い詰められます。
親の死を願う親不孝の自分に何度も自己嫌悪に陥りました。
私が犯罪者にならずに今いるのは、私が父を殺めることで他の
家族にこれ以上負のレッテルを背負わせることが嫌だったから。
こどもも長期間依存症者が回復しないと追い込まれていきます。

©長嶺乃里子

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