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【資料3】「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」(案)及び 「ポリオウイルスに対する緊急時対応計画」(案)の策定に向けて(報告)[1.7MB] (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_54655.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第94回 3/26)《厚生労働省》
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ポリオ(急性灰白髄炎)について
基本情報

感染症法に基づく類型:二類感染症

病原体




エンテロウイルスの一種であるポリオウイルス(四種病原体等)。抗原性の異なる1型、2型、3型の3種類が存在する。
現在世界で伝播するポリオウイルスには、野生株ポリオウイルス(Wild-type poliovirus;WPV)と生ワクチン由来で病
原性が回復したワクチン由来ポリオウイルス(Vaccine-derived poliovirus;VDPV)が存在し、このうち、2型、3型の
WPVについては、根絶が宣言されている。

感染経路




主に経口感染
まれに、経口生ポリオワクチン(Oral poliovirus vaccine;OPV)接種によるポリオワクチン関連性麻痺(Vaccineassociated paralytic poliomyelitis;VAPP)が起こる。

症状





潜伏期間は4~35日。
感染者の90-95%は無症状であり、約5%(4-8%)で発熱、頭痛、咽頭痛、悪心、嘔吐等の症状が起こる。
感染者の1-2%では上記の症状に引き続き無菌性髄膜炎を起こす(非麻痺型)。また、感染者の0.1-2%では、四肢の非対
称性の弛緩性麻痺を特徴とする定型的な麻痺型ポリオを発症する。

予防・治療
予防




予防接種による発症予防が有効。
日本では、1964年から国産生ポリオワクチンの2回投与による定期予防接種を開始。
2012年からは、不活化ポリオワクチン(IPV)の定期予防接種に変更し、現在まで継続。

治療



特異的な治療法は存在せず、対症療法のみ。

発生状況






ポリオによって右足が変形した子ども
出典:CDC Public Health Image Library

1950年代までは世界の各地で流行が見られていたが、ワクチンの開発により多くの国で患者数が激減した。
日本においては、1940年代頃から全国各地で流行がみられ、1960年には5,000名以上の患者が発生する大流行となった。その後、ワ
クチンの導入によって、流行は急速に終息した。
日本においては、1980年の症例を最後にWPVによるポリオ症例は見られていない。また、OPVによるVAPP発症例も2014年以降は報
告されていない。
2000年には、日本を含むWHO西太平洋地域全域でのWPVの排除が宣言された。
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