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緊急時の薬事承認の在り方等に関するとりまとめ (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23054.html
出典情報 厚生科学審議会(令和3年 12/27)《厚生労働省》
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又は関連する疾病を対象とする医薬品医療機器等について、他の審査又は調査に優
先して行うこととした。

(2) 現状の課題
○ 我が国の現行の薬事承認制度は、特例承認を除き、基本的に平時を前提とした制
度となっている。薬機法の現行の薬事承認スキームにおいては、いずれも治験の実
施や製造・品質データの収集を経て承認申請資料をとりまとめることや、審査にお
いて、有効性・安全性の確認を行うことに一定の期間が必要である6。
○ 他方、先進的な薬事制度を持つ国々では、緊急時において、検証的臨床試験によ
り医薬品医療機器等の有効性・安全性を十分なエビデンスをもとに確認する猶予が
ない場合に、薬事許可等を迅速に行うための制度を整備している。例えば、米国で
は EUA、EU では CMA(Conditional Marketing Authorization(条件付承認))とい
った制度がある。これらの海外の緊急時の薬事許可等の制度では、少なくとも有効
性については限定的な治験データ等を用いて推定7され、ベネフィットがリスクを
上回ると判断できれば、販売等を許可することが認められている8。


我が国においては、特例承認等9を活用することにより、一定程度の薬事承認の

早期化が可能となっている。
しかし、特例承認制度は、国内企業が世界に先駆けて開発し、国内での承認申請
が行われた場合には適用することが出来ない。また、通常の承認制度と同様に、有
効性・安全性を「確認」していることから、例えば、ワクチンにおいて、海外で流
通している品目であっても、日本人での有効性・安全性を確認するための臨床デー
タが十分でない場合には、その確認のため国内治験を追加で実施しなければならな
いなどの課題がある。
○ 今般、我が国における特例承認のタイミングは、先進諸外国の緊急時の薬事許可
等と比べ、数週間~数か月程度の差があった。例えば、ファイザー製ワクチン(コ

6

再生医療等製品の条件及び期限付承認については、製品の品質や薬理作用物の発現量が不均一という
製品の特性上、有効性は推定で承認することとしている(薬機法第 23 条の 26 第1項第2号)


7

例えば、米国 EUA では、”the product may be effective”が許可の基準の1つとなっている。

8

米国 EUA では、販売後に並行して有効性を確認していくことを要件として課すことができる。また、
販売後に効果が認められない場合には、事後的な許可取消も可能である。

9

なお、薬事承認の早期化を図る制度としては、他に条件付承認制度(薬機法第 14 条第5項)がある
が、この制度はいわゆる「オーファンドラッグ」等を想定した承認制度であり、緊急時の対応を主な
適用場面として想定しているものではない。そのため、例えば、国家検定の免除といった審査の迅速
化のための特例措置は適用されない。
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