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高齢者の「生きがい」の規定要因について ―「役割」と「孤独感」を中心とした分析― 藤森 克彦(PDF形式:356KB) (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r03/zentai/pdf_index.html |
出典情報 | 令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(6/14)《内閣府》 |
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(2)分析結果
A.未婚の高齢者
未 婚 の 高 齢 者 の 分 析 結 果 と し て は 、ま ず カ イ 二 乗 検 定 は p<0.001 で 有 意 と な っ て い る( 図
表 16)。分 析 に 投 入 し た 変 数 の 有 意 確 率 を み る と 、単 身 世 帯 ダ ミ ー 、孤 独 感 9 ~ 12 点 ダ ミ ー
は、5%水準で有意である。つまり、これらの変数は、未婚の高齢者の生きがいに有意な
影響を与えている。
このうち、単身世帯であることは、未婚の高齢者の生きがい保有に正の影響を与えてい
る。つまり、未婚の高齢者において、単身世帯であることは、二人以上世帯に比べて生き
がいを保有しやすい。
一方、孤独感が高いことは、生きがい保有に負の影響を与えている。つまり、孤独感9
~ 12 点 の 未 婚 の 高 齢 者 は 、孤 独 感 6 点 の 未 婚 の 高 齢 者 に 比 べ て 、生 き が い を 保 有 し に く い 。
(図 表 16)「未 婚 の高 齢 者 」と「離 別 した高 齢 者 」の生 きがいの規 定 要 因
回帰係数
男性ダミー
未婚の高齢者
オッズ比
有意確率
-0.679
0.507
年齢
0.048
1.049
単身世帯ダミー
1.046
2.846
*
子どもありダミー
離別した高齢者
回帰係数
オッズ比
有意確率
0.001
1.001
-0.016
0.984
-0.377
0.686
0.554
1.740
主観的健康状態良いダミー
0.907
2.477
1.152
3.164
*
家計の心配事ないダミー
0.908
2.479
0.992
2.697
*
家族内に役割ありダミー
0.750
2.117
0.728
2.071
社会活動参加ダミー
0.317
1.373
0.615
1.850
仕事ありダミー
0.233
1.262
0.477
1.612
孤 独 感 3~ 5 点 ダ ミ ー
1.169
3.219
-0.415
0.661
孤 独 感 7~ 8 点 ダ ミ ー
-0.917
0.400
-0.638
0.528
孤 独 感 9~ 12 点
-1.253
0.286
-1.852
0.157
(定 数 )
-4.425
0.012
0.156
1.168
*
n
134
124
Nagelkerke R2 乗
0.416
0.409
尤度比のカイ二乗検定
p<0.001
p<0.001
**
( 注 ) 1 . リ フ ァ レ ン ス グ ル ー プ は 、「 孤 独 感 =6 点 」。
2 . *** p<0.001 ** p<0.01 * p<0.05
B.離別した高齢者
離 別 し た 高 齢 者 の 分 析 結 果 と し て は 、 ま ず カ イ 二 乗 検 定 は p<0.001 で 有 意 と な っ て い る
( 図 表 16)。 分 析 に 投 入 し た 変 数 の 有 意 確 率 を み る と 、 主 観 的 健 康 状 態 良 い ダ ミ ー 、 家 計
の 心 配 事 な い ダ ミ ー 、孤 独 感 9 ~ 12 点 ダ ミ ー は 、5 % 水 準 で 有 意 で あ る 。つ ま り 、こ れ ら
の変数は、離別した高齢者の生きがい保有に影響を与えている。
そして、主観的健康状態良いダミーと家計の心配事ないダミーは、生きがい保有に正の
影 響 を 与 え て い る 。一 方 、孤 独 感 9 ~ 12 点 ダ ミ ー は 、孤 独 感 6 点 の 高 齢 者 に 比 べ て 、生 き
がい保有に負の影響をもたらしている。つまり、孤独感の高い人は、 相対的に孤独感が低
い人に比べて、生きがいをもちにくいといえる。
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A.未婚の高齢者
未 婚 の 高 齢 者 の 分 析 結 果 と し て は 、ま ず カ イ 二 乗 検 定 は p<0.001 で 有 意 と な っ て い る( 図
表 16)。分 析 に 投 入 し た 変 数 の 有 意 確 率 を み る と 、単 身 世 帯 ダ ミ ー 、孤 独 感 9 ~ 12 点 ダ ミ ー
は、5%水準で有意である。つまり、これらの変数は、未婚の高齢者の生きがいに有意な
影響を与えている。
このうち、単身世帯であることは、未婚の高齢者の生きがい保有に正の影響を与えてい
る。つまり、未婚の高齢者において、単身世帯であることは、二人以上世帯に比べて生き
がいを保有しやすい。
一方、孤独感が高いことは、生きがい保有に負の影響を与えている。つまり、孤独感9
~ 12 点 の 未 婚 の 高 齢 者 は 、孤 独 感 6 点 の 未 婚 の 高 齢 者 に 比 べ て 、生 き が い を 保 有 し に く い 。
(図 表 16)「未 婚 の高 齢 者 」と「離 別 した高 齢 者 」の生 きがいの規 定 要 因
回帰係数
男性ダミー
未婚の高齢者
オッズ比
有意確率
-0.679
0.507
年齢
0.048
1.049
単身世帯ダミー
1.046
2.846
*
子どもありダミー
離別した高齢者
回帰係数
オッズ比
有意確率
0.001
1.001
-0.016
0.984
-0.377
0.686
0.554
1.740
主観的健康状態良いダミー
0.907
2.477
1.152
3.164
*
家計の心配事ないダミー
0.908
2.479
0.992
2.697
*
家族内に役割ありダミー
0.750
2.117
0.728
2.071
社会活動参加ダミー
0.317
1.373
0.615
1.850
仕事ありダミー
0.233
1.262
0.477
1.612
孤 独 感 3~ 5 点 ダ ミ ー
1.169
3.219
-0.415
0.661
孤 独 感 7~ 8 点 ダ ミ ー
-0.917
0.400
-0.638
0.528
孤 独 感 9~ 12 点
-1.253
0.286
-1.852
0.157
(定 数 )
-4.425
0.012
0.156
1.168
*
n
134
124
Nagelkerke R2 乗
0.416
0.409
尤度比のカイ二乗検定
p<0.001
p<0.001
**
( 注 ) 1 . リ フ ァ レ ン ス グ ル ー プ は 、「 孤 独 感 =6 点 」。
2 . *** p<0.001 ** p<0.01 * p<0.05
B.離別した高齢者
離 別 し た 高 齢 者 の 分 析 結 果 と し て は 、 ま ず カ イ 二 乗 検 定 は p<0.001 で 有 意 と な っ て い る
( 図 表 16)。 分 析 に 投 入 し た 変 数 の 有 意 確 率 を み る と 、 主 観 的 健 康 状 態 良 い ダ ミ ー 、 家 計
の 心 配 事 な い ダ ミ ー 、孤 独 感 9 ~ 12 点 ダ ミ ー は 、5 % 水 準 で 有 意 で あ る 。つ ま り 、こ れ ら
の変数は、離別した高齢者の生きがい保有に影響を与えている。
そして、主観的健康状態良いダミーと家計の心配事ないダミーは、生きがい保有に正の
影 響 を 与 え て い る 。一 方 、孤 独 感 9 ~ 12 点 ダ ミ ー は 、孤 独 感 6 点 の 高 齢 者 に 比 べ て 、生 き
がい保有に負の影響をもたらしている。つまり、孤独感の高い人は、 相対的に孤独感が低
い人に比べて、生きがいをもちにくいといえる。
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