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資 料1-1 感染症定期報告(研究報告概要一覧表及び個別症例報告概要) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29732.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会運営委員会(令和4年度第3回 12/14)《厚生労働省》
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【要約】Powassanウイルス(POWV)は、カナダ、米国北東部および
中北部、極東ロシアで広く認められる新興のダニ媒介アルボウイ
ルスである。依然としてまれではあるが、過去10年間でPOWV疾
患の報告例が増加しており、ほとんど(>90%)の症例が神経浸潤
性であり、関連する致死率は高い(>10%)。POWVの輸血に関連
するリスクは依然として不明であり、介入の適応はないと思われ
るが、POWVおよび他のダニ媒介性感染の発生率の増加との関
連で、輸血によるPOWVの可能性のある症例1例には警戒が必要
である。【輸血関連リスク】輸血感染のPOWVの可能性のある症例
が1例報告されている。ダニに曝露していない腎移植レシピエント
の最初の患者が、手術から約3週間後に脳炎を発症した。最初に
頭痛、発熱、筋肉痛、および下痢が見られ、症状は、錯乱、羞明、
運動失調、振戦、構音障害、視力障害、および感音難聴が進行し
た。初回入院時(移植時)に3単位の赤血球を輸血した。臓器ド
ナーは除外された。すなわち、臓器ドナーの保存した調達前の血
漿および血清はPOWV陰性であった。ウィスコンシン州(流行地
域)の供血者の1人は、供血の1ヵ月前にダニに曝露していた。供
血者の供血後のサンプルは、RT-PCR(高サイクル閾値で1対3の
プライマーで陽性)によるPOWV-RNAについて決定的なものでは
なかった。保管された供血サンプルの最初の抗体検査は陰性で
あったが、6ヵ月後にIgMおよび中和抗体の再検査は陽性であっ
た。明記されていないが、ドナーは無症候性であったと仮定されて
いる。レシピエントは数カ月かけてほぼ完全に回復した。【考察】
輸血による感染の可能性がある1症例では、輸血に関連するリス
クに情報を与える因子について有意義なコメントをするには不十
分であるが、注意を払い、適切な状況で現在進行中の臨床サー
ベイランスを行い、調査する必要がある。

3

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○台湾のデング熱流行時における供血者のデング熱ウイルス
(DENV) RNA検出率は各地域の感染率と相関する
台湾でデング熱が大流行した2015年の輸血によるDENV感染リス
クを後ろ向きに評価した。デング熱蔓延地域在住の供血者から採
血した血清4,976検体について定性的TMA法によるDENV RNA検
査を行った結果、21例が陽性であった。1週間あたりの新規デン
グ熱感染者数が人口10万人あたり5-50人、50-200人及び200人
以上の地域在住の供血者のRNA検出率を見るとそれぞれ供血者
1,000人あたり0.84、3.36、6.19であった。デング熱感染者が多い地
J Infect Dis.
域ほどRNA検出率は増加した。同流行期において197件のDENV
デング熱 225(2022)1504RNA陽性血液が供血され、143件の輸血によるDENV感染症例が
1512
発生した可能性があり、DENV感染症1万例あたり9.2例が輸血感
染例にあたると推算された。この結果は、感染症例全体の中で
は、環境暴露によるDENV感染に比べ輸血を介した潜在的な感染
は顕著に少ないことを示している。ALT値のスクリーニングでは
DENV RNA陽性者のうち4.4%しか検出されず、効果的な方法で
はなかった。本研究では、デング熱蔓延地域で供血された血液の
うち約0.5%から1%がDENV RNA陽性であった。供血者のDENV
RNA陽性率と供血者の居住地域のDENV感染率の相関関係は、
今後の感染防止策の策定に役立つ可能性が示された。

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感染症

出典

Transfusion.
ウイルス感
61(2021)3286染
3288

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