よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


2021年度(令和3年度)病院の経営状況について (11 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/
出典情報 2021年度(令和3年度)病院の経営状況について(3/1)《福祉医療機構》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

2022-011

おわりに

院は 60%を超えた。また、消耗品・消耗器具備

コロナの流行が始まった 2020 年度は、いず

品費や給食材料費、診療材料費が増加したと回

れの病院類型においても、病床利用率・医業利

答した病院も半数以上を数え、病院運営の大き

益率の低下など大きな影響があった。各病院に

な負担となっている。さらに、同年 10 月には病

おいては、収益の大幅な減少に対応すべく、各

床確保料の取扱い7が変更されるなど、補助金の

種補助金の活用や金融機関等への運転資金の借

見直しが図られており、収益の確保が一段と厳

入などに奔走されたことと思われる。

しくなると思料される。

2021 年度は、一般病院、療養型病院において

また、2023 年度は、コロナを感染症法上の 5

大幅に収益が改善し、医業利益率が上昇した。

類へと見直す動きもあり、ウィズコロナへ大き

しかし、この収益の改善は、各種補助金や診療

く舵を切る年度となりそうである。これら昨今

報酬上の特例措置による一時的なものである。

の経営環境の変化を踏まえると、2023 年度以降

コロナ補助金収益を除外すると、コロナ禍前の

の病院経営については、コロナ禍で生じた医療

水準以上に改善した病院はそう多くはないほか、 ニーズや制度・政策の変化などを見極め、柔軟
コロナ補助金収益を加えても経営状況が悪化し

かつ適切に対応することがより一層求められる

ている病院もある。また、医業利益率が上昇し

であろう。

たとしても、コロナ禍に金融機関等から運転資

依然厳しい経営環境におかれている病院の状

金の借入を行った病院は、返済が始まると、手

況について前年度を振り返り、今後の見通しを

元に残る資金はそう多くはないと推察される。

立てる際の一助として、本稿が少しでも参考と

このようななか、2022 年に入ってからの世界

なれば幸いである。

情勢の影響を受け、原油価格・物価高騰が新た

引き続くコロナ対応のなか、事業報告におい

な経営課題となっている。機構が同年 12 月に実

て正確なデータを提出いただけたことで、今回

施した病院経営動向調査6においては、水道光熱

の分析を行うことができた。担当者および関係

費が前年度比で 2 割以上増加したと回答した病

者にこの場を借りて謝意を表する。

【免責事項】



本資料は情報の提供のみを目的としたものであり、借入など何らかの行動を勧誘するものではありません
本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、情報については、その完全性・正確
性を保証するものではありません
※ 本資料における見解に関する部分については、著者の個人的所見であり、独立行政法人福祉医療機構の見
解ではありません

≪本件に関するお問合せ≫
独立行政法人福祉医療機構

経営サポートセンター

リサーチグループ

TEL:03-3438-9932

6 第 16 回病院経営動向調査結果(2022 年 12 月調査) https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/hp_survey_202212.pdf
7 厚生労働省「令和4年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施に当たっての取扱いについて」
(令和 4 年 9 月

27 日付事務連絡) https://www.mhlw.go.jp/content/000994087.pdf
Copyright ⓒ 2023Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.

11