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【参考資料4】第2回花粉症に関する関係閣僚会議資料(本文・工程表) (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34044.html |
出典情報 | アレルギー疾患対策推進協議会(第17回 7/12)《厚生労働省》 |
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和元年度(2019 年度)時点において約 3,600 億円(診察等の医療費約 1,900
億円 3、内服薬約 1,700 億円 4)、市販薬で令和4年(2022 年)時点におい
て約 400 億円 5と推計されている。
2.花粉の発生源となるスギ人工林の将来
前述の関係学会による調査によれば、花粉症全体の中でスギ花粉症の割
合が大きいことが分かる。我が国の森林の現状を見ると、国土のおよそ3
分の2にあたる 2,510 万 ha にのぼる森林資源のうち人工林は 1,020 万 ha
であり、その人工林のうち 444 万 ha をスギが占めている。植えてから 20
年程度までのスギは花粉をほとんど発生させないことから、これらを除く
と、花粉発生源となるスギ人工林は 431 万 ha と見込まれる 6。
人工林のうちスギが多くを占めているのは、戦時中に荒廃した森林に対
し、国土保全等の公益的機能の発揮を図るとともに、戦後の旺盛な木材需
要に応えるため、成長が早く、育成しやすい樹種としてスギを造成してき
たことによるものである。
スギ人工林の伐採や、花粉の少ないスギ苗木への植替え等がこれまでの
ペースにとどまった場合には花粉量の大幅な削減は見通し難いが、後述の
「発生源対策」に挙げる取組を集中的に進めて、その削減を加速化するこ
ととする。
ただし、森林は、木材を供給する機能のみならず、国土保全機能、水源
涵養機能、地球温暖化防止機能等の多面的な機能により、国民生活に様々
な恩恵をもたらしている。特に、近年は、土砂災害等を防止する役割や、
温室効果ガスの削減目標達成に向けて二酸化炭素を吸収・貯蔵する役割等
の重要性が高まっている。
これらを踏まえると、花粉発生源対策としてスギ人工林の伐採を進める
に当たっては、伐採したまま放置することにより国土の荒廃等を招かない
よう、「伐って、使って、植えて、育てる」資源の持続的な循環利用の確
立を図ることが重要である。このようなスギ人工林の伐採と植替え等を持
続的に進めることは、2050 年カーボンニュートラルの実現にも貢献する
ものである。
3
「最近の医科医療費(電算処理分)の動向」において、主傷病が「アレルギー性鼻炎」の医療費を集計。
「NDB オープンデータ」において、一般的に花粉症にも使用されると考えられるアレルギー性鼻炎を適応に
持つ医療用医薬品のうち、薬効分類別に処方数の上位 100 位となる内服薬(院外のみ)を集計。
5
「インテージ SRI+」において、各年1月から 12 月までの、アレルギー性鼻炎を適応に持つ一般用医薬品
(OTC)の出荷金額を集計。
6
天然林の中にもスギは存在するものの、その数量は少量。(スギが優占する天然林は全天然林の 0.5%程度
と推計)
4
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億円 3、内服薬約 1,700 億円 4)、市販薬で令和4年(2022 年)時点におい
て約 400 億円 5と推計されている。
2.花粉の発生源となるスギ人工林の将来
前述の関係学会による調査によれば、花粉症全体の中でスギ花粉症の割
合が大きいことが分かる。我が国の森林の現状を見ると、国土のおよそ3
分の2にあたる 2,510 万 ha にのぼる森林資源のうち人工林は 1,020 万 ha
であり、その人工林のうち 444 万 ha をスギが占めている。植えてから 20
年程度までのスギは花粉をほとんど発生させないことから、これらを除く
と、花粉発生源となるスギ人工林は 431 万 ha と見込まれる 6。
人工林のうちスギが多くを占めているのは、戦時中に荒廃した森林に対
し、国土保全等の公益的機能の発揮を図るとともに、戦後の旺盛な木材需
要に応えるため、成長が早く、育成しやすい樹種としてスギを造成してき
たことによるものである。
スギ人工林の伐採や、花粉の少ないスギ苗木への植替え等がこれまでの
ペースにとどまった場合には花粉量の大幅な削減は見通し難いが、後述の
「発生源対策」に挙げる取組を集中的に進めて、その削減を加速化するこ
ととする。
ただし、森林は、木材を供給する機能のみならず、国土保全機能、水源
涵養機能、地球温暖化防止機能等の多面的な機能により、国民生活に様々
な恩恵をもたらしている。特に、近年は、土砂災害等を防止する役割や、
温室効果ガスの削減目標達成に向けて二酸化炭素を吸収・貯蔵する役割等
の重要性が高まっている。
これらを踏まえると、花粉発生源対策としてスギ人工林の伐採を進める
に当たっては、伐採したまま放置することにより国土の荒廃等を招かない
よう、「伐って、使って、植えて、育てる」資源の持続的な循環利用の確
立を図ることが重要である。このようなスギ人工林の伐採と植替え等を持
続的に進めることは、2050 年カーボンニュートラルの実現にも貢献する
ものである。
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「最近の医科医療費(電算処理分)の動向」において、主傷病が「アレルギー性鼻炎」の医療費を集計。
「NDB オープンデータ」において、一般的に花粉症にも使用されると考えられるアレルギー性鼻炎を適応に
持つ医療用医薬品のうち、薬効分類別に処方数の上位 100 位となる内服薬(院外のみ)を集計。
5
「インテージ SRI+」において、各年1月から 12 月までの、アレルギー性鼻炎を適応に持つ一般用医薬品
(OTC)の出荷金額を集計。
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天然林の中にもスギは存在するものの、その数量は少量。(スギが優占する天然林は全天然林の 0.5%程度
と推計)
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