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別紙2○先進医療Bの総括報告書に関する評価について (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00059.html
出典情報 先進医療会議(第123回 8/2)《厚生労働省》
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主担当: 戸高構成員
有効性

A.従来の医療技術を用いるよりも、大幅に有効であ
る。
B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である。
C.従来の医療技術を用いるのと、同程度である。
D.従来の医療技術を用いるよりも、劣る。
E.その他

コメント欄: 単施設、比較的少数例単群での前後比較であり、治療後の欠測に重
大な懸念があり、有効性について評価は困難である。

治療前後における客観的有効性指標 ABI の差は統計的に有意であるものの、僅か
0.05±0.12 であり、一般的に臨床的意義があると言われる最小変化 0.1 を下回っ
ている。また試験開始時 29 例で測定されているが治療後は 4 例で欠測、うち 3 例
は患肢において「脈信号が小さいことにより測定不能」とあり、悪化した症例が選
択的に欠測となったことが懸念される。1 例はその後死亡脱落している。
主観的評価である QOL については単群オープン試験ではその取得法も含めて信頼
性に限界がある。またその差も 0.9±1.4 と然程大きくはなく、ABI の小さな変化
と特に矛盾しない。
(参考文献:VascuQOL 日本語版の信頼性と妥当性の検討. J Jpn
Coll Angiol, 2011, 51: 347–358。少数例であるが保存的治療で 0.4、血行再建で
1.5〜1.8 の前後変化)
こちらも治療後に 2 例で欠測あり、いずれも全身状態不良によるものである。
以上、高々FAS 30 例の試験において無視できない影響がある。
主要評価項目が 2 つ上げてあり co-primary EP の形でいずれも統計的には有意で
あり試験目的達成にはなる。しかしながらその大きさ、欠測及び片方がオープン試
験での患者主観評価であり、意義に限界がある。
副次評価項目については潰瘍の縮小や疼痛改善など一部に有効性を示唆するもの
があるものの、大多数の指標に変化を認めていない。
また、結果に影響を与える抗血小板薬投与状況について、訂正された統計解析報告
書によれば、試験中に 11 例で何らかの変更がされ、1 例において新規開始、1 例
で薬剤変更、6 例で投与量が変更、3例で中止されている。

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