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2023年度 特別養護老人ホームの人材確保に関する調査について (8 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/
出典情報 2023年度特別養護老人ホームの人材確保に関する調査(2/21)《福祉医療機構》
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2023-011

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(図表 15)退職者の退職理由(複数回答)

介護職員の退職の状況
退職した介護職員のうち、入職後 3 年未満の
退職者は 54.6%で過半を占める

転職
体調不良
人間関係
転居
不明
賃金水準
定年
結婚
運営等への不満
出産・育児
その他

続いて、2022 年度の退職の状況については、
99.3%とほぼすべての施設で介護職員の退職が
あった。そこで、退職した介護職員の勤続年数
を確認したところ、もっとも多いのは「勤続 3 年
以上 10 年未満」の 31.3%であった(図表 14)


(n=800)
58.9%
47.1%
39.4%
21.9%
20.0%
12.8%
11.8%
10.4%
10.3%
8.0%
16.3%

これは年数の範囲が広いことも影響しており、
実際には、
「勤続 1 年未満」の 25.2%と「勤続 1

退職者を出さないための定着に向けた取り組み

年以上 3 年未満」の 29.4%で、過半を占めてい

が重要であることが示唆される。そこで、各施

るとみるべきであろう。この傾向は過去の調査

設が実際に取り組んでいる退職者を出さないた

においても同様であり、引き続き介護職員の定

めの工夫について、自由記述の一部をご紹介し

着に課題があることが浮き彫りとなった。

たい。

(図表 14)介護職員の退職者の勤続年数

退職者を出さないための工夫 ※一部抜粋
① 業務負担を軽減するための取り組みの実施(ICT の
活用、介護補助員による業務の切り分けなど)
② 職場環境改善プロジェクトチームを設置し、職員か
らの意見を施設運営に反映するようにしている
③ 勤務希望をできるだけ受け入れる。有休を取得でき
る職場雰囲気を作る
④ 一人一人の職員の職務能力、性格に応じた育成。抱
えている悩み、問題を解決していく取り組み。人間
関係を良くするための聞き取り。要望や不満のアン
ケート(無記名)実施
⑤ 指導の仕方、育成に尽きる。一つの事柄に関しても
達成感や成功感を感じることの積み重ね。失敗を次
につなげられるような指導者の働きかけ
⑥ 外部のカウンセラーに職員の悩み相談をお願いし
ている

勤続1年未満
勤続1年以上3年未満
勤続3年以上10年未満
勤続10年以上
定年退職
2.8%
(n=4,363.0)
※退職者

11.3%
25.2%
31.3%
29.4%

また、退職者の退職理由として多いものを聞
いたところ、
「転職」が 58.9%ともっとも多く、

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「体調不良」「人間関係」と続いた(図表 15)。

処遇改善の状況
処遇改善を進めるために必要な対応は、
「基本
報酬化し、金額を引き上げ」がもっとも多い

過去調査においても転職がもっとも多く、その
傾向に変化はない。また、図表にはないが、転職
と回答した施設に対して、転職先を複数回答で

近年、介護職員の処遇改善を図るため、様々

聞いたところ、
「介護業界」という回答が 69.9%

な施策が実施されており、処遇改善に関する

でもっとも多かった。

加算はその代表格である。今回調査において、

結婚や育児などのライフイベントによるやむ

処遇改善に係る加算の算定状況を確認したと

を得ない退職はあるものの、実に約 7 割が同じ

ころ、いずれも高い算定率であることがわか

介護業界に転職しているという現状からすると、

った(図表 16)。

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