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資料2-3 インターフェロンベータ-1a(遺伝子組換え)及びインターフェロンベータ-1b(遺伝子組換え)の電子化された添付文書一覧 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24579.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年度第31回 3/22)《厚生労働省》
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用試験において、2 例の進行性多病巣性白質脳症(PML)
が認められた。この 2 例は、いずれもnatalizumabと本剤
(30μg)の併用開始後 2 年以上経過した後にPMLを発症
した2)。このうち 1 例は死亡し3)、他の 1 例は重度障害を
残した4)。
15.1.4 海外で行われた外国人健康成人を対象とした試験に
おいて、本剤の投与を開始する際に、承認用量の1/4量か
ら開始し、毎週1/4量ずつ漸増して承認用量(30μg/週)
まで到達する漸増投与を行った場合、漸増投与を行わな
かった場合に比べて、インフルエンザ様症状の程度及び
頻度が軽減したとの報告がある5)。なお、本剤の漸増投与
時における有効性評価は実施されていない。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 動物試験(サル)において、33μg/kg(体表面積で
臨床用量の100倍)の投与で、月経不順、無排卵及び血清
プロゲステロン濃度の減少が認められたとの報告がある。

16.薬物動態
16.1 血中濃度
外国人健康成人に本剤(60μg)を単回筋肉内投与した際の
薬物動態パラメータ及び薬力学的パラメータは以下のとお
りであった6)。
〔薬物動態パラメータ:血清中IFNβ-1a濃度〕
投与量
(μg)

n
(例)

Tmax
(hr)

60

87

13.0

Cmax
AUC(0-168)
(IU/mL) (IU・hr/mL)
71.4

2,006.9

n
(例)

Tmax
(hr)

60

92

47.61

〔Gd増強病巣数の変化〕
投与開始前
プラセボ

本剤

プラセボ

本剤

プラセボ

本剤

n(例)

132

141

123

134

82

83

3.17
0.62

1.59
0.31

1.04
0.28

1.65
0.48

0.80
0.22

平均値
2.32
標準誤差(個) 0.37

中央値
1
1
0
0
0
0
〔範囲〕
(個)〔0-23〕〔0-56〕〔0-22〕〔0-28〕〔0-34〕〔0-13〕

(2)外国人早期多発性硬化症患者注2)を対象とした無作為
化プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤
30μg(193例)又はプラセボ(190例)を週 1 回筋肉内
投与したところ、臨床的に診断確実な多発性硬化症発
症までの期間は、Kaplan-Meier生存曲線からプラセボ
群と比較し本剤群で有意に長く(ハザード比0.56)、投
与開始後 2 年以内に臨床的に診断確実な多発性硬化症
が 発 症 す る 割 合 は、 プ ラ セ ボ 群 で38.6%、 本 剤 群 で
21.1%と推定された。また、脳MRI検査におけるガドリ
ニウム(Gd)病巣数及びGd増強病巣容積は、プラセボ
群と比較し本剤群で有意に低かった。さらに、新規又
は拡大T2病巣数及びT2病巣容積については、プラセボ
群と比較し本剤群で有意に少なかった11),12)。
注2)初発の脱髄症状を呈し脳MRIで脱髄性の病巣を認
めた患者

投与開始前

Emax
EAUC(0-168)
(μg/L) (μg・hr/L)
860

17.臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第Ⅱ相試験
日本人再発型多発性硬化症患者(25例)を対象とし、非
盲検非対照試験を実施した。本剤30μgを週 1 回24週間筋
肉内投与し、投与前(‑12、‑ 8 、‑ 4 及び 0 週)と投与後
(12、16、20及び24週)それぞれ 4 回の脳MRI検査の平均
ガドリニウム(Gd)増強病巣数を比較した結果、有効性
解析対象症例(23例)において5.9個から2.8個へ有意に減
少した。また、本剤の投与により、血清中のネオプテリ
ンが誘導された7)。
〔脳MRI検査 1 回あたりのGd増強病巣数の変化〕
投与後

n(例)

23

23

平均値 標準偏差(個)

5.9 7.0

2.8 7.2

中央値〔範囲〕
(個)

2.5〔0.5-27.8〕

0.3〔0.0-32.3〕

投与開始
6 ヵ月後

投与開始
12ヵ月後

投与開始
18ヵ月後

投与群 プラセボ 本剤 プラセボ 本剤 プラセボ 本剤 プラセボ 本剤

72,230

n(例) 179

投与前

投与開始 1 年後 投与開始 2 年後

投与群

〔Gd増強病巣数の変化〕

〔薬力学的パラメータ:血清中β2-MG濃度〕
投与量
(μg)

注1)拡張身体機能障害評価スケールの1.0以上の悪化
が 6 ヵ月以上持続した場合

152

165

124

147

114

134

平均値
0.6
0.7
1.49
標準誤差(個) 1.39注3) 1.29注3) 0.25

183

0.87
0.18

1.63
0.34

0.73
0.17

1.36
0.34

0.45
0.13

中央値
0
0
0
0
0
0
0
0
〔範囲〕
(個)〔0-12〕 〔0-7〕 〔0-23〕〔0-16〕〔0-27〕〔0-20〕〔0-33〕〔0-13〕
注3)平均値 標準偏差(個)

17.2 製造販売後調査等
17.2.1 使用成績調査における副作用
使用成績調査での調査例1486例中594例(40%)に副作用
が認められた。主な副作用は発熱284例(19%)
、頭痛65
例( 4 %)、倦怠感64例( 4 %)であった。
17.2.2 製造販売後臨床試験における副作用
製造販売後臨床試験の安全性解析対象症例100例中100例
(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、インフ
ルエンザ様疾患92例(92%)、注射部位反応30例(30%)、
発熱25例(25%)、鼻咽頭炎23例(23%)であった。

18.薬効薬理

本剤を投与された25例中25例(100%)に副作用が認めら
れた。主な副作用は、インフルエンザ様症状20例(80%)

発熱11例(44%)及び頭痛 7 例(28%)であった。
17.1.2 海外第Ⅲ相臨床試験
(1)外国人再発型多発性硬化症患者を対象とした無作為
化プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。
本剤30μg
(158例)又はプラセボ(143例)を週 1 回筋肉内投与し
たところ、身体機能障害の持続的進行注1)開始までの期
間は、Kaplan-Meier生存曲線から、プラセボ群と比較
し本剤群で有意に長く、投与開始後 2 年以内に身体機
能障害の持続的進行が開始する割合は、プラセボ群
34.9%、本剤群21.9%と推定された。また、年間再発率
はプラセボ群(0.90回/例)に比較し、本剤群(0.61回/
例)で有意に低かった。さらに、脳MRI検査における
ガドリニウム(Gd)増強病巣数及びGd増強病巣容積は、
プラセボ群と比較し本剤群で有意に低かった8),9),10)。

−4−

18.1 作用機序
インターフェロン ベータが多発性硬化症に対して臨床効果
を発揮する正確な機序は不明であるが、下記のような作用
が多発性硬化症の再発予防に関与するものと考えられる。
18.1.1 免疫調節作用
A549細胞(ヒト肺がん細胞株)にインターフェロン ベー
タ-1aを加えて培養した後、間接的FACS解析を行った結
果、A549細胞表面にクラスⅠ主要組織適合性抗原を誘発
した13)。
18.1.2 抗ウイルス作用
A549細胞(ヒト肺がん細胞株)にインターフェロン ベー
タ-1aを加えて培養した後、脳心筋炎ウイルスを接種し、
細胞変性効果(CPE)測定法を用いて細胞生存率を測定
した結果、抗ウイルス作用が認められた13)。
18.1.3 細胞増殖抑制作用
Daudi細胞(ヒトBリンパ腫細胞株)にインターフェロン