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資料3-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[444KB] (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第3回 3/22)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
25 細菌感染
出典
ProMED-mail
20230803.8711548
概要
情報源:Gizmodo,Emerging Infectious Diseases
英国で野良猫に咬まれた男性に広範な軟部組織感染を引き起こした新規の
Globicatella についての報告。Globicatella は、これまで2種が確認されており、ヒ
トへの感染を引き起こすことが知られているのは1種(Globicatella sanguinis )の
みである。研究者等は、今回の細菌の遺伝子配列、全ゲノム配列を決定し、生
化学的プロファイリングにより新規のGlobicatella と同定し、抗菌薬感受性を測
定した。
Chromobacterium 属は7種が認められているグラム陰性桿菌で、主に熱帯・亜
熱帯地域に分布し、水源や湿度の高い地域で多く分離される。C.
haemolyticum はイネの根、湖、川、放流下水などの様々な水環境から分離され
ており、主に水源を介して感染するエビデンスがある。C. haemolyticum が創傷
26 細菌感染
曝露歴や水源との曝露歴があるヒトにおいて肺炎や敗血症を引き起こす可能
性があることを示唆する報告があり、これらの症例はC. haemolyticum が日和見
病原体である可能性を示している。また、C. haemolyticum に関連するヒトの下
痢症例の報告もあるが、他の動物でC. haemolyticum が下痢や死亡を引き起こ
した例はまだ報告されていない。本研究では中国南部の多くの養豚場で発生し
た原因不明の子豚下痢症の症例に焦点を当てた。子豚の罹病率は30.65%
(149/486)、その死亡率は35.57%(53/149)であった。下痢を引き起こす様々な
ウイルスに関する検査ではウイルスは検出されず、ヒツジ血液寒天プレートで
非色素性β溶血性グラム陰性桿菌が分離され、これをGDHYZ30株と命名した。
Transbound Emerg Dis.
16SrRNA遺伝子配列から、この株がC. haemolyticum に最も近縁であることが
2023(2023)6694913
示された。広東省の気候特性はChromobacterium の繁殖により適しているため
検出範囲を拡大した結果、原因不明の下痢をしている他の地域の水源や子豚
の肛門スワブからもC. haemolyticum が検出された。抗生物質感受性試験は、
分離された5つのC. haemolyticum がほとんどの抗生物質に耐性があり、いくつ
かの抗生物質に対する感受性は大きく異なることを示した。GDHYZ30株を経口
投与と筋肉内注射で実験的に感染させた子豚では自然感染例と同様の臨床症
状を再現することに成功し、筋肉内注射では死亡も認められ、この株が子豚の
下痢と急性死を引き起こす病原体であることが示された。
我々の知る限りでは、これはC. haemolyticum が子豚の下痢や死亡を引き起こ
し、水源を介して伝播する新しい病原体として議論された最初の報告である。臨
床試験と薬剤耐性分析は、C. haemolyticum がヒトと動物に対する潜在的な脅
威であることを示した。本報告は食品の安全性だけでなく、人獣共通感染症の
予防と制御のための参考資料となる。
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感染症(PT)
25 細菌感染
出典
ProMED-mail
20230803.8711548
概要
情報源:Gizmodo,Emerging Infectious Diseases
英国で野良猫に咬まれた男性に広範な軟部組織感染を引き起こした新規の
Globicatella についての報告。Globicatella は、これまで2種が確認されており、ヒ
トへの感染を引き起こすことが知られているのは1種(Globicatella sanguinis )の
みである。研究者等は、今回の細菌の遺伝子配列、全ゲノム配列を決定し、生
化学的プロファイリングにより新規のGlobicatella と同定し、抗菌薬感受性を測
定した。
Chromobacterium 属は7種が認められているグラム陰性桿菌で、主に熱帯・亜
熱帯地域に分布し、水源や湿度の高い地域で多く分離される。C.
haemolyticum はイネの根、湖、川、放流下水などの様々な水環境から分離され
ており、主に水源を介して感染するエビデンスがある。C. haemolyticum が創傷
26 細菌感染
曝露歴や水源との曝露歴があるヒトにおいて肺炎や敗血症を引き起こす可能
性があることを示唆する報告があり、これらの症例はC. haemolyticum が日和見
病原体である可能性を示している。また、C. haemolyticum に関連するヒトの下
痢症例の報告もあるが、他の動物でC. haemolyticum が下痢や死亡を引き起こ
した例はまだ報告されていない。本研究では中国南部の多くの養豚場で発生し
た原因不明の子豚下痢症の症例に焦点を当てた。子豚の罹病率は30.65%
(149/486)、その死亡率は35.57%(53/149)であった。下痢を引き起こす様々な
ウイルスに関する検査ではウイルスは検出されず、ヒツジ血液寒天プレートで
非色素性β溶血性グラム陰性桿菌が分離され、これをGDHYZ30株と命名した。
Transbound Emerg Dis.
16SrRNA遺伝子配列から、この株がC. haemolyticum に最も近縁であることが
2023(2023)6694913
示された。広東省の気候特性はChromobacterium の繁殖により適しているため
検出範囲を拡大した結果、原因不明の下痢をしている他の地域の水源や子豚
の肛門スワブからもC. haemolyticum が検出された。抗生物質感受性試験は、
分離された5つのC. haemolyticum がほとんどの抗生物質に耐性があり、いくつ
かの抗生物質に対する感受性は大きく異なることを示した。GDHYZ30株を経口
投与と筋肉内注射で実験的に感染させた子豚では自然感染例と同様の臨床症
状を再現することに成功し、筋肉内注射では死亡も認められ、この株が子豚の
下痢と急性死を引き起こす病原体であることが示された。
我々の知る限りでは、これはC. haemolyticum が子豚の下痢や死亡を引き起こ
し、水源を介して伝播する新しい病原体として議論された最初の報告である。臨
床試験と薬剤耐性分析は、C. haemolyticum がヒトと動物に対する潜在的な脅
威であることを示した。本報告は食品の安全性だけでなく、人獣共通感染症の
予防と制御のための参考資料となる。
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