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資料3-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[444KB] (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第3回 3/22)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
7
8
出典
概要
ウエストナイルウ Front Vet Sci.
イルス感染
10(2023)1126199
ウエストナイルウイルス(WNV)は主に鳥好性のイエカ属(Culex)の蚊によって
伝播される。ウイルスを保有する鳥類から吸血したイエカがヒト、ウマ、反芻動
物、野生動物、爬虫類などの他の脊椎動物から吸血することで、時折WNVのス
ピルオーバーが発生する。WNV感染はウマで広く報告されており、ヤギ、ヒツ
ジ、ウシでもごく少数の臨床疾患と病原性株の実験的感染が報告されている。
これらの種は行き止まり宿主でありウイルスの増幅と伝播に関与しないが、主
にウマにおけるWNV感染は物の所有者に多大な損失をもたらし、ヒトを含む他
の種を含む潜在的なアウトブレイクにつながる可能性がある。マレーシアでは
最近の研究で、鳥類、マカク、コウモリ、ブタにおいてWNV血清陽性やRNA検出
によりWNV感染が示されているが、家畜反芻動物のWNV感染に関する利用可
能な情報が存在しない。そこで本研究では、血清学的方法と分子学的方法を用
いてウシ、ヤギ、ウマにおけるWNV曝露を明らかにした。2017-2019年に各地の
農場と厩舎からウシ(n=83)、ヤギ(n=29)、ウマ(n=91)の血清試料と鼻咽頭ス
ワブ試料を収集した。血清試料の抗WNV IgGスクリーニングの結果、WNV血清
陽性率はウシが32.5%(27/83)、ヤギが48.3%(14/29)、ウマが53.9%(49/91)
であった。血清試料の抗日本脳炎ウイルスIgGスクリーニングの結果、ウマの
37%(34/91)、ウシの2.4%(2/83)が交差反応性日本脳炎ウイルス抗体陽性で
あった。RT-PCRによる鼻咽頭スワブ試料からのWNV RNA検出では、全体の分
子的陽性率は3.5%(7/203)、ウマが7.7%(7/91)で、ウシとヤギからはRNAが
検出されなかった。本研究で得られた7つの配列は全て、最尤系統発生解析の
結果WNV系統2クレードにクラスター化した。本研究の分離株は南アフリカのヒト
神経侵襲性株及びマレーシアの野鳥由来株と非常に近縁で、ヌクレオチド配列
比較でわずかな変異を示した。本研究は、マレーシアの家畜化哺乳類において
WNVが検出された最初の報告である。WNV感染は反芻動物では一般的ではな
く、反芻動物におけるWNV感染を報告した研究はほとんどない。中和アッセイと
鼻咽頭スワブ以外の試料を用いた更なる研究で、マレーシアにおけるWNVのよ
り詳細な情報が得られるだろう。
ウエストナイルウ ProMED-mail
イルス感染
20230823.8711802
問題点:ウェストバージニア州で献血によるウエストナイルウイルスの初の感染
例が報告された。【概要】ウェストバージニア州で献血によるウエストナイルウイ
ルスの初の感染例が報告された。疾病管理センターによると、この献血は「推
定ウイルス血症献血者」(PVD:presumed viremic blood donors)からのもので、
献血後に血液中のウイルス検査で陽性反応が出たが、献血時には症状が見ら
れなかった。米国全土で、2023年現在、合計27の州でヒトのウエストナイルウイ
ルス感染症例が報告されている。ウエストナイルウイルスは蚊を媒介とし、CDC
の調査結果によると、80%にはウイルスの兆候は見られないが、5人に1人には
発熱、発疹、頭痛などの症状が見られる。軽度の症状であればほとんどが完治
するが、倦怠感が数ヶ月続くこともある。医療専門家は、蚊に刺されるリスクを
減らすために、虫除けスプレー、長袖の服装、ズボンの着用を勧めている。
2023年8月15日までのCDCの最新データでは、今年(2023年)190件のヒトのウ
エストナイル症例が確認されており、警戒と予防対策の必要性を強調している。
ほとんどの場合が蚊に刺されたことによる感染であるが、他の罹患動物やその
血液、あるいは他の組織との接触によっても感染が広がる可能性がある。母乳
や輸血、臓器移植によってヒトに感染することはほとんどないが、経胎盤感染
(母子感染)が1例記録されている。通常の感染予防対策がとられている場合
は、医療従事者から患者へ、あるいは医療従事者から患者へ、何気ない接触
によってヒトからヒトへ感染したという証拠はない。ウエストナイルウイルスは
1937年にウガンダで発見され、ヒトへの感染は50年以上前から世界的に報告さ
れている。この事例は、無症候性キャリアが感染拡大に寄与する可能性を示唆
している。米国の血液製剤はウエストナイルウイルスについてスクリーニングさ
れることになっているため、検査に失敗したか、又はウイルスが使用されたアッ
セイの検出限界を下回っていた可能性が考えられ、それでも輸血レシピエント
に感染する可能性があった。
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概要
ウエストナイルウ Front Vet Sci.
イルス感染
10(2023)1126199
ウエストナイルウイルス(WNV)は主に鳥好性のイエカ属(Culex)の蚊によって
伝播される。ウイルスを保有する鳥類から吸血したイエカがヒト、ウマ、反芻動
物、野生動物、爬虫類などの他の脊椎動物から吸血することで、時折WNVのス
ピルオーバーが発生する。WNV感染はウマで広く報告されており、ヤギ、ヒツ
ジ、ウシでもごく少数の臨床疾患と病原性株の実験的感染が報告されている。
これらの種は行き止まり宿主でありウイルスの増幅と伝播に関与しないが、主
にウマにおけるWNV感染は物の所有者に多大な損失をもたらし、ヒトを含む他
の種を含む潜在的なアウトブレイクにつながる可能性がある。マレーシアでは
最近の研究で、鳥類、マカク、コウモリ、ブタにおいてWNV血清陽性やRNA検出
によりWNV感染が示されているが、家畜反芻動物のWNV感染に関する利用可
能な情報が存在しない。そこで本研究では、血清学的方法と分子学的方法を用
いてウシ、ヤギ、ウマにおけるWNV曝露を明らかにした。2017-2019年に各地の
農場と厩舎からウシ(n=83)、ヤギ(n=29)、ウマ(n=91)の血清試料と鼻咽頭ス
ワブ試料を収集した。血清試料の抗WNV IgGスクリーニングの結果、WNV血清
陽性率はウシが32.5%(27/83)、ヤギが48.3%(14/29)、ウマが53.9%(49/91)
であった。血清試料の抗日本脳炎ウイルスIgGスクリーニングの結果、ウマの
37%(34/91)、ウシの2.4%(2/83)が交差反応性日本脳炎ウイルス抗体陽性で
あった。RT-PCRによる鼻咽頭スワブ試料からのWNV RNA検出では、全体の分
子的陽性率は3.5%(7/203)、ウマが7.7%(7/91)で、ウシとヤギからはRNAが
検出されなかった。本研究で得られた7つの配列は全て、最尤系統発生解析の
結果WNV系統2クレードにクラスター化した。本研究の分離株は南アフリカのヒト
神経侵襲性株及びマレーシアの野鳥由来株と非常に近縁で、ヌクレオチド配列
比較でわずかな変異を示した。本研究は、マレーシアの家畜化哺乳類において
WNVが検出された最初の報告である。WNV感染は反芻動物では一般的ではな
く、反芻動物におけるWNV感染を報告した研究はほとんどない。中和アッセイと
鼻咽頭スワブ以外の試料を用いた更なる研究で、マレーシアにおけるWNVのよ
り詳細な情報が得られるだろう。
ウエストナイルウ ProMED-mail
イルス感染
20230823.8711802
問題点:ウェストバージニア州で献血によるウエストナイルウイルスの初の感染
例が報告された。【概要】ウェストバージニア州で献血によるウエストナイルウイ
ルスの初の感染例が報告された。疾病管理センターによると、この献血は「推
定ウイルス血症献血者」(PVD:presumed viremic blood donors)からのもので、
献血後に血液中のウイルス検査で陽性反応が出たが、献血時には症状が見ら
れなかった。米国全土で、2023年現在、合計27の州でヒトのウエストナイルウイ
ルス感染症例が報告されている。ウエストナイルウイルスは蚊を媒介とし、CDC
の調査結果によると、80%にはウイルスの兆候は見られないが、5人に1人には
発熱、発疹、頭痛などの症状が見られる。軽度の症状であればほとんどが完治
するが、倦怠感が数ヶ月続くこともある。医療専門家は、蚊に刺されるリスクを
減らすために、虫除けスプレー、長袖の服装、ズボンの着用を勧めている。
2023年8月15日までのCDCの最新データでは、今年(2023年)190件のヒトのウ
エストナイル症例が確認されており、警戒と予防対策の必要性を強調している。
ほとんどの場合が蚊に刺されたことによる感染であるが、他の罹患動物やその
血液、あるいは他の組織との接触によっても感染が広がる可能性がある。母乳
や輸血、臓器移植によってヒトに感染することはほとんどないが、経胎盤感染
(母子感染)が1例記録されている。通常の感染予防対策がとられている場合
は、医療従事者から患者へ、あるいは医療従事者から患者へ、何気ない接触
によってヒトからヒトへ感染したという証拠はない。ウエストナイルウイルスは
1937年にウガンダで発見され、ヒトへの感染は50年以上前から世界的に報告さ
れている。この事例は、無症候性キャリアが感染拡大に寄与する可能性を示唆
している。米国の血液製剤はウエストナイルウイルスについてスクリーニングさ
れることになっているため、検査に失敗したか、又はウイルスが使用されたアッ
セイの検出限界を下回っていた可能性が考えられ、それでも輸血レシピエント
に感染する可能性があった。
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