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資料3-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[444KB] (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第3回 3/22)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
14 リフトバレー熱
出典
概要
Viruses. 15(2023)1346
リフトバレー熱(RVF)はリフトバレー熱ウイルス(RVFV)によって引き起こされる
蚊媒介性人獣共通感染症で、ヒトでは熱性疾患と網膜炎、肝炎、出血性・神経
性症候群などの合併症を、動物では若い個体の死亡や成獣の流産を引き起こ
す。ガーナ周辺を含む西アフリカ諸国ではRVFの発生が報告されているが、
ガーナではまだ症例が確認されていない。本研究ではガーナ南部の家畜と畜
産農家におけるRVFV循環の確認、その血清陽性率の推定、関連するリスク因
子の特定を目的とした。ガーナ南部の2つの地区(Ga SouthとKwahu East)の
165の農場で、ヤギ253頭、ヒツジ246頭、ウシ220頭、畜産農家157人の血清試
料を採取し、抗RVFV IgG抗体、IgM抗体について検査した。家畜における抗
RVFV抗体の全体的な血清陽性率は13.1%であり、47の農場(28.5%)でRVFV
血清陽性動物が認められた。種ごとの陽性率は、ウシで24.1%、ヒツジで
8.5%、ヤギで7.9%であった。農場の約半数(51.7%)は過去数か月間の流産発
生を報告したが、記録が不十分であったため流産率は計算できなかった。畜産
農家の抗RVFV抗体血清陽性率は17.8%、IgM血清陽性率は8.3%だった。血清
陽性者28人のうち13人(46%)はIgM血清陽性で、13人全員がKwahu East 在住
であった。IgMは一般にウイルス感染後2-3か月で減少するため、Kwahu Eastの
畜産農家が過去数か月以内にRVFVに曝露していたことが示された。本研究で
は、ガーナ南部のヒトと家畜におけるRVFV循環が初めて示された。ガーナでは
RVFVが国内に存在しないと考えられており、家畜へのRVFVワクチン接種が行
われたことがないため、ワクチン接種が血清陽性の原因であるとは考えられな
い。また、最近のヒトへの重大な曝露にもかかわらずRVF症例は検出されてい
ない。RVFは見落とされたり他の疾患と間違えられることが多く、ガーナにおけ
るアウトブレイクが検出されていなかったことが示される。ガーナのRVF疫学と
社会経済的影響をよりよく理解するために、One Healthアプローチが推奨され
る。
Mem Inst Oswaldo
15 リーシュマニア症 Cruz.
118(2023)e220220
リーシュマニア症は一般的に、ヒトといくつかの家畜及び森林に生息する動物に
影響を与える人獣共通感染症であるが、ウマのリーシュマニア症又はリーシュ
マニア感染に関連する疫学的データは乏しい。しかし、世界の様々な地域で行
われた研究で、Leishmania braziliensis 、L.infantum 、L.martiniquensis に寄生さ
れるウマ科が明らかとなった。本研究では、リオデジャネイロ州(ブラジル)に生
息する雌馬の皮膚リーシュマニア症(CL)の原因となるLeishmania 種を同定し、
分離した寄生虫におけるリーシュマニアウイルスの存在を探索することを目的と
した。2020年4月、ブラジル、リオデジャネイロ州、Cachoeiras de Macacu自治体
に住む4歳のMangalarga Marchador雌馬の左耳介に治癒困難の既往を伴う多
発性皮膚病変が発現しているのが観察された。左耳介に認めた潰瘍から皮膚
生検サンプルを収集し、培養培地で寄生虫を分離した。DNA抽出とPCR分析を
実施し、Leishmania の検出と種同定を行った。培養した寄生虫(IOC/L 3810)か
ら抽出したDNAを、Leishmania ITS1rDNAを標的としたPCR増幅にかけたとこ
ろ、約320bpのPCR産物を得た。PCR産物の配列をBLASTnツールを用いて
GenBankオンラインデータベース(ncbi.gov)で利用可能なITS1rDNA
Leishmania の配列と比較した結果、L.martiniquensis 及びL.siamensis と高い同
一性を示した。L.martiniquensis は、1995年にマルティニーク島でCLのヒト患者
から初めて分離された種である。L.martiniquensis におけるLeishbunyavirus
(LBV)の存在について利用可能な情報を考慮し、このウイルスの存在を検索し
た結果、LBVフラグメントを標的としたPCR後に陽性結果が得られた。LBVシー
ケンス結果(288 bp)をBLASTn検索にかけた結果、L.martiniquensis
leishbunyavirus 1(MK356554.1)と98.61%の同一性を示した。分離した寄生虫
をLBVに感染したLeishmania (Mundinia) martiniquensis と同定し、南米におけ
るこの種の初めての報告となった。
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感染症(PT)
14 リフトバレー熱
出典
概要
Viruses. 15(2023)1346
リフトバレー熱(RVF)はリフトバレー熱ウイルス(RVFV)によって引き起こされる
蚊媒介性人獣共通感染症で、ヒトでは熱性疾患と網膜炎、肝炎、出血性・神経
性症候群などの合併症を、動物では若い個体の死亡や成獣の流産を引き起こ
す。ガーナ周辺を含む西アフリカ諸国ではRVFの発生が報告されているが、
ガーナではまだ症例が確認されていない。本研究ではガーナ南部の家畜と畜
産農家におけるRVFV循環の確認、その血清陽性率の推定、関連するリスク因
子の特定を目的とした。ガーナ南部の2つの地区(Ga SouthとKwahu East)の
165の農場で、ヤギ253頭、ヒツジ246頭、ウシ220頭、畜産農家157人の血清試
料を採取し、抗RVFV IgG抗体、IgM抗体について検査した。家畜における抗
RVFV抗体の全体的な血清陽性率は13.1%であり、47の農場(28.5%)でRVFV
血清陽性動物が認められた。種ごとの陽性率は、ウシで24.1%、ヒツジで
8.5%、ヤギで7.9%であった。農場の約半数(51.7%)は過去数か月間の流産発
生を報告したが、記録が不十分であったため流産率は計算できなかった。畜産
農家の抗RVFV抗体血清陽性率は17.8%、IgM血清陽性率は8.3%だった。血清
陽性者28人のうち13人(46%)はIgM血清陽性で、13人全員がKwahu East 在住
であった。IgMは一般にウイルス感染後2-3か月で減少するため、Kwahu Eastの
畜産農家が過去数か月以内にRVFVに曝露していたことが示された。本研究で
は、ガーナ南部のヒトと家畜におけるRVFV循環が初めて示された。ガーナでは
RVFVが国内に存在しないと考えられており、家畜へのRVFVワクチン接種が行
われたことがないため、ワクチン接種が血清陽性の原因であるとは考えられな
い。また、最近のヒトへの重大な曝露にもかかわらずRVF症例は検出されてい
ない。RVFは見落とされたり他の疾患と間違えられることが多く、ガーナにおけ
るアウトブレイクが検出されていなかったことが示される。ガーナのRVF疫学と
社会経済的影響をよりよく理解するために、One Healthアプローチが推奨され
る。
Mem Inst Oswaldo
15 リーシュマニア症 Cruz.
118(2023)e220220
リーシュマニア症は一般的に、ヒトといくつかの家畜及び森林に生息する動物に
影響を与える人獣共通感染症であるが、ウマのリーシュマニア症又はリーシュ
マニア感染に関連する疫学的データは乏しい。しかし、世界の様々な地域で行
われた研究で、Leishmania braziliensis 、L.infantum 、L.martiniquensis に寄生さ
れるウマ科が明らかとなった。本研究では、リオデジャネイロ州(ブラジル)に生
息する雌馬の皮膚リーシュマニア症(CL)の原因となるLeishmania 種を同定し、
分離した寄生虫におけるリーシュマニアウイルスの存在を探索することを目的と
した。2020年4月、ブラジル、リオデジャネイロ州、Cachoeiras de Macacu自治体
に住む4歳のMangalarga Marchador雌馬の左耳介に治癒困難の既往を伴う多
発性皮膚病変が発現しているのが観察された。左耳介に認めた潰瘍から皮膚
生検サンプルを収集し、培養培地で寄生虫を分離した。DNA抽出とPCR分析を
実施し、Leishmania の検出と種同定を行った。培養した寄生虫(IOC/L 3810)か
ら抽出したDNAを、Leishmania ITS1rDNAを標的としたPCR増幅にかけたとこ
ろ、約320bpのPCR産物を得た。PCR産物の配列をBLASTnツールを用いて
GenBankオンラインデータベース(ncbi.gov)で利用可能なITS1rDNA
Leishmania の配列と比較した結果、L.martiniquensis 及びL.siamensis と高い同
一性を示した。L.martiniquensis は、1995年にマルティニーク島でCLのヒト患者
から初めて分離された種である。L.martiniquensis におけるLeishbunyavirus
(LBV)の存在について利用可能な情報を考慮し、このウイルスの存在を検索し
た結果、LBVフラグメントを標的としたPCR後に陽性結果が得られた。LBVシー
ケンス結果(288 bp)をBLASTn検索にかけた結果、L.martiniquensis
leishbunyavirus 1(MK356554.1)と98.61%の同一性を示した。分離した寄生虫
をLBVに感染したLeishmania (Mundinia) martiniquensis と同定し、南米におけ
るこの種の初めての報告となった。
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